お見舞い

お見舞いの種類や最適な贈り物は?

お見舞いは、誰かが困難に遭ったり、何かに挑戦する時に応援し、支え合うことです。また、相手の状況を慮り(おもんぱかり:相手の立場で考えること)思いやり、気遣うことです。お見舞いを通じて病気や怪我、困難な状況に立ち向かう友人や家族、先輩後輩、同僚などお世話になった知人を勇気づけ、相手に寄り添い、話を聞き、必要であれば手助けをします。
お見舞いには災害見舞い、病気(入院)見舞い、時候見舞い、陣中見舞いなど様々な種類がありますが、いずれも相手を応援するものです。お見舞いには、験担ぎなどから適するもの、適さないものがあるので、相手への普段の感謝を伝え、ルールに即した贈り物を贈りたいものです。

CONTENTS

1.お見舞いとは
2. お見舞いの種類
3. 災害見舞い
4. 病気見舞い
5. 時候見舞い
6. 陣中見舞い
7.お見舞いのお返し

1. お見舞いとは

お見舞いとは病気や怪我、災害、あるいは何かの目的に向かってチャレンジしようとしている人を応援し、力づけることです。

災害に遭われた方に贈る災害見舞い、病気や怪我をしている方に対して回復を願う病気見舞い、特定の季節や行事に合わせて相手方の健康を祈る時候見舞い、試合や発表会などに挑もうとしている方への陣中見舞い(元々陣中は戦の陣内を指しますが、比喩として忙しい仕事などをしている人を励ます意味です。)など、様々なお見舞いがあります。出産に関する産見舞い、新築時の普請見舞い、旅行時の留守見舞い、火事見舞い、発表会などへの楽屋見舞いなどという言葉もあります。

いずれのお見舞いも、相手を思いやる気持ちが重要です。大切な人を励ます気持ちを伝えましょう。

心からのお見舞いの言葉と行動は、相手にとって大きな支えとなり、あなたの日頃の感謝や思いやりを受け取ってくれることでしょう。

2.お見舞いの種類

お見舞いには主に、災害見舞い、病気見舞い、時候見舞い、陣中見舞いなどがあります。
災害見舞いは地震、台風、水害、竜巻、火災などの災害に遭われた方に対するお見舞いです。
病気見舞いは文字通り、病気や怪我をした人へ、心からのサポートや慰め、励ましなどを伝えます。
時候見舞いは年賀状や寒中見舞い、余寒見舞い、暑中見舞い、残暑見舞い、喪中欠礼・喪中はがきなど、特定の季節や年中行事に合わせて、相手を気遣う気持ちを伝えます。
陣中見舞いは試合、受験、公演、展示会などが成功するように励ます気持ちを込めて贈ります。

 歴史 

お見舞いの歴史

人は一人で生きていくことはできません。誰かを支え、誰かに支えられることで社会を形成し、一人ひとりが日々の生活を営み、人生を全うします。
誰かが困っていれば助け、お互い助け合うという日々の中で今日があると言えます。
古くから、ごく自然に、いわゆる「お見舞い」という行為をしてきたと考えてもそれほど不自然とは言えないでしょう。 ちなみにお見舞いという言葉は、古語では「見回る・訪問する」という意味だったようです。それが現在は病気や災害に遭われた方に対して、訪問や手紙等でお見舞いし気遣う意味としても使われるようになりました。

3. 災害見舞い

日本は災害が非常に多い国です。
災害見舞いは、それを通じて、被災者やご家族を見舞うことで、手助けや心の支えになることでしょう。気を付けたいマナーなどもありますのでご紹介します。

災害見舞いをする前に安否確認

災害見舞いを検討する前に、まずは安否確認をしましょう。状況次第では回線混雑や、携帯電源へのご迷惑となる場合もありますので、速報性の高いX(旧twitter)を活用するなど状況を見て、役所や災害伝言ダイヤルなどを活用することもおすすめです。

安否確認後の災害見舞いのタイミング

大規模な災害の場合、インフラ(交通・物流・エネルギーなど)が復旧していない可能性もありますので、災害見舞いをしたくてもできないケースがあります。そのため被災状況や復旧の進捗を確認しつつ、状況を見て行うと良いでしょう。
被害が大きくない場合は、メールや電話を通じて、「何かできることや欲しいものはありませんか」と申し出てみると良いでしょう。

おすすめの災害見舞いの贈り物

火事や水害の場合、生活用品や家財道具が使用できなくなっていることも想定されます。そのようなケースでは寝具や衣類、日用品、衛生品を災害見舞いの贈り物として検討すると良いでしょう。
地震の場合も、電気や水道、ガスなどのライフラインが途絶えている可能性があります。また道路や交通機関なども被害を受け、物流もストップしているかもしれません。そのようなケースでは日持ちする食料品や飲料水、乾電池、ライト、ラジオなども良いでしょう。

災害見舞いの贈り物の留意点

災害見舞いの場合には、優先度の低い贈り物がいくつかあります。例えば日持ちがしない、保存温度に気をつかう食品やお花などです。また、相手を思う気持ちの伝え方として、その状況下にふさわしい、贈って喜ばれるものを贈りたいものです。

4. 病気見舞い

病気見舞いは相手の病気や怪我の状況(症状や状態)を考慮して行う必要があります。また病院のルールにも従う必要があります。相手に迷惑をかけることなく、また病状も気になりますが、相手の体調や心情の負担にならないような会話を心掛けたいものです。

訪問日時の調整と病状や体調に配慮

相手と病院の都合を考慮する必要があります。特に相手の病状や体調には配慮が必要です。まずは訪問する日時を調整しましょう。

短時間で病気見舞いする

病気見舞いによって相手の病状の負担になることは避けたいものです。関係性にもよりますが、15分から30分程度がよいでしょう。その間に用意したお見舞い品を渡し、お見舞いや励ましの言葉をかけると良いでしょう。

おすすめの病気見舞いの贈り物

病気見舞いのおすすめの贈り物は果物、入院時の必需品などが喜ばれるでしょう。お花は切り花(注)とされていますが、花瓶がない場合などもあるので、プラスチック製の袋状の花瓶なども一緒に贈ると便利かもしれません。プリザーブドフラワーはずっと残せますので、お見舞いに向いています。お花をお見舞いに贈る際に気を付けたいことは
(注)

  • 香りの強い花(ユリなどは、同室の方への配慮や、夜に香りが強いため向きません)
  • 散りやすい花
  • とげのある花(バラなど)
  • 仏花(菊は縁起が悪いと言われますが、マーガレットなどのキク科のものは構わないでしょう)
  • 鉢植えは根付くにつながるため縁起が悪いとされています。

5. 時候見舞い

時候見舞いは年賀状や寒中見舞い、余寒見舞い、暑中見舞い、残暑見舞い、喪中欠礼・喪中はがきなど、特定の季節や年中行事に合わせて行います。それぞれの見舞う時期と挨拶のマナーには注意しましょう。

年賀状の時期と挨拶

年賀状は元旦から1月上旬にかけて届くように送るのがよいでしょう。新年の挨拶に加えて、旧年のお礼、健康や幸福を願う言葉も添えると良いでしょう。

寒中見舞いの時期と挨拶

寒中見舞いは小寒の1月8日頃(暦によります)から立春(2月3日頃:暦によります)の間に送るものとされています。なお、年賀はがきが出せない際に贈る場合は1月15日以降に送りましょう。
なお、松の内(現在は7日ですが、元々は15日だったので、15日以降に送ります。なお、年賀状は旧松の内であった1月7日までに届くように送りたいものです。)寒さを耐えしのぎ、元気で過ごせるように、健康を願う言葉を添えると良いでしょう。

余寒見舞いの時期と挨拶

余寒見舞いは立春(節分の翌日)後(2月4日頃)、寒が明けても寒い時期のお見舞いです。寒中見舞い同様、寒さをしのぎ、健康を願う言葉を添えると良いでしょう。

暑中見舞いの時期と挨拶

暑中見舞いは7月7日(七夕)頃(小暑)から7月23日頃(大暑)の、旧暦で最も暑い時期を指す期間のご挨拶です。暑さをしのぎ、元気で過ごせるように、健康を願う言葉を添えると良いでしょう。

残暑見舞いの時期と挨拶

残暑見舞いは立秋(8月7日頃)を過ぎてなお暑い時期に送る挨拶です。夏の疲れを癒やし、いたわる言葉を添えると良いでしょう。

喪中欠礼・喪中はがきの時期と挨拶

喪中欠礼・喪中はがきは、例年年賀はがきの発売時期に合わせて、11月上旬から12月上旬の間、相手の準備も考えると早めに送るのがよいでしょう。故人との続柄や名前、享年、逝去月(日)などに加えて、一言お礼の挨拶を添えると良いでしょう。

6. 陣中見舞い

陣中見舞いは、陣中という言葉からもわかるように、かつては戦争に出陣する方に対して激励を伝えるために行われていました。現在は受験や試合、公演、展示会など何かを成し遂げようとする人たち全般を応援する意味で使われています。

おすすめの陣中見舞いの贈り物

おすすめの贈り物はお菓子やお弁当などの飲食物、お花、タオルなどです。

7. お見舞いのお返し

お見舞いをいただいた場合には、災害からの回復が一段落したところや病気などが治ったところでお返しなどによりその好意に報いることも大切です。

災害見舞いのお返し

災害見舞いをいただいた場合、落ち着いたところで状況のお知らせを兼ねたお礼状を出すことをお勧めします。なお、災害見舞いのお返しの品物などは不要とされています。

病気見舞いのお返し

病気見舞いをもらった時はすぐにお返しを考えるのではなく、まず治すことに専念します。回復した時点で、お返しは、「快気祝」「内祝」などと表書きして、お見舞金の3分の1から半分程度の品物をお返しします。お返しの品物としては、病気が残らないようにとの意味を込めて石鹸やお菓子などの消耗品を選ぶと良いとされています。なお、退院しても静養中の場合はお返しは不要とされています。
また、お返しをしないまま亡くなった場合は、お見舞金のお返しと香典のお礼を込めて香典返しを送ることで良いとされています。

かつての定番のお見舞い品 バナナ

お見舞いに応じて贈り物を考えるべきですが、定番としてあげられるのがバナナ・みかんです。
バナナがなぜお見舞いの贈り物として定番かというと、「免疫力アップ・手を汚さず手軽・高い保存性」だからです。

バナナジュースが流行したり、また血圧降下作用のあるGABAを含むバナナなど、バナナの持つ健康効果が注目されています。
また手を汚さずに食べることができ、かつ、南国の果物なので常温保存に向くため、病室などでの保管に問題ないのでお見舞いの贈り物に向いていると言えるでしょう。ただし、常温での保存の場合、コバエがつく場合もあるため、その場合冷蔵庫保存すると、低温障害で皮が黒くなりますが、品質には問題ありません。

お見舞いは、相手の病気やケガ、状況を気遣う気持ちを伝えると同時に相手に寄り添う行為でもあります。お見舞いで気持ちを伝えることで、相手は励まされたり、時には孤独感や不安を和らげることができます。心のこもった対応に相手はきっと喜んでくれることでしょう。
お見舞いを行う際には、相手の状況を第一に考えましょう。マナーを守って、相手が喜ぶお見舞いをしたいものです。