季節の行事
季節の行事ってどんなものがあるの?どんなことをするの?
日本の四季は人々の暮らし方や文化に大きな意味を持っています。日本人はその移ろいを感じ、巡る季節に合わせて毎年繰り返し行事や風習を行ってきました。パッと思い浮かべるだけでも、いくつか思い出に残っている行事があるでしょう。ここでは主だった季節の行事の祝い方、楽しみ方をご紹介します。
CONTENTS
年間の主な季節の行事
1. 元旦
2. 七草
3. 鏡開き
4. 節分
5. バレンタイン
6. 雛祭り
7. 春のお彼岸
8. 端午の節句
9. 七夕
10. お盆
11. 重陽の節句
12. 十五夜
13. 秋のお彼岸
14. ハロウィン
15. クリスマス
16. 大晦日
1. 元日・元旦
元日は、年のはじめを祝う国民の祝日です。元日は1月1日丸1日を、元旦は1月1日の午前中を指す言葉だといわれています。これは旦という漢字が太陽を表す「日」と地平線を表す「一」によって成り立ち、日の出を表す文字だからといわれています。しかし、現在では元日と元旦をあまり区別しないの方が増えています。
2. 七草
1月7日に七草を入れたおかゆを食べると、1年間病気にならないというのが、七草粥のいわれです。春の七草の覚え方は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞななくさ」と短歌調に。ごちそう続きで疲れた胃腸をいたわります。
3. 鏡開き
1月11日に正月飾りの鏡餅を神棚や床の間からおろして食べる行事のこと。1年の無病息災を祈願して鏡餅を食します。お正月(松の内)が明けた後に行うのが一般的ですが、地方によっては松の内が明ける日が異なり、鏡開きの日も1月11日とは限らないようです。
4. 節分
2月3日(年によっては2日)は、節分。年中行事の中でもかなりポピュラーな節分は、豆まきをしたり、恵方巻を食べたり、家族で楽しめるイベントでもあります。悪いもの(鬼)を追い出し、良いもの(福)を迎え入れる。このわかりやすさが人気のヒミツかもしれません。
5. バレンタイン
2月14日は、日本ではチョコレートを大切な人に贈る日として定着していますが、海外では少し違う過ごし方をするようです。「バレンタイン」は人の名前?いつ頃の人?など由来をひも解いてみると、なぜバレンタインデーが世界中で祝われているのかわかるでしょう。
6. 雛祭り
3月3日は、雛祭り。桃の節句、上巳の節句ともいい、女の子の健やかな成長を願う1日です。雛人形を飾り、行事食も菱餅やひなあられ、ちらし寿司など彩り豊か。女の子がいるご家庭では、暖かくなり始めた気候と相まって、華やいだ気分になるのでは。
7. 春のお彼岸(春分の日)
年によって違いますが春分の日(3月21日頃)を中日とするのが春のお彼岸。仏教の世界では、彼岸とはあの世を指し、こちら側の此岸(しがん)と通じやすくなるのが昼夜の長さが同じ春分の日や秋分の日ということで、お墓参りをこの時期に行う風習ができました。
旧暦と新暦、その違いは?
昔ながらの行事に関する記述を読んでいると、よく「旧暦」という言葉が出てきます。現在私たちの生活の基準となる暦は、旧暦に対する新暦で、太陽暦(グレゴリオ暦)と呼ばれ、太陽の動きをもとにつくられています。旧暦は明治6年に太陽暦が採用される以前の日本で使われていた、月の満ち欠けに季節をあらわす太陽の動きを加えて作られた「太陰太陽暦」です。太陰太陽暦(旧暦)の1年は年間で11日短く、そのままだと実際の季節と暦がずれてしまうので、ずれが1カ月くらいになってくると、閏月(うるう月)というものを差し入れて調整していました。ですから1年が13カ月ある年があったということです。季節の行事の中には太陰太陽暦に従って行っていたものが多くあり、例えば中秋の名月は、太陰太陽暦の8月15日でした。十五夜という言葉もここからきており、新暦の現在では固定されていないお月見の日ですが、言葉として暮らしに根付いています。
8. 端午(たんご)の節句
5月5日は、もともとは男の子が強くたくましい成長と、立身出世を願う端午の節句の行事を行う日でした。昭和23(1948)年に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として「こどもの日」が制定されました。
9. 七夕
7月7日、七夕は折り紙で七夕飾りを作ったり、短冊に願い事を書いたり、現在でも子供と楽しめる行事の一つ。織姫と彦星が年に一度出会うロマンチックな日、と思われている方が多いですが、由来となった中国の物語を調べると、少し意外なストーリーがあります。
10.お盆
地域によって違いがありますが、8月13日から16日とするのが一般的なお盆の期間になります。この3、4日に、ご先祖様の霊をお迎えして供養するのが本来の意味ですが、お墓参りと夏休みを兼ねて実家に帰る、国民大移動の数日間ともいえます。
行事食を食べよう!
季節の行事には、行事食(ぎょうじしょく)がつきもので、家族の無病息災や成長と長寿を願って食します。旬の食材を取り入れたものも多く、季節の恵みを感じる良い機会でもあります。料理にはそれぞれ意味があり、お正月のおせち料理の黒豆は、みんながマメに過ごせるように、数の子はたくさんの卵から代々栄えるという意味で、きんとんは黄金色からお金がたまるように。この他、端午の節句の柏餅は新しい芽が出るまで古い葉が落ちない柏の木のように子孫繁栄を願って、土用(どよう)の丑(うし)の日は夏の暑さに負けないようにウナギを食べる。風邪をひかない冬至かぼちゃ、細く長い繁栄を願う年越しそば…。願いや感謝を込めて食べる行事食は、味わいも変わってくるはず。子供たちにも意味を伝えて食べさてみてはいかがですか?
11. 重陽(ちょうよう)の節句
9月9日は、五節句のひとつで重陽の節句です。別名「菊の節句」ともいい、菊の花で不老長寿を願う行事です。あまり馴染みのない方もいるかもしれませんが、かつては「後の雛」と呼ばれ、菊の花とともに雛人形を飾る大人の女性のためのお祭りがおこなわれていました。
12. 十五夜
1年でも最も美しいとされる「中秋の名月」(9月~まれに10月上旬)を楽しむ行事です。お月見でお供え物をするのは、単に風流だからではなく、月が信仰の対象であり、穀物の収穫に感謝するためです。米粉でつくった月見団子など、収穫物をお月様にお供えします。
13. 秋のお彼岸(秋分の日)
秋分は1年を24の期間に分けた二十四節気の一つです。秋分の日はこの二十四節気の秋分に入る日であり、秋のお彼岸の中日です。お彼岸にお墓参りをする風習から発したこの日は、国民の祝日として「祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ」という趣旨が定められています。
14. ハロウィン
10月31日はハロウィン(Halloween)。子供から大人まで、仮装して楽しむイベントとして日本でも定着してきました。もともとは11月1日、キリスト教の諸聖人に祈りをささげる祝日(万聖節)の前夜祭という位置づけで、秋の収穫を祝うヨーロッパのお祭りです。
15. クリスマス
12月25日、クリスマスはイエス・キリストの降誕祭。キリストの誕生日と誤解されている方もいるかもしれませんが、誕生日自体は判明しておらず、誕生をお祝いする日、とされています。日本で最も定着している感が強い西洋の祭事、子供も大人も楽しみな1日です。
16. 大晦日
12月31日、大晦日は一年最後の一日。大晦(おおつごもり)ともいいます。大掃除を終え、新年を迎える準備を整える。除夜の鐘(じょやのかね)をききながら1年を締めくくる。ちなみに108回つく、といわれる除夜の鐘は、107回を大晦日の内に、残りの1回を新年につく寺院が多いようです。