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祝・七五三! 写真館に聞いた 3歳女児の和装おしゃれ実例と気を付けるポイント

初めての“七五三”のお祝いとなる3歳児の親御さんにとっては、楽しみでもあり、準備することが多くて不安も多いもの。

11月15日の当日(参拝)までは時間があるものの、着物はどこでどんなものを用意すればいいのか、お支度はどうすればいいのか、記念写真はどこでお願いすればいいのか……心配ごとは尽きません。

そこで今回は、特に準備することが多い女児の和装に焦点をしぼり、どのように準備すればよいかのご紹介と同時に、最近はどんな和装があるのかを人気写真館に教えてもらいました。

まずは、七五三に関する素朴なギモンにお答え!

七五三の基礎的な事柄や衣装(衣裳)に関する素朴な疑問について、七五三のことなら何でもお任せできる全国で人気の写真館「スタジオマリオ」に教えてもらいました。

Q.七五三はいつ行うのがベスト?

一般的には11月15日に神社に参拝しますが、11月15日を中心に前後の週末は大変な混雑となります。そこで最近は、分散参拝なども兼ねて9月頃から12月までお参りするというケースも増えてきています。ただし、9月だとまだ残暑が残り、12月は地域によって雪が降りだしたりして、3歳のお子さまにとっては厳しい環境に。慣れない着物姿ということもあり、できれば天候が安定した10月頃の参拝がおすすめです。準備はそれに間に合わせてください。

Q.七五三は何歳に行う?

七五三を行う年齢は地域によっても若干異なりますが、一般的に女児は3歳と7歳、男児は3歳と5歳です。しかし、元々は女児と男児の区別なく3・5・7歳に行っていたことから、きょうだいとの兼ね合いで、例えば3歳の男児と5歳の女児の姉弟が一緒に七五三をするなどのケースもあります。

▲写真提供:スタジオマリオ

Q.年齢は「数え年」? それとも「満年齢」?

古くは、生まれた年が1歳で、初めて迎える正月で2歳、その後は正月が来る度に年が増えていく「数え年」で行っていました。神社やお寺での年齢計算は、数え年表記が多いと思います。現在は、生まれた年が0歳で、誕生日ごとに年が増える「満年齢」で行うケースが増えるなど、お子さんの状況やおうちのご都合に合わせることも増えてきています。

▲写真提供:スタジオマリオ

Q.七五三は和装?

和装でも洋装でのお参りでも構いません。ハレの日なので正装もしくは近い服で出かけるとよいでしょう。記念の写真や動画を残すと、良い思い出になるでしょう。

Q.三歳女児の和装には「被布」が絶対必要?

「被布(ひふ)」とは、着物の上に羽織る袖なしの上着のことで、一般的には中に綿が入っていて厚みがあり、防寒具にもなります。この被布が必要かどうかについて、まずは以下の七五三の意味を知っておくことが大切です。

  • 3歳(髪置きの儀)…剃っていた髪を伸ばし始めたことを祝う意味
  • 5歳(袴着の儀)……紐で結んだ着物から初めて袴を着ることを祝う意味
  • 7歳(帯解きの儀)…紐で結んだ着物から初めて大人と同じように帯を結ぶことを祝う意味

7歳(女児)で初めて帯で結んだ着物姿になります。3歳ではやわらかな兵児帯で結ぶだけなので、その兵児帯を隠す意味でも被布を着用します。ですが、3歳で、被布なしの普通の着物姿がマナー違反ということはありません(逆に5歳や7歳で被布を着るのはNGです)。着付けが大変だったり、帯をきつく締めるので小さなこどもにはやや負担が大きかったりといったこともありますが、これらを上手にクリアできれば、3歳で帯を結ぶタイプの着物を作って着るのもよいでしょう。作った着物の裄丈(ゆきたけ)を直せば、7歳の七五三でも着回しができて経済的です。

▲さまざまな被布。(写真館衣装の被布は、お子さまが楽に過ごせるよう中に兵児帯は結ばない仕様が多い)。着物と同柄や、色柄が異なりアクセントになるタイプ、かわいらしい刺繍やリボンの飾りが着いたものまであり、好みに合わせてセレクトを(写真提供:スタジオマリオ)

3歳女児用の着物は、レンタルするのがおすすめ

経済面や手軽さを重視すると、着物は購入するよりもレンタルするのがおすすめです。最近はネット通販のレンタル衣装専門ショップも増えています。レンタルを利用する際は、以下のような注意が必要です。

「肩上げ」がされている着物を選び、「腰上げ」をしながら着付ける

こども用の着物は、健やかな成長を願って大きめに作られるのが一般的(逆に言うと、ジャストフィットな着物では“これ以上こどもが育たない”という意味になってしまって縁起が悪い)です。そのまま着ると袖(裄丈)も裾(身丈)も長すぎます。そこで、裄丈に関しては肩の部分で長すぎる生地をつまんで縫う「肩上げ」で調節します。レンタル衣装店では通常、お子さまの体型に合わせてこの肩上げを行った状態で貸し出すのが一般的。ですが中には、肩上げはご自身でやってくださいといったスタイルのお店もあるようです。慣れないお裁縫で苦労するのを避けるためにも、「肩上げ」をしてくれるか事前に確認してからレンタルしましょう。

一方、身丈については、肩上げと同じように腰の部分をつまんで縫う「腰上げ」を行う場合と、着付け時に「おはしょり」で調整する方法があります。着付けに自信がある、またはプロに着付けを依頼する場合は、腰上げではなく「おはしょり」で仕上げた方が見た目が美しいため、「腰上げ」のない状態でのレンタルを希望してみましょう。

着付けに必要な道具一式が揃っているか

和装の際は、着物や被布だけでなく、長じゅばんや足袋、腰ひも、ぞうり、髪飾りなどが必要になります。小物が多いため足りないものがないように、すべてレンタルで揃えられるかチェックリストを作りながら確認しておきましょう。

着付けやヘアメイクはどこでやるかも手配を

着付けやヘアのアレンジなどをできる場合はよいのですが、特に3歳のお子さまの場合は着崩れしやすかったり、髪も乱れがちなため、小さな子の着付けやヘアメイクに慣れたプロにお願いするのもおすすめです。

衣装からお支度、撮影までお任せの写真館に依頼する方法も

七五三に力を入れている写真館の中には、多数のレンタル衣装を取り揃え、お支度、撮影まですべてお任せできるところもあります。
レンタル衣装の中にはスタジオでの撮影用衣装とは別に、七五三のお参りの際にレンタルできる衣装を用意しているところも。ただし、多数の衣装を用意しているとはいえ、秋になると予約が殺到し希望の衣装が選べないケースもあるそうです。
そこで、予約が比較的空いている夏までにはスタジオでの前撮りをしておくのがおすすめです。中には、前撮りはお姫様ドレスで、神社への参拝時は和装という選択も少なくないそうです。

写真館に聞いた“3歳女児の人気和装スタイル”はこれ

※以下、写真はイメージです(現在取り扱いのないレンタル衣装やお客様持ち込み衣装の写真も混ざっています)。

スタジオマリオ

▲人気のパステルカラーを使用。被布に飾られた大きなリボンがキュート
▲桜をはじめとするピンクの花々が描かれた、定番人気の一着
▲花や折り鶴が描かれた古典柄は、上品で華やかな印象

そのほかに……

▲レトロな色合いやフリルの被布+リボンの髪飾りなど、個性的な装いも揃います

 DATA  スタジオマリオ

写真専門店「カメラのキタムラ」が手がける写真スタジオ。北海道から沖縄まで全国に店舗を展開。和装は京都の職人が手がけた上質な衣装を用意し、撮影日とお参り当日のどちらも着物・小物のレンタルからお支度まですべてセットになった明朗会計も人気

山田写真館

▲着物と被布を同柄で。鮮やかなピンク色が人気の一着
▲藤色の被布が上品で、大人っぽい印象に
▲月齢の小さなお子さまには、水色×赤や明るい黄色などのビタミンカラーが人気

そのほかに……

▲洋風の被布や小物、イチゴ柄の着物など、和洋ミックスのスタイルも

 DATA  山田写真館

長野県岡谷市に1923年創業の老舗写真館。七五三専門の衣装ルームや撮影専用のガーデンスタジオを有し、“キッズファッション雑誌のようなオシャレな写真が撮れる”と人気。スタジオ撮影だけでなく、ロケーションフォトも可能で、紅葉が美しい神社境内などで記念に残る写真を撮影できる

阿部写真館

▲黒地に大輪の花柄の豪華な着物で、晴れの日を艶やかに
▲幾何学模様の個性的な着物にベレー帽と丸眼鏡を合わせ、モデル気分!
▲3歳児でも被布なしの着物姿。ちょっぴり背伸びした姿が愛らしい

そのほかに……

▲白を基調にレースや刺繍があしらわれた大人っぽい新作衣装も登場

 DATA  阿部写真館

徳島市にある写真館。七五三の着物や小物はスタッフ自らが京都に買い付けに行き、“センスのいい和装”“新感覚のコーディネート”を提案している。ハウススタジオにて自然光で撮影したり、併設のフランス風のガーデンで撮影することもあり、個性豊かな写真が残せると人気。パパママのレンタル和装もあり、家族写真も撮影可能。

最近は、オリジナリティを重視し、みんなとはひと味違う衣装&写真を残したいというパパママも多いよう。そんな世の中の動向に応じて七五三のレンタル和装&写真にも、個性豊かなさまざまなスタイルが登場しています。さまざまな衣装や写真の提供を行っている衣装店、写真館、冠婚葬祭互助会等がありますのでチェックしてみてください。

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