儀式や行事の“ナゼ”を知って、
暮らしを彩る冠婚葬祭メディア

【パパママ婚実例】2歳半のお子さまと一緒に、笑顔があふれるファミリーウエディングを実現!

最近は行動制限もなくなり、コロナ禍前と同じように希望通りの結婚式を行えるようになりました。新型コロナ感染防止のために結婚式を諦めた人の中には、“すでにこどもがいるけれど、やっぱり結婚式をやりたい!”と思っている方も多いのではないでしょうか。

「実際に、コロナ禍の間に生まれたお子さまと一緒に結婚式を行う“パパママ婚”が増えています」と語るのは、「Socia21」のウエディングプランナー・遊佐さん。

今回は、「Socia21」でパパママ婚を行ったカップルの実例をご紹介しながら、遊佐さんに“パパママ婚成功のポイント”についても教えていただきました。

お話を伺った方

「Socia21」ウエディングプランナー 遊佐さん

新横浜駅から徒歩約15分(約10分間隔で無料送迎バス運行)にある、独立型チャペルが人気の専門式場「Socia21」にて、多くのウエディングを担当。パパママ婚を手がけた経験も多く、お子さま一人ひとりの個性に合わせた演出や進行の提案、手厚いサポートが評判。

実例カップルはこちら!

奥山史也さん(26歳)・明日花さん(25歳)・凛人くん(3歳7カ月)※年齢は2023年7月20日時点。

学生時代に知り合い2019年6月に入籍。同年12月には長男が誕生。入籍から約3年後の2022年8月20日、2歳半になる長男と一緒に結婚式を実施。

▶結婚式Data
会場:Socia21(神奈川県横浜市)
挙式:独立型チャペルにて教会式
披露宴:招待客75名

入籍から2年以上が経ち、結婚式を行う予定はなかったけれど……

学生結婚だった二人は経済的な理由もあり、当初は結婚式を行う予定はなかったそう。

「でもある時、私の大好きな祖母がコロナ禍で家に引きこもるようになり、認知症になってしまいました。これをきっかけに、祖母の症状が重くなる前に花嫁姿を見せてあげたいと思うようになりました」(明日花さん・以下同)

そこで結婚式のことをいろいろ調べていると、たまたま「Socia21」の結婚式プレゼントキャンペーンの広告を見つけたそう。軽い気持ちで応募してみたら当選!せっかくだから話を聞くだけでもと、凛人くんも連れて親子3人で見学に。それが、結婚式の約半年前の2022年2月のことでした。

「行ってみたら会場の雰囲気も良かったし、プランナーさんと話をしていて、こどもと一緒に作り上げるウエディングというのも魅力的だったので、当日その場でやることに決定し申し込みました」

 Planner’s comment 

「結婚式プレゼントキャンペーンは、例えば半年以内にゲスト60名以上の結婚式ができる人などの条件があったり、プレゼント内容が挙式料無料や衣装無料などさまざまです。その時々で内容が異なりますが、現在でも時折キャンペーンを行っていますので、気になる方は当式場のHPやSNSをチェックしてみてください

まだ2歳半のこどものストレスにならないようにしながら、親子3人でできる演出を工夫

結婚式の招待客は75人と比較的多いものの、当時はまだコロナ禍だったため、仕事関係者は一切招待しなかったそう。

「ゲストは親せきと友人のみ。なので、形式ばったことはなしで、アットホームな披露宴にしたいと思いました。でも、私も主人も、そして友人たちもほとんどが結婚式に参加するのはこれが初めて。わからないことだらけだったので、とにかくプランナーさんと相談しながら一つひとつ決めていった感じです」

そんな中で一番こだわったのは“こども演出”。せっかく我が子も一緒の結婚式なのだから、こどもが参加できる演出をたくさん取り入れたいと思ったそう。
「ただ、こどもがまだ小さいので過度に期待したり、頑張らせすぎたりはNGに。うちの子にできそうなことをプランナーさんに提案してもらって、ちょこちょこっとこども演出を挟むような感じで、バランスよく取り入れるようにしました」

 Planner’s comment 

「奥山様の場合、最初、リングボーイもできるかな?という話も出ましたが、お子さまの年齢なども考慮し、ひとりで行う演出ではなく、パパやママと一緒に行う演出がよいのではないかとご提案しました。年齢だけでなく、人懐こい子もいれば、恥ずかしがりさんもいたりと、こどもさんの性格に合わせ、ストレスにならないように配慮することも大切です。パパママ婚では打ち合わせ時にお子さまを連れてくるケースも多いため、プランナーはお子さま一人ひとりの状況を見極め、こんな演出はいかがですかと提案させていただきます。こども演出で迷われている方は、遠慮なくどんどん担当プランナーに相談してみてください

では実際に、奥山さんがどんな演出を取り入れたのか見てみましょう。

挙式では、こどもを挟んで誓いのキス。退場は親子3人で

挙式は、独立型チャペルでの教会式。まずは、凛人くんを抱っこして新郎が入場。そのあと新婦が父親とともに入場しました。
誓いのキスでは凛人くんの頬に新郎新婦でキスし、 微笑ましいシーンを演出しました(写真①)
そして挙式最後の退場シーンは、新郎に抱っこされて親子3人で(写真②③)

親子3人でフラワーシャワーの祝福を受けたあとはお子さまを親族に預け、ブーケトスの代わりにバズーカ砲の演出を行いました(写真④)。
ゲストに、より楽しんでもらいたいと二人がこだわって選んだことです。新郎新婦がそれぞれ1発ずつバズーカ砲を打つと、パラシュートが開いて2体のミニベアが登場。新郎の友人と小学1年の親せきのこどもがゲットし、大盛況でした(写真⑤)。

 Planner’s comment 

「新郎に抱っこされて入場後、お子さまは新郎の父親の膝の上へバトンタッチ。途中で親子3人での誓いのキスがあったり、退場時も抱っこしてと、常にパパママや親族が寄り添っていたためか、お子さまも安心し、ぐずってしまうようなこともありませんでした。この時はリングボーイの演出は行いませんでしたが、もしどうしても取り入れたいという場合、小さなお子さま一人で行うのではなく、親せきのお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に歩いてもらったり、新郎新婦の親御さんやきょうだいに付き添ってもらうなど工夫すると成功しやすいですよ

披露宴では“抱っこで入場”や“こどもにファーストバイト”など盛りだくさん

親族と友人中心のアットホームなウエディングだったこともあり、凛人くんも顔見知りの席を訪ね歩いたりして終始ご機嫌。ぐずったり眠ってしまうこともなく、予定していたこども演出はすべて行えたそう。

披露宴入場時は新郎が凛人くんを抱っこ(写真⑥)、そのまま高砂席まで移動して親子3人でご挨拶(写真⑦)。乾杯の音頭とケーキ入刀時(写真⑧)は凛人くんを親族の席へ。

その後のファーストバイトでは、新郎が抱っこする凛人くんに、新婦がケーキを食べさせてあげました(写真⑨)。
お色直しのための退場時は、新郎新婦それぞれが友人をサプライズで指名し、友人との思い出の曲を流しながらエスコートしてもらいました。先に新婦が退場(写真⑩)、その後、新郎がご友人と一緒に凛人くんも抱っこして退場(写真⑪)しました。

そして再入場では、会場内の階段を使って親子3人で印象的な登場シーンを演出(写真⑫)。
ゲストの余興や両親への花束贈呈などが続いた披露宴後半も元気で過ごした凛人くんは、最後にゲストをお見送りする際も、新郎に抱かれてプチギフトを渡す役目を担当(写真⑬)、1日中大活躍でした!

ウエルカムボードやプロフィールDVDでもこどもを登場させて

ウエルカムボードには親子3人の名前を刻み、となりには家族の写真も添えました(写真⑭)。

新郎新婦がお色直しで中座している時にはプロフィールDVDを上映しましたが、内容は“凛人くんがパパとママを紹介する”というようなストーリー仕立てになっていて、ゲストにとても好評だったよう。

さらにエンドロール上映では、会場スクリーンへのムービーと会場全体へのプロジェクションマッピングで今日1日の流れをドラマティックに映し出し、最後に親子3人の写真とともにゲストへの感謝のメッセージを伝えました(写真⑮)。

パパママ婚を成功させるためには、親族のサポートが不可欠!

今回の結婚式では、凛人くんのためにたくさんの配慮や工夫がありました。これからパパママ婚を予定している人の参考になることも多いため、以下にご紹介しましょう。

お子さまの席は高砂席と親族席の2か所に用意

凛人くんは、高砂席で新郎に抱っこしてもらったり、新郎新婦の間に設けたこどもイスに座ったり。そして新婦の母親のとなりにもこども席を用意。披露宴の進行や凛人くんの気分に合わせ、自由に移動できるようにしました。親族席ではキッズメニューを用意してもらい、オムライスをおいしそうに食べたそう。

▲「パパに抱っこされて安心♪」
▲「おばあちゃんの横で安心♪」

周囲にお子さまの面倒をみてもらえるよう、事前にしっかり根回しを

当日、新郎新婦はお仕度や披露宴の進行によってどうしてもお子さまの面倒をみられないこともあります。そのため、新婦の母に常に寄り添ってもらうよう依頼しておいたそう。凛人くんは親族や新郎新婦の友人、小学1年の親せきのお兄ちゃんなどみんなに遊んでもらい、新郎新婦が中座している時も楽しく過ごしていたそうです。

▲パパとママはケーキ入刀だから
「ここでちょっと待ってようね」
▲(壁ドン!?)
「お兄ちゃん遊んでくれてありがと。大好き♪」
▲「凛人くん、かわいすぎ~♪」

 Planner’s comment 

「お子さまが小さい場合はパパママの近くに席を設けることもできますが、進行によっては新郎新婦が席を立ったり、お子さまの面倒をみたりできないこともあります。そのため、基本的にはお子さまが普段から慣れ親しんでいる新郎新婦の親御さんやきょうだいの近くにも必ず席を設けて、面倒をみていただくようにお願いしておくことが大切です。赤ちゃんの場合はベビーベッドを用意したり、眠ってしまった時のためにベビーカーを置くスペースを設けたりといったこともできます。お子さまの年齢によっては途中で授乳やおむつ替えの心配もありますが、新郎新婦には時間的に余裕がなかったり、新婦様はドレス姿でお世話が難しかったり。ですので、親族の方にあらかじめしっかりお願いしておき、当日お子さまの面倒を見ていただけるよう準備をしておくことが大切に」

お子さまがぐずったり眠ったりした場合に備え、何パターンかの進行を準備

凛人くんはぐずったり、眠ったりすることなくすべての演出を行うことができましたが、お子さまのことですからそんなにうまくいくケースばかりではありません。そのため、もしこのタイミングで眠ってしまったら、予定していたこども演出は飛ばして、代案をどうするかと何パターンかの進行を準備しておくことが大切に。

▲「ぼくは、ぜんぜん眠くならなかったけどね!」
 

 Planner’s comment 

「お子さまの年齢によってどんなハプニングが起こるか、これまでの経験値があるので事前に予測がつきます。私どもはさまざまなケースを想定してプランを立てておきますので、ご心配なことがあれば何なりとご相談ください。また、お子さまが安心してご機嫌に過ごせるよう、例えばお席にちょっとした遊べるものを用意したり、お菓子を置いたり。お子さま連れのゲストが多い場合は、キッズスペースを設けて、ちょっと大き目の遊具を準備するといった方もいらっしゃいますよ」

ゲストにも大好評だったパパママ婚。本当にやって良かった!

「最初、主人は、結婚式はやってもやらなくても……とあまり前向きでなかったのですが、終わってみれば、“やってよかった”“何ならもう一回やりたい”と、誰よりも楽しかったみたい。私の祖母にもしっかり花嫁姿を見せることができたし、本当にやって良かったと思います」(明日花さん)

ゲストの友人にも大好評で、“ふたりだけの結婚式よりも、こどもがいた方が絶対にほっこりしていい”“自分もこどもが生まれてから結婚式したい”など、パパママ婚への憧れを語る人も多かったそう。

今回は、奥山さんご夫妻のようにパパママ婚を成功させるためのポイントもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

guide