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自分史上最高にキレイ! プロカメラマンに聞く、ウエディングフォトの上手な撮られ方/ファーストミートなどの演出

ウエディングフォトは一生の宝物なのに、式が終わって写真が出来上がってきたら、イメージと違う、笑顔が少ない、顔の向きは右より左の方が良かったのに……など、不満が残ることも。でも、撮り直しはできません。そんな失敗を回避するためにはどうすればいいか、現場で活躍するカメラマン2名に直撃。ユーザーから寄せられた疑問に答えてもらいました!

【取材にご協力いただいたのはこちら】

笹森亮兵さん

カメラマン歴20年。冠婚葬祭事業を展開する株式会社あいプランの社員カメラマンとして活躍。現在は「ブルーミントンヒル」と「 イルムの丘 セント・マーガレット教会」を専属で受け持つ。

佐々木由佳さん

結婚式のカメラマンに憧れ、株式会社あいプランに入社。以来12年間、「藻岩シャローム教会」の専属カメラマンとして活躍し、ゼクシィウエディングフォトコンテストにて3度の入賞経験を持つ。

Q1. 写真を撮られるのが苦手(特に彼!)。結婚式に向けて、何か秘策はありますか?

【佐々木さん】 写真を撮られるのが苦手と言うのは、圧倒的にご新郎様が多いですね。ご新婦様の場合は、スマホで自撮りしたりして、写真を撮り慣れていらっしゃるので。

結婚式当日のスナップ写真は流れの中で撮影するのでよいのですが、表情が硬くて困ってしまうのは記念写真の撮影時ですね。でも、それほど心配する必要はありません。

記念撮影のタイミングは、緊張度MAXの挙式を終え、アフターセレモニーでゲストと楽しく触れ合ったあと。カメラマンはお支度のタイミングから撮影に入ることも多く、記念撮影の頃にはだいぶ打ち解けてくださり、写真を撮られるのにも徐々に慣れてくるので。

それでもやっぱりスタジオでかしこまって撮影するとなると、表情が引きつってしまう新郎様もおられます。そんな時はご新婦様の出番。朗らかに、ジョークを交えたりしながら新郎様の緊張をほぐしてください!(笑)

【笹森さん】 写真を撮られるのが苦手な方は、前撮りを選んでいただくとよいですね。結婚式当日はどうしてもバタバタします。結婚式の約1カ月前に記念撮影を行う前撮りならば、1日ゆっくり時間をかけて好きなスポットでのロケーション撮影やスタジオ撮影ができます。

前撮りでは時間に余裕があるので、撮影した写真を随時、画面でチェックしてもらいながら進めていきます。そうすると、新郎様から「自分では笑っているつもりなのに、画面で見るとぜんぜん笑えてないですね~」とか「顔は右側より左側の方がかっこいいかも」なんて言葉も。

最初は写真が苦手と言っていた新郎様がどんどん写真慣れしていき、最終的には本当にリラックスしてよい表情の写真が撮れたりするんですよ。前撮りは写真の上手な撮られ方レッスンも兼ねていると言えますね。この経験は、結婚式本番のスナップ写真の際にも絶対に役立つはずです。

スタジオでの撮影時、緊張をほぐすよう声がけする佐々木さん。前撮りを行わない場合、スタジオでの記念撮影に取れる時間は5~10分ほど。その間に新郎新婦の写真や親族写真を撮影します
支度を終えた控え室にて。新婦の朗らかな笑顔につられて緊張気味の新郎も笑顔!

Q2. カメラマンと事前に打ち合わせできますか? その際は何を伝えればいい?

【笹森さん】 当社の場合は、美容師やフローリストとの打ち合わせにお二人がいらっしゃるタイミングで、カメラマンとの打ち合わせも必ず行うようにしています。最近はほかの会場様でもそのようにしている所が多くなってきているのではないでしょうか。

前撮りを行う方については、前撮りの内容について希望を聞き、撮影後に写真が出来上がったらどんなアルバムに仕上げるかのお打ち合わせと一緒に、結婚式当日のスナップ撮影についてのご希望もお聞きします。

ひと昔前は事前打ち合わせがなく、結婚式当日に「はじめまして」のカメラマンが撮影することも。写真が出来上がってから「思っていたイメージと違う」「こんなシーンの写真も撮って欲しかった」「ブーケや指輪だけの写真も撮っておいてもらえばよかった」などの声が聞かれることもありました。一生残る結婚式の写真に関してそんな残念な思いは絶対させたくないので、打ち合わせではできるだけ細やかに希望を聞くようにしています。

【佐々木さん】 打ち合わせでは、最初は遠慮して「カメラマンさんにすべてお任せします」という方も多いんです。もちろん、カメラマンはその会場のことを知り尽くしていますので、お任せいただければ、“この季節のこの時間ならばこの場所の光がキレイ”などの基本情報を基に撮影プランを組み立てることができます。

それでも、ご希望や心配ごとがある場合はどんな些細なことでも結構ですので、お伝えいただきたいのです。打ち合わせ時に、まず「苦手な角度(例えば下から、真横など)は?」とお聞きするんです。そうすると「二の腕が気になる」「歯の矯正中で隙間があるので左側はあんまり撮らないで欲しい」「タトゥーが入っているのでわからないように撮って欲しい」「猫背なんです」など、自分からは言い出せなかったけれど、実は……といった情報がどんどん出てきます。

また、例として先輩カップルの写真を見ていただくと「私もこんな写真が撮りたい」というように、漠然としていたイメージが明確に。

このように、打ち合わせ時はカメラマンから細やかな質問をして希望を引き出すようにしますので特に準備は不要ですが、もしも余裕があれば、以下の項目について少し考えてきていただけるとよいかもです。

苦手な角度、撮らないでほしい、隠してほしい部分などはないか

目の下のクマやニキビ、よりによって前日に転んでできた擦り傷など、結婚式や前撮り当日の思わぬトラブルに関しては、メイクで隠すこともできますし、カバーしきれいない部分は後でデータを修正も可能。そのことを気にしすぎて表情が曇ってしまったらもったいないので、なんでも気軽に相談してくださいね!

撮ってほしいシーンはあるか

例えば、前撮り時にシルエットでキスシーン、お姫様抱っこシーンなど。結婚式当日に親友とツーショット写真、入場時の後ろ姿など。他会場やほかのカップルの方のインスタ写真や雑誌の切り抜きなどを持参していただき見せていただくのも大歓迎ですよ!

結婚式当日、必ず撮影してほしいモノはあるか

例えば、結婚指輪に刻印したイニシャルが見えるようなアップ写真、ブーケの写真、二人がこだわって取り入れた思い出のひと皿の料理写真など。お二人のこだわりのポイントについては担当プランナーと情報共有していますが、絶対におさえておいてほしいといった部分については、打ち合わせ時にお伝えいただくと確実です。

【笹森さん】 あとは、お二人の馴れ初め、新郎新婦それぞれのご家族や友人とのエピソードなども聞かせていただくとよいですね。そうすることで、結婚式当日、カメラマンがお二人の目線・気持ちになって、大切なシーンを逃さず写真に切り取ることができます。

カメラマンとの打ち合わせでは、希望や心配ごとを何でも相談してみることが大切

Q3. 写真写りに自信がなくて……。写真写りがよくなる方法はない?

【佐々木さん】 まず「姿勢」ですね。背筋をピンと伸ばすだけで、ドレス姿の写真写りはグンとよくなります。もともと猫背ぎみの方や巻肩の方の中には、実は自分の姿勢が悪いのに気付いていない方もいるのではないでしょうか。実際に私も巻肩なのですが、ほかの人に指摘されるまでまったく気付きませんでした。

これを機に、新郎新婦それぞれがお互いの姿勢を見直して、指摘し合えるといいですね。お互いに立ち姿や座った姿勢など写真を撮り合ってチェックしてみるのもよいでしょう。

次に「笑顔」も大切です。先にも触れましたが、自分は笑顔のつもりでも、写真に撮ってみると全然笑えていなかったといったこともあります。自分で鏡を見て練習したり、二人で写真を撮り合ってチェックしたり。このような時間を持つことも、よい思い出に残るはずです。

【笹森さん】 先ほどもお伝えしましたが、写真写りをよくするためにも前撮りを賢く活用してみては? 前撮りの際には、カメラマンからも“もう少しだけ顎を引きましょう”

“片足を少しだけずらして立ち、気持ち身体を斜めにするとスタイルよく見えますよ” “ブーケはウエストの位置で、カメラに正面を向けて持ちましょう”

などお声がけしていきます。そして、撮影した画面を随時チェックしながら進めますので、自分がどの姿勢でいる時がいちばんキレイに写るか知ることができますよ。

二の腕を脇から離してブーケを持つようにすると、腕がすっきり細く見えます

Q4. より満足する写真を撮ってもらうため、事前に準備しておくとよいこと、当日の心構えなど教えてください!

【佐々木さん】 前撮りの場合ですが、「撮影時に小物として使いたいものがあったらご持参ください」とお伝えします。例えば以下のようなものです。

  • 二人が大好きなキャラクターのぬいぐるみ
  • 共通の趣味であるスポーツやバンドなどのグッズ(ユニフォームやタオルなど)
  • 最初にプレゼントしてもらったものなど思い出の品
  • 結婚式で使う予定のウエルカムボードやリングピロー・結婚指輪
  • 小さいころの写真

これらを撮影時の小道具にすることで、より思い出深い写真が撮影できますし、自然に笑みがこぼれてステキな表情の写真が完成します。

また、前撮りの見学に家族や友人が来られることも多くあります。特に、当日は洋装で、和装は前撮りのみの場合、ご両親や祖父母をお招きして和装姿をお披露目することも。お二人のご希望があればご家族も一緒に記念撮影を行いますので、そのことを事前に伝えておいていただくとよいですね。

【笹森さん】 結婚式当日は、流れに沿って撮影していきます。カメラマンは常にお二人のそばにいますので、なにか不安なことがあれば何なりとご相談ください。でも、できるだけお二人の自然なお姿や表情を撮影したいので、空気のようにできるだけ話しかけず、静かに寄り添いながら写真を撮っている感じです。

“結婚式当日はいつ撮影されてもいいように常に口角を上げて”などという方もおられますが、そんなことを気にされる必要はまったくないと思います。逆に私たちカメラマンは、緊張の面持ちだったり、真面目に来賓あいさつに耳を傾けていたり、感動で涙されたり、ゲストと一緒に大爆笑したり……そんな自然の表情を逃さず写真に収められるよう心がけています。そのほうが、あとで写真を眺めながら結婚式を振り返ったとき、当時の気持ちがよみがえるのではないでしょうか。

【佐々木さん】 そうですね、私も結婚式当日はお二人に「カメラマンの存在は忘れていいです!」とお伝えしています。作り込まずにありのままの素の表情、素のリアクションがやっぱりいちばん素敵ですから。

もし当日に向けて準備してくるとしたら、ゲストと写真を撮る際にどんなポーズがいいか考えてくることくらいでしょうか。最近は、挙式後のアフタ―セレモニーのタイミングで、ゲスト全員の集合写真を撮ることも多くなっています。また、披露宴ではゲストのみなさんと写真をたくさん撮りたいと希望され、テーブルラウンド時にその卓のゲストと集合写真を撮る演出を取り入れる方も。

このような時、みんなでピースでももちろんよいのですが、例えば学生時代の部活やサークルの仲間だったら、当時よくしていたポーズをみんなでやってみるとか。ちょっと考えておいていただけると、バリエーションに富んだ思い出に残る写真が完成しますよ。

前撮りシーン

結婚式当日のナチュラルなスナップ写真

ゲストとの写真はポーズを決めて

Q5. ステキな写真を残すために取り入れたい“写真映えするおすすめ演出”はありますか?

【佐々木さん】 先ほどもお話しましたが、披露宴ではあまり演出は取り入れず、ゲストとゆっくり歓談&写真撮影をしたいといった方が多くなっています。ですので、披露宴では、入場→乾杯→ケーキ入刀→ファーストバイト→(お色直しがある場合は)退場→入場→テーブルラウンド→両親への手紙の朗読と花束贈呈→退場→お見送り……といった、定番かつ最小限の写真を撮っていく感じですね。その代わり、ゲストと新郎新婦との写真はたくさん撮ります。

【笹森さん】 挙式時の撮影についてですが、私が所属する2カ所の教会では、キリスト教式の本番はできるだけ式に集中してもらえるようカメラマンは入らず、遠隔操作のカメラのみ。その代わり、挙式30分前に本番さながらのリハーサルを行いますので、カメラマンが入って撮影を行います。新婦のベールをお母様がおろすベールダウンの儀式や、新郎のジャケットをお母様が着せ掛けるジャケットセレモニー、指輪交換の手元アップや誓いの言葉とキスのシーンなど、お二人の近くに寄って撮影します。

ほかの会場様でも挙式リハーサルはされると思いますが、本番同様とまではいかないかもしれません。ですが、指輪交換時の手元アップのシーンは本番ではそこまでカメラマンが近づけないため、リハーサル時または支度が終わってから控え室で撮影して欲しいと希望を伝えておくといいでしょう。

【佐々木さん】 最近、特に人気がある演出と言えば「ファーストミート」ですね。新郎新婦が別々の部屋でお支度を行い、最初にお互いの姿を見せ合うセレモニーのことです。

“新婦が新郎の肩をトントン叩いて、振り向いた新郎の表情を撮影する”“新婦の部屋に新郎がドアを開けて入ってきたときの表情を撮影する”など、いろんなシチュエーションが考えられますので、事前にお二人とどのようにするか相談して決めておきます。

同じように、ご両親やごきょうだいにお支度後の姿を披露する「ファミリーミート」、ご友人に披露する「フレンドミート」などを取り入れる方もいらっしゃいます。

披露宴での主な演出&フォトシーン

友人や姉妹のエスコートで退場

挙式での主な演出&フォトシーン

退場後に、ゲストからフラワーシャワーの祝福を
「ファーストミート」にて、鏡越しに新郎が新婦の姿を見るシチュエーションを演出

ステキな写真を残すためには、カメラマンとコミュニケーションを取り、希望があればしっかりと伝えて、信頼関係を築いてから結婚式当日を迎えるとよいことがよく分かりました。また、写真写りをよくするため、姿勢のチェック、笑顔の練習などを二人で事前にしておくことも大切ですね。この記事を参考に、ぜひ挑戦してみてください。

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