鏡開き

鏡開きってなにをするの?

お正月の間、床の間や神棚に正月飾りとして飾っていた鏡餅。鏡開きとは、この鏡餅を一定の期間飾った後に、無病息災を祈願して食べる行事です(1月11日ごろ)。お餅はいろいろな食べ方がありますが、鏡餅には特別な食べ方があるのでしょうか。由緒正しい食べ方とは?
鏡開きは古くからおこなわれており、由来があり、おもちの分け方にも理由があります。お正月という日本の新年を祝う期間の縁起物として、食べ方を覚えて、子どもたちに伝えてみませんか。美味しいおもちのことですから、きっと思い出に残るはずです。

CONTENTS
1. 鏡開きの日取り
2. 鏡開きをする意味
3. 鏡餅を食べましょう

1. 鏡開きの日取り

鏡開きは「年神様(としがみさま)」をお迎えしている期間「松の内」(関東地方では1月7日まで、京都府周辺では15日の小正月までを指すことが多い)以降で、お正月飾りの片付けも大方終わった1月11日頃に行う、というのが一般的です。
江戸時代は、松の内が1月15日頃まであり、1月20日近辺に鏡開きが行われていました。しかし3代将軍の徳川家光が亡くなったのが4月20日で、その月命日となる20日を避けるようになり、現在の1月11日から15日の間に行うのが一般的になりました。

地域によって異なる
鏡開きの日取り

鏡開きは地域によって行う日が違います。1月11日というのは関東や北海道、九州エリアで、関西では15~20日の場合が多いようです。
ちなみに、鏡餅を含むお正月飾りの飾り初めの時期は、「正月事始め」である12月13日以降とされています。なかでも、末広がりの八がつく12月28日に飾るのが良いとされています。

2. 鏡開きをする意味

お餅は平安時代の頃から神様の魂を宿す神聖な食べ物とされてきました。神様の魂を食べることで神様から力を分けていただき、活力とする。そして、その丸い形から「夫婦や家族の円満」や家族の健康と活躍を祈る、といった意味があります。
鏡開きで餅を割ったものを「御年魂」といい、これが「御年玉(おとしだま)」の語源となったという説もあります。

 歴史 

鏡開きの始まりは武家から

鏡開き、あるいは鏡餅の歴史をひも解くと、室町時代に始まったといわれています。
当時、武家では、お正月に床の間に鎧や兜(=具足)などを飾る習慣があり、その近くに「具足餅(ぐそくもち)」をお供えし、お正月の終わりに割って食べる文化があったそうです。江戸時代以降、これが武家だけでなく一般庶民にも広がり、やがて現代のような「神棚に飾ってから食べる」といったやり方が定着するようになりました

鏡開きの食べ方

  • 松の内は神様の依り代であるので、鏡餅は松の内が終わってから食べましょう。
  • 神様が宿った大事な「お年たま(魂)」なので、開いたときに出る欠片も残さず食べましょう。
  • 大きな鏡餅の場合は、手で割るか、木槌や小槌で叩いて割りましょう。(乾燥したお餅の場合。実際にパック詰めされた大きな鏡餅は、包丁でないと分けるのは難しいです。大根に刃を通すと、包丁の切れを保ちながらお餅を開くことができます。)

もともとが武家の習わしであった鏡開きなので、包丁などの刃物で鏡餅を切る行為は、切腹を連想させるために禁物とされていました。そして小槌や木槌などで割り砕くのが作法として定着しましたが、「割る」という言い方も縁起物としてはあまりよくないので、末広がりを意味する「開く」が使われるようになり、「鏡開き」になったのです。

3. 鏡餅のレシピ

鏡開きで割った鏡餅は残さず大事にいただきましょう。食べ方は自由なので、いろいろなお餅のレシピを取り入れてみましょう。

お雑煮

市販の鏡餅は大きさがいろいろあります。鏡開きで食べやすい大きさに開いてから、お雑煮などに使いましょう。焼いたり、水にくぐらせて電子レンジを使ったりしてお餅を柔らかくして調理しましょう。

お汁粉

ゆでた小豆の缶詰を使うと簡単にお汁粉をつくることができます。砂糖の甘みを引き立たせたい時は、小豆に塩を入れると味が引き締まります。

かきもち

天日で干した鏡餅の欠片を油でからりと揚げて、塩をかけたり、熱いうちに砂糖醤油に絡めると、美味しいサクサクのかきもちができあがります。

お正月の間、神棚や床の間にお供えして存在感の高い鏡餅。神様(の魂)がそこに宿っていると思うと、なんだか身の引き締まる思いがします。お正月が終わり新年の事始めとしても位置づけられる鏡開き。行事を締めくくる「お餅を食べる」ことも含めて、お子様とその意味を考えたり、感じたりしながら楽しめるお正月行事です。