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【10月~12月初旬が見頃】こどもと一緒に行きたい、紅葉名所として知られる全国の寺社

秋も深まり、木々が美しく色付く季節。お子さま連れで、もみじ狩りに出かける予定を立てている方もいるのではないでしょうか。

紅葉名所は全国各地に多々ありますが、今回は、もみじ寺、紅葉名所、もみじ狩りのメッカなどと称される寺社を厳選してご紹介。場所によっては紅葉の見頃がちょうど七五三シーズンとかぶり、神社はもちろん、七五三のご祈祷を行っている寺院でも、可愛らしい七五三の姿のお子さまを見かけます。

ちょうどお子さまの年齢が七・五・三歳前後という方はもちろん、そうでない方も、お子さまの健やかな成長を願って参拝しながら、または祖父母など家族と一緒にゆっくりと紅葉を愛でてみませんか。

北海道・東北地方

北海道神宮/北海道札幌市

1869年、明治天皇が北海道に「開拓三神」を祀るよう詔を出したのが始まりの、北海道の総鎮守。境内は自然豊かで、秋になると美しい紅葉に彩られます。北海道は冬の到来が早いことから、七五三を通常より1カ月早い10月15日前後に行う方が多く、紅葉の時期には七五三の衣装を身にまとった可愛らしいお子さまたちの姿も見られます。また、隣接する円山公園や円山動物園の紅葉も美しいので、1日ゆっくり巡ってみるのもおすすめ。
●例年の見頃/10月中旬~10月下旬

立石寺(山寺)/山形県山形市

通称「山寺」と呼ばれるこちらは、860年、天台座主第3世慈覚大師により建立された古刹。芭蕉が読んだ「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句でも知られています。まずは、開山の際に本山延暦寺より分けられた不滅の法灯を今なお守る根本中堂を参拝。その後、鎌倉時代作と伝わる山門、仁王門、奥の院へとどんどん登っていくと、開山堂の先に断崖へ突き出すように建つ五大堂があります。ここからの眺めはまさに絶景で、紅葉の時期には錦に染まる山々を一望できます。往復に1時間30分~お子さまの足だと2時間ほどかかるかもしれません。ただ、石段が整備されていますので、お子さまでも十分に登ることができるでしょう。動きやすい服装と靴でのお出かけをおすすめします。
●例年の見頃/10月下旬~11月上旬

中尊寺/岩手県西磐井郡平泉町

850年に延暦寺高僧・慈覚大師円仁により開かれ、12世紀に奥州藤原氏初代清衡公により再興。大規模な堂塔の造営が行われました。国宝建造物第1号の金色堂が有名で、秋は金色堂や経蔵周辺、参道のイロハモミジやヤマモミジが見事に紅葉。シーズン中にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気に包まれます。近くには、中尊寺と同じく「平泉の文化遺産」として世界文化遺産に登録されている毛越寺があり、大泉が池を中心とする浄土庭園の紅葉が美しいので、こちらにもぜひ立ち寄ってみては?
●例年の見頃/10月下旬~11月中旬

円通院/宮城県松島町

1647年、伊達政宗嫡孫・光宗公の霊廟として建立。境内にある4つの庭が有名で、特に江戸時代の作庭家が手がけた「遠州の庭」は風情たっぷりです。また苔寺としても知られていて、秋には苔の上に真っ赤なもみじが落葉し、息をのむ美しさに。紅葉シーズンには、円通院ほか瑞巌寺や観瀾亭といった松島の景勝地で紅葉のライトアップが行われます。
●例年の見頃/10月中旬~11月下旬

新宮熊野神社/福島県喜多方市

1055年に、源頼義が熊野神社を勧請したのが始まりと言われる古社。国の重要文化財に指定されている拝殿「長床」は平安時代の寝殿造りで、円柱44本が等間隔に5列並び、吹き抜けになっています。拝殿奥には、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の熊野三社の本殿があります。拝殿前には樹齢800年とも言われる大イチョウがあり、秋には一面が黄色いじゅうたんのように落葉で覆われます。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

関東地方

永源寺(もみじ寺)/茨城県久慈郡大子町

1446年に創建された曹洞宗の寺で、御本尊は釈迦如来。「もみじ寺」とも呼ばれる紅葉の名所で、境内が真っ赤なもみじで彩られるシーズンには、たくさんの人で賑わいます。「奥久慈大子七福神巡り」の七番寺でもあり、芸能の神・弁財天が祀られていますので、お子さまのお稽古ごとの上達を祈願するのもいいですね。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

日光東照宮/栃木県日光市

1617年、徳川家康を御祭神に祀った神社。現在の社殿群は、三代将軍家光によって建て替えられたもの。漆や極彩色が施され、見事な彫刻で彩られた社殿は、世界文化遺産にも登録されています。東照宮をはじめ日光には紅葉名所が多く、秋には多くの観光客が訪れます。紅葉が見頃を迎える11月初旬の3連休の頃にはライトアップが行われます。
●例年の見頃/11月上旬~11月下旬

宝徳寺/群馬県桐生市

1450年頃、桐生正綱により創建。毎年4~5月の新緑の床もみじ、7~9月の風鈴まつり、10~11月の秋の床もみじ、大晦日の昼間に撞く除夜の鐘など、年間を通してさまざまな催しを行っています。秋には境内の100本以上のもみじが色付くほか、鳴神山の紅葉も一望。「秋の床もみじ特別公開」(2023年は10月20日~11月30日予定)では、紅葉が床に写り込む様子を見学できるほか、夜にはライトアップ拝観も行われます。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

本土寺/千葉県松戸市

1277年、日蓮大聖人より三箇の霊宝と「長谷山本土寺」の寺号を授かり開山。現在は、あじさい寺、四季花の寺、そして安産・子育てにご利益がある寺として親しまれています。紅葉の時期には、約1,500本ものもみじが色付き、錦絵のごとき華やかな風情に包まれます。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

平林寺/埼玉県新座市

1375年に創建、戦乱で荒廃するも徳川家康によって再興された古刹。伽羅を囲むように広がる境内林は、武蔵野の雑木林の趣を残す文化財として国の天然記念物にも指定されています。13万坪以上にもおよぶ山内と雑木林は、秋になると美しく色づきます。モミジの赤、クヌギやコナラの黄色に、松の緑も相まって、風情ある秋景色を作り出します。
●例年の見頃/11月下旬~12月上旬

高幡不動尊金剛寺/東京都日野市

平安時代初期、清和天皇の勅願によって慈覚大師円仁が山中に不動堂を建立し、不動明王をご安置したのに始まる古刹。関東三大不動のひとつとして、また、土方歳三の菩提寺としても有名です。隣接する山林を合わせ3万坪もの広大な敷地を有し、紅葉シーズンになると境内に植えられた300本以上のいろはもみじや大もみじが色付きます。もみじまつり期間中にはライトアップも行われ、もみじと五重塔の幻想的な競演も楽しめます。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

大山寺/神奈川県伊勢原市

伊勢原市のシンボル的存在である標高1,252mの大山の中腹に広がる大山寺。755年に東大寺を開いた良弁僧正が開山し、二世となる光増和尚が大山全山を開山して中腹に諸堂を建立しました。秋には、長い石段が続く参道がもみじのトンネルと化し、もみじ祭りも行われて大賑わい。ケーブルカーを利用すれば楽に行けるので、お子さま連れでも安心です。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

中部地方

小國神社/静岡県周智郡森町

創祀は神代ともいわれ、大国様(だいこくさま)と呼ばれる大己貴命(大国主命)をご祭神とする古社です。境内には約1,000本のもみじがあり、秋には赤・黄・オレンジなど錦絵のごとく色付きます。境内を流れる宮川沿いに設けられた散策路をのんびり歩きながら、美しいもみじに酔いしれましょう。散策路の途中にある赤い欄干の橋はフォトスポットとしても人気です。
●例年の見頃/11月下旬~12月上旬

長円寺/長野県茅野市

1649年、武田信玄の弟の甥・武田慶尊法印が高野山金剛頂院の法流を相続して開山された由緒ある寺院。「信州のもみじ寺」とも称され、秋になると真っ赤に色付いたカエデで境内が美しく彩られます。特に、樹齢300年以上といわれる杉が並ぶ参道は、杉の緑に紅葉の赤が映えて鮮やか。石仏百態観音や黄金色の銀杏の大木とカエデのコラボも感動的な美しさです。
●例年の見頃/10月下旬~11月中旬

大矢田神社/岐阜県美濃市

古代に創建されたと伝わる古社。現在の本殿・拝殿は寛文年間(1661~1673年)建立で、国の重要文化財に指定されています。一帯には約3,000本のヤマモミジの原生林があり、なかには樹齢1,000年以上の古木も。「大矢田神社もみじ谷」とも呼ばれ、毎年多くの見物客が訪れます。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

犬山寂光院/愛知県犬山市

654年、孝徳天皇の勅願で開山。千手観音菩薩を中心とする霊山として篤く信仰されてきました。別名「尾張のもみじでら」と呼ばれる紅葉名所であり、境内には約1,000本のもみじがあります。巨木が多く、色鮮やかに染まり見応え十分です。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

伊勢神宮/三重県伊勢市

伊勢神宮とは、天照大御神を祀る内宮と、豊受大御神を祀る外宮、そのほか多数の別宮や摂社を含めた125の宮社の総称です。広大な敷地内は豊かな自然が残り、秋も深まれば至る所で美しい紅葉が見られます。中でも内宮の御手洗場は美しく、五十鈴川の対岸に並ぶもみじが川面に写り込んで風情たっぷり。内宮への入口である五十鈴川に架かる宇治橋も、紅葉の中に美しく映えます。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

関西地方

金剛峯寺/和歌山県伊都郡高野町

高野山は、平安時代のはじめに弘法大師空海が開いた真言密教の聖地。この高野山全体を境内とするのが「総本山金剛峯寺」です。秋には、もみじやカエデ、コナラ、クリなどさまざまな木々が色とりどりに色付き、参拝客の目を楽しませてくれます。
●例年の見頃/10月下旬~11月上旬

延暦寺/滋賀県大津市

785年、伝教大師最澄が比叡山に小さな草庵を設けたのが始まり。比叡山の山内に1,700haの境内地を有し、「東塔」「西塔」「横川」という3つのエリアに分かれて、それぞれ本堂があります。全部で約100の堂宇があり、これらすべての総称が「延暦寺」です。秋にはそれぞれの堂宇と紅葉の競演が楽しめます。
●例年の見頃/10月下旬~11月中旬

談山神社/奈良県桜井市

本殿の裏山は、中大兄皇子(天智天皇)と中臣鎌子(:初名。藤原鎌足)が蘇我入鹿を討つ談合をした地。鎌足公没後、伽藍を建立して鎌足公を祀ったのが始まりという歴史ある神社。桜や新緑、紅葉、雪化粧と、四季折々に美しい景色を楽しめることでも知られています。秋には毎年、紅葉ライトアップも行われ、幽玄の世界が広がります。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

永観堂禅林寺/京都府京都市

863年、清和天皇より「禅林寺」の勅額を賜り創建。第七世永観律師(1033~1111年)はことに高名で、「永観堂」と称され、長く親しまれてきました。古今和歌集に「モミジの永観堂」と詠まれるほどの紅葉名所で、東山の山麓に広がる境内には現在約3,000本のもみじがあります。 池泉回遊式庭園や多宝塔と紅葉のコラボが美しく、ライトアップした夜間特別拝観も行われます。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

大威徳寺/大阪府岸和田市

もみじの名勝として知られる牛滝山にある山岳寺院。修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が初めて修行の場とした葛城の峰々の一端に位置し、古来、葛城修験の一霊場として崇敬されてきました。もみじや銀杏が鮮やかに色付く紅葉名所としても知られ、国の重要文化財である多宝塔ともみじの競演も楽しみです。
●例年の見頃/11月上旬~11月下旬

※写真提供:岸和田市

高源寺/兵庫県丹波市

中国杭州の天目山で約10年修行をして悟りを開き帰国した遠谿祖雄(えんけいそゆう)が、1325年に創建した寺院。紅葉名所として知られますが、その始まりは、遠谿祖雄が天目山より持ち帰ったカエデを境内に植えたことがきっかけに。こちらのカエデは葉が小さくて切れ目が深く、枝が垂れ下がるのが特徴で、天目カエデと呼ばれています。10月中旬から徐々に色付き、11月上旬には山全体が真っ赤になります。
●例年の見頃/10月中旬~11月中旬

中国・四国地方

宝福寺/岡山県総社市

画聖・雪舟が幼い頃に修行し、涙でネズミの絵を描いたという伝説が残る臨済宗東福寺派の寺院。紅葉名所として知られ、国の重要文化財である三重塔をはじめ、山門、仏殿、経蔵、開山堂などの伽藍が赤や黄の紅葉に彩られる様子は圧巻です。庭園の池に映る紅葉も必見です。
●例年の見頃/11月上旬~11月下旬

写真提供:岡山県観光連盟

大聖院/広島県広島市

806年、空海によって開基された宮島でもっとも歴史ある真言宗御室派(総本山仁和寺)の大本山。「日本三大厄除け開運大師」のひとつに数えられています。秋には境内のいたるところで紅葉が見られ、昨年は大聖院&紅葉谷公園の紅葉ライトアップも実施。紅葉谷公園は大聖院から徒歩10分弱で行ける紅葉名所なので、こちらにもぜひ立ち寄ってみては。
●例年の見頃/11月中旬~11月下旬

清水寺/島根県安来市

十一面観音様をご本尊とする厄払いの寺として有名。587年創建と伝えられ、室町初期に建てられた本堂は戦国の兵火をまぬがれた唯一の建物と言われています。高さ33mの三重塔は山陰地方で唯一の木造の多宝塔で、1859年に建立。秋には三重塔周辺のもみじが真っ赤に色付きます。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

功山寺/山口県下関市

1327年に開かれた曹洞宗の寺院。春は桜、秋は紅葉名所として知られ、シーズン中は多くの観光客が訪れます。国宝に指定された唐様建築の仏殿を、真っ赤なもみじが美しく彩ります。
●例年の見頃/11月中旬~12月上旬

大窪寺/香川県さぬき市

四国霊場第88番、結願(けちがん)の霊場であり、大師堂横の宝杖堂には遍路を支えた金剛杖が多数納められています。大師堂地下内陣には「お砂踏み」ができる道場があります。八十八ヶ所の小さな本尊が祀られ、一周すれば四国霊場を参拝したのと同じご利益が得られるそう。境内にはカエデや銀杏、イロハモミジが多数植えられていて、秋には錦に色付き感動的な美しさに包まれます。
●例年の見頃/10月下旬~11月下旬

九州地方

紅葉八幡宮/福岡県福岡市

平安時代後期の治暦年間(1065~1068年)創始と伝わる八幡宮。「もみじに参れば万事吉」と親しまれ、初詣には十万人を超す参拝客が訪れます。もみじの形をした絵馬やおみくじ、もみじ柄の御朱印帳なども人気です。境内のもみじが赤く色付く11月最終週の週末にはもみじ祭りが開催され、多くの屋台が出て賑わいます。
●例年の見頃/11月下旬~12月中旬

大興善寺/佐賀県三養基郡基山町

717年、行基が開山した天台宗のお寺。春のツツジと秋の紅葉が有名で、秋になると境内のもみじが赤く色付き、華やかに。茅葺屋根の本堂にもみじが降り積もる様子も風情があります。例年11月初旬~12月初旬にはもみじ祭りも開催され、さまざまな催しも楽しめます。
●例年の見頃/11月下旬~12月中旬

写真提供:佐賀県観光連盟
写真提供:佐賀県観光連盟

富貴寺/大分県豊後高田市

富貴寺の大堂(阿弥陀堂)は平安時代後期の建築とされ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝に指定されています。大堂内には本尊の阿弥陀如来坐像が祀られていて、その背景には極楽浄土壁画が描かれ、同時に拝むことでこの世にいながらにして極楽の世界が体験できると言われています。大堂の周囲にはもみじや銀杏が植えられ、秋になれば見事な紅葉風景が広がります。例年11月下旬~12月初旬の間の土・日曜日の2日間、ライトアップも行われます。
●例年の見頃/11月下旬〜12月上旬

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