長寿祝い・年祝い(還暦など)

長寿祝い・年祝いは何歳から?何をするの?

長寿祝いまたは年祝いとは、長寿を迎えた方を祝う行事です。長寿祝い(年祝い)は、一般的には60歳以上の方に対して行われます。祝宴に合わせて、祝儀や贈り物を用意して、その方の長い人生を讃え、祝福します。

長寿祝い(年祝い)では、家族は当然のことながら、家族以外の知人や友人なども含めてお祝いすることは珍しくありません。その方のこれまで歩んできた人生を讃え、これからも元気一杯に暮らしていけるようにという願いを込めてお祝いする素晴らしい機会です。

長寿祝い(年祝い)を行う際には、お祝いの仕方や贈り物など、マナーにも気を配り、その方の長寿を祝福しましょう。

CONTENTS

1.長寿祝い・年祝いの意味
2.長寿祝い・年祝いの種類とシンボルカラー
3.長寿祝い・年祝いの祝い方
4.長寿祝い・年祝いのプレゼントや金額相場
5.長寿祝い・年祝いの表書きや贈答マナー

1. 長寿祝い・年祝いの意味

長寿祝いまたは年祝いとは、年齢を重ねた人を祝福するお祝いのことです。この行事は日本だけでなく、世界中で行われており、地域によって異なる文化や習慣があります。
長寿祝い・年祝いを通じて、長生きして健康であることを祝福し、感謝の気持ちを伝えます。また、年長者から人生の教訓や知恵を学ぶための貴重な機会になるだけでなく、家族や友人とのつながりを深める大切な行事であるとともに、社会的な意義や伝統的な文化に基づいた行事の意味を考える機会にもなります。

 歴史 

奈良時代 、貴族の間では40歳以降、10年ごとに賀の祝いが行われていました。室町時代末期に「還暦」をはじめとした年祝い(長寿祝い)の名称が生まれ、江戸時代に庶民にも浸透していきました。
還暦は、本卦がえり(ほんけがえり)とも呼ばれます。暦の干支は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせで決まります。この組み合わせは60年で一周し、61年目に自分の生まれた年と同じ干支が再びめぐってくるので、新たに生まれ直すという意味から還暦のお祝いをするようになりました。

数え年と満年齢のおはなし

長寿祝い・年祝いは数え年で従来行われていました。現在では、年齢の数え方には満年齢と数え年の2種類ありますが、以前は数え年のみしかありませんでした。どのような経緯を辿って二通りになったのかは以下のとおりです。

●1902年に「年齢計算に関する法律」を公布。数え年をやめて満年齢にするように定められましたが、定着しませんでした。
●1950年に「年齢のとなえ方に関する法律」を公布。年齢は満年齢で言い表すことを常とするよう定められました。

これらの結果、馴れ親しんだ数え年と、新たに法律によって追加された満年齢の両方が存在するようになりました。現在でも祝儀と神事仏事に関する儀礼習俗には数え年が多く用いられています。

2.長寿祝い・年祝いの種類とシンボルカラー

長寿祝い・年祝いには年齢に応じて名称が異なります。長寿祝いを賀寿(がじゅ)ともいいます。またそれぞれにシンボルとなるカラーも定められています。以下に年齢別の賀寿の種類を紹介します。

賀寿の種類年齢カラー
還暦(かんれき)61歳(数え年)
古希(こき)70歳
喜寿(きじゅ)77歳
傘寿(さんじゅ)80歳金茶
半寿(はんじゅ)81歳金茶
米寿(べいじゅ)88歳金茶
卒寿(そつじゅ)90歳紫 白
白寿(はくじゅ)99歳
百寿(ひゃくじゅ)100歳特になし
茶寿(ちゃじゅ)108歳特になし

賀寿それぞれの名前の由来

還暦:六十年目で干支と十干が一周し、生まれたときと同じ暦に還るため
古希:唐の詩人・杜甫の詩「人生七十年古来稀なり」が由来
喜寿:「喜」の字を草書体である「㐂」が「七十七」に見えるため
傘寿:「傘」の略した字「仐」が「八十」に見えるため
半寿:「半」の字が「八」「十」「一」に分解されるため
米寿:「米」の字が「八」「十」「八」に分解されるため
卒寿:「卒」を略した字「卆」が、「九十」に見えるため
白寿:「百」の字から「一」を取ると、「白」になるため
百寿:百歳の「百」
茶寿:「茶」の旧字が「十」「十」「八十八」に分けられ、足すと108となるため

3. 長寿祝い・年祝いの祝い方

長寿祝い・年祝いに特別決まった祝い方はありませんが、ご本人の都合や体調を気遣いたいものです。そのため可能であれば、暑すぎる夏や、寒すぎる冬などを避け、過ごしやすい時期に行うのもよいでしょう。
長寿祝い・年祝いの日取りについては、誕生日当日やその近くがいいかと思いますが、それ以外の日でも問題はありませんので、家族や友人知人が揃いやすいタイミング(正月、お盆、敬老の日、GWなど)で行うと良いでしょう。
どのようにお祝いをするかについても、家族でお祝いの会を開いたり、レストランや料亭で食事会をしたり、家族旅行に行ったり等、人それぞれですので、皆さんで話し合って決めると良いでしょう。

第二の誕生となる還暦と赤の関係

還暦に赤いちゃんちゃんこを贈ることは有名ですが、赤である理由は、赤は祝い事の膳椀や酒樽に使用されている通り、祝意を表すからです。

また誕生と赤子を掛けて、赤色の衣服や頭巾などを贈って、第二の誕生を意味する還暦を祝います。

4. 長寿祝い・年祝いのプレゼントや金額相場

長寿祝い・年祝いということは、年配の方に贈ることになりますので、現金を渡すのは失礼と捉えられかねません。そのため現金を渡す場合は、相手との関係性や相手のご意向など考慮すると良いでしょう。

賀寿の種類と年齢
(数え年)
プレゼント
(基調色やご本人の喜ぶもの)
ご長寿の方との関係性と金額相場
還暦 60歳
(満年齢)
数え年表記では61歳 
赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾などの他、赤色が入っているものや、ご本人に日常喜んで使ってもらえるもの
(同様に以下はご参考)
両親:3万円〜5万円
祖父母:1万円〜3万円
親戚:5千円〜1万円
古希 70歳紫色のお花など、紫色の入ったもの両親:2万円〜5万円
祖父母:1万円〜3万円
親戚:5千円〜1万円
喜寿 77歳紫色のお花など、紫色の入ったもの
傘寿 80歳傘や帽子など(テーマ色は金茶)
米寿 88歳金色や黄色のちゃんちゃんこや扇子などテーマ色の入ったもの
卒寿 90歳白色のもの、食事や花束など残らないもの
白寿 99歳白色をモチーフにしたもの
百寿 100歳お花や衣類など

5. 長寿祝い・年祝いの表書きや贈答マナー

長寿祝い・年祝いの表書きや贈答マナーを紹介します。ちなみにこれらは品物を贈る場合を想定していますが、現金の場合は祝儀袋に包むと良いでしょう。

熨斗(のし)

紅白または金銀の水引が蝶結びになっている熨斗紙

表書き

水引の上段に「祝◯◯」や「御祝」と書きましょう。
※◯◯には還暦であれば還暦、古希であれば古希といれましょう。表書きの文字数は奇数が陽数として、縁起の良い数とされています。

水引の下段に贈る方の名前をフルネームで入れます。
※連名にする場合は、立場や年齢の高い方から順番に、右側から記載します。
※兄弟同士や孫全員で贈る場合は、「子供一同」や「孫一同」とします。

長寿祝い・年祝いは、お祝いする方にとって感謝や敬意を表す重要な行事と言えますが、それはお祝いされる方に合わせ、無理のないように配慮することも大切です。
お祝いの場においても、相手の立場や気持ちを理解し、マナーを守り、礼儀正しい態度で接することが大事です。お祝いの意義を理解できると、より大切さがわかることと思います。そして、大切なことは、相手に喜んでもらえるようなお祝いを心をこめて行うことでしょう。