七夕

七夕(たなばた)ってなに?

七夕は、毎年7月7日に星にお祈りをするお祭り行事です。季節の節目とする五節句のひとつで、「しちせき」とも読みます。1年に1度だけ織姫と彦星が天の川を渡って出会える日という言い伝えや、お願いごとを書いた短冊や飾りものを笹の葉に吊るしてお祈りをしたり、そうめんを食べたりする風習があります。七夕は本来、現在の8月上旬から下旬にあたる旧暦の7月7日に行っていました。そのため、今でも8月に七夕行事を行う地域もあります。

CONTENTS
1. 七夕飾り
2. 七夕そうめん

1. 七夕飾り

折り紙で作る七夕飾りにはそれぞれに意味があります。一つひとつの意味を知り、願いを込めて飾ることで七夕がもっと楽しくなるでしょう。

■折鶴(千羽鶴)…長寿を表す
願いごと:長生きできますように

■吹き流し…織り糸を表す。
願いごと:(織姫にちなんで)裁縫が上達できますように

■網飾り…漁に使う漁網(ぎょもう)を表す
願いごと:大漁祈願

■財布(巾着)…黄色や白色の紙だとさらに良い
願いごと:金運が上がりますように

■神衣・紙衣(かみこ)…人型にすることで、厄除けや身代わりに
願いごと:裁縫の腕が上がり、着るものに困りませんように

■くずかご…七夕飾りを作った時の紙くずを入れて吊るす
願いごと:整理整頓が上手にできますように

■短冊
短冊に願いごとを書いて飾ります。短冊は5色使い、それぞれの色が意味するお願いごとを書くと、願いが叶いやすくなるといわれています。
短冊の色は、「青、赤、黄、白、黒」で、中国の陰陽五行説という考え方に基づいています。
陰陽五行説とは、自然界のすべてのものは「木(青もしくは緑)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(紫もしくは黒)」の5種類に当てはめて説明することができるという考え方です。

五色の短冊の意味
「青もしくは緑」…人間力を高めるための成長に関するお願いごと
「赤」…祖先や親への感謝の気持ち
「黄」…人を信じ、大切に思う「人間関係」に関するお願いごと
「白」…義務や決まりを守る「達成」へのお願いごと
「紫もしくは黒」…学業向上に関するお願いごと

なぜ笹に飾るの?

笹は、天に向かってまっすぐに伸びることから生命力があり、抗菌・防腐効果のある葉には魔除けの力があると信じられ、七夕の風習が生まれる以前から神聖な植物として神事に用いられていました。また、笹の葉が擦れ合う音は、神事を招くといわれています。こうして七夕の願いごとも笹に吊るすようになったそうです。

 歴史 

ルーツは、3つの風習や伝統にあった

七夕は、日本の神事であった「棚機(たなばた)」と「織姫と彦星の伝説」、奈良時代に中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん・きっこうでん)」が組み合わさって生まれた風習といわれており、平安時代に宮中行事として行われるようになりました。江戸時代になると庶民の間にも広まり、天の神様への目印として竹に短冊や吹き流し、ひょうたんなどが飾られるようになりました。

七夕の由来となる三つの説をご紹介します。

■棚機(たなばた)
七夕の時期に、乙女たちが着物を織って棚に供えて、神様に稲の豊作を願ったり、人々の穢れを祓う日本の禊(みそぎ)行事です。着物を織る乙女のことを「棚機女(たなばたつめ)」と呼び、川などの清らかな水辺にある機屋(はたや)にこもり、神様のために着物をこしらえていました。また、七夕を「たなばた」と当て字で読むのは、棚機の読みからきているといわれています。

■乞巧奠(きこうでん・きっこうでん)
七夕伝説に登場する織姫は、裁縫の仕事を司るといわれていたことから、女性の技芸(裁縫や書道など)が上達することを祈る中国の行事です。

■七夕伝説
七夕は、織姫と彦星が天の川を渡って年に一度再会する日という話が有名ですが、これは中国からの言い伝えからくるものです。琴(こと)座のベガと呼ばれる織女(しょくじょ)星を「織姫」、鷲(わし)座のアルタイルと呼ばれる牽牛(けんぎゅう)星を「彦星」と呼び、この二つの星が旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いて見えることから、中国ではこの日を年に一度の巡り合いの日と考えられ、七夕伝説が生まれたといわれています。

あらすじ
天空で一番偉い神様であり天帝の娘でもある「織姫」は機織りの仕事をしていている熱心な働き者で、「彦星」がは牛の世話をしているしっかり者でした。この二人は織姫の父親である天帝のすすめで結婚することに。二人はとても仲が良く、毎日遊んで暮らしており、全く仕事をしなくなってしまいました。怒った天帝は、二人を天の川の両岸に引き離しましたが、今度は悲しみに暮れて働かなくなりました。そこで天帝は、真面目に働くことを条件に、一年に一度、七夕の夜にだけ再会を許すことにしました。

雨が降ったら、織姫と彦星の再会はどうなるの?

織姫と彦星のせっかくの再会の日に雨が降ってしまうのは心配ですよね。実は、七夕は雨が降りやすい日といわれており、七夕の雨を「催涙雨(さいるいう)」と呼びます。催涙雨が降る理由は諸説あり、「織姫が彦星に会えて嬉しくて泣いてしまったため、その涙が雨になった」説や「せっかく会えたのに、また1年離れなくてはならないため悲しくて泣いた涙」という説などがあります。うれし涙と悲しい涙、どちらの解釈にも捉えられえる「催涙雨」ですが、もし雨が降ったらどちらを信じるか、お子さまと話してみるのもよいですね。

七夕まつり

七夕の時期になると日本各地で「七夕まつり」が開催されます。その中でも特に宮城県仙台市の「仙台七夕まつり」、神奈川県平塚市の「湘南ひらつか七夕まつり」、愛知県一宮市の「一宮七夕まつり」、愛知県安城市の「安城七夕まつり」などが有名です。地域によっては8月のお盆前後に開催する場所もありますので、お近くの「七夕まつり」に参加してみてはいかがでしょう。

2. 七夕そうめん

七夕の行事食です。中国の「索餅(さくべい)」という縄のように編んだ小麦粉の料理に由来するそうです。中国では、7月7日に亡くなった帝の子どもが霊鬼神となって熱病を流行らせたため、帝の子どもの好物であった索餅をお供えしたところ、熱病の流行が治ったといわれています。
以後、7月7日に無病息災を祈願し索餅を食べる習慣ができ、時代の変化につれ索餅がそうめんに変わったそうです。そうめんになった理由は諸説あり、索餅は「索麺(そうめん)」とも呼ばれており、「さくめん」が「そうめん」に変化した説や、天の川や織姫の織り糸にそうめんを見立てたという説もあります。

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七夕の歌をうたってみよう!

七夕に短冊を書いたり笹の葉に飾り物をしたことがあっても、七夕飾りにそれぞれ意味があることや七夕の由来までは知らなかった方も多いのではないでしょうか。天の川に織姫と彦星の再会を願いながら、飾り物をしたりそうめんを食べたり、近所のお祭りに参加してご家族で夏の思い出を作るのもよいですね。