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【2023年】8〜9月のお祭りリストアップ!

日本全国で夏祭りやお盆の行事に関連したお祭りが目白押しの8月。そして、9月になればそろそろ秋祭りが始まります。なかには、新型コロナの影響で今年は4年ぶりに再開するというお祭りも! お出かけのご参考になさってください。

ここでは、日本全国で8~9月に開催されるお祭りのなかから、土曜日・日曜日・祝日およびお盆期間中に実施予定のものを選りすぐってご紹介。お祭り目的の旅を計画してみてはいかがでしょうか。

(Top Photo:青森観光コンベンション協会提供)

北海道

【8月14日(月)~15日(火)】

おびひろ平原まつり/北海道帯広市

北海道の短い夏を謳歌する十勝エリア最大のサマーイベントで75回を数えます。全道から集った団体による「太鼓まつり」、十勝の開拓者への感謝や五穀豊穣の願いを込めた神輿が町を練り歩く「夢降夜」、各チームの趣向を凝らした衣装と踊りが見ものの「盆おどり」などで、街中が大いに盛り上がります。

4月下旬~10月下旬の毎日】

洞爺湖ロングラン花火大会/北海道 洞爺湖温泉

約6カ月もの期間中、花火大会は毎日20:45から約20分間開催され、今年で42回を数えます。洞爺湖周辺は札幌出発のバスツアーも人気で、ユネスコ世界ジオパークにも認定されています。洞爺湖サミットでも注目された温泉地であり、数多くの宿泊施設があります。花火大会で湖面に映し出される花火も美しいです。花火の時間に合わせて遊覧船が運行されており、船上から花火を見るのもおすすめです。

東北地方

【8月2日(水)~7日(月)】※毎年8月2日~8月7日開催

青森ねぶた祭/青森県青森市

毎年8月2~7日に開催される夏祭りで、「仙台七夕まつり」「秋田竿燈(かんとう)まつり」と並ぶ東北三大祭りのひとつ。1980年に国の重要無形民俗文化財にも指定されています。期間中毎日、ねぶた(人形灯籠を乗せた巨大な山車)約20台が1台ずつ青森駅前から続く約3.1kmのコースを、約1時間かけて運行します。同時に、「ラッセーラー!」のかけ声を上げながら「跳人(はねと)」たちが踊りながら練り歩きます。7日の夜には、青森港で花火大会とねぶたの海上運行の競演も楽しめます。

写真提供:青森観光コンベンション協会

【8月3日(木)~6日(日)】※毎年8月3日~8月6日開催

秋田竿燈(かんとう)まつり/秋田県秋田市

毎年8月3~6日に開催される秋田の七夕まつり。国の重要無形民俗文化財に指定された祭りで、日本三大提灯祭りのひとつにも数えられています。江戸時代の宝暦年間(1751~1764年)には原型となるものが出来ていたと言われ、真夏の病魔や邪気を払う「ねぶり流し」と呼ばれる行事が原型。稲穂に見立てて竿に提灯を吊るした竿燈をかかげた人々が、大通りを練り歩きます。竿燈は、大きなものだと全長12mに提灯が計46個吊るされ、重さは50kgにもなります。

写真提供:秋田市竿燈まつり実行委員会事務局

【8月6日(日)~8日(火)】※毎年8月6日~8月8日開催

仙台七夕まつり/宮城県仙台市

毎年8月6~8日に開催。伊達政宗公の時代から続く祭りで、神奈川の平塚、愛知の安城と並ぶ日本三大七夕まつりに数えられています。毎年新たに作られる笹飾りは、8月4日の早朝に長さ10m以上の巨大な竹を山から切り出し、飾り付けの準備を行います。飾りは数カ月前から手作りで準備し、吹流し5本1セットで飾ります。飾り付けの豪華さを競い、8月6日午後には、金銀銅の各賞の審査結果が発表されます。仙台駅から約800m続く「中央通り」や、全長約900mの「一番町通り」などメインとなる通りや商店街のアーケードには大きくてカラフルな七夕飾りが連なります。ほかに、細い路地にも市民の手作り七夕飾りが掲げられ、街中が美しくいろどられます。

写真提供:仙台七夕まつり協賛会

【8月5日(土)~8月7日(月)】

山形花笠まつり/山形県山形市

3日間行われる「山形花笠まつり」は、約1万4千人の踊り手と100万人の観客を集める、山形県を代表する夏まつりです。花笠踊りで唄われる『花笠音頭』は、大正の頃、尾花沢市で行われていた徳良湖造成の土搗き(つちつき)作業の際、重労働の辛さを忘れるため、また息を合わせるために唄がうたわれていました。全国から集まった担い手による、船方節や八木節などと県内の唄が混ざり、アレンジされていったと言われています。

【8月26日(土)】※毎年8月最終土曜日

全国花火競技大会(大曲の花火)/秋田県大曲市

1910年にスタートし、2023年に95回目を数える花火競技大会。諏訪神社の祭典の余興として始まり、現在は日本三大花火大会のひとつと称され、例年60万人以上の見物客が訪れます。全国の花火師が腕を競うほか、世界と日本の花火のコラボや劇場型花火ショー、若手花火作家による新作花火コレクションなども行われ、見どころ盛りだくさんです。

写真提供:大仙市
写真提供:大仙市

関東・甲信越地方

【8月26日(土)~27日(日)】※毎年8月26日・8月27日

吉田の火祭り(北口本宮冨士浅間神社・諏訪神社)/山梨県富士吉田市

北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の両社の秋祭り「鎮火祭」は、別称「吉田の火祭り」とも呼ばれます。毎年8月26日の夕方になると、約2kmの通りに並ぶ高さ3mの大松明90本以上に火が灯され、家毎にも松明が一斉に点火されると、街中が火の海と化す幻想的な光景が広がります。400年以上の歴史を持ち、長野県の御柱祭(7年に1度)、秋田県のなまはげ柴灯(せど)祭(2月)と並ぶ日本三大奇祭のひとつに数えられています。

写真提供:やまなし観光推進機構

【9月15日(金)~18日(月・祝)】

石岡のまつり(常総國總社宮例大祭)/茨城県石岡市

毎年9月15日(例大祭)と、敬老の日を最終日とする3日間(2023年は9月16日~18日)に開催される祭りで、創建千年の古社・常陸國總社宮の例大祭。日曜日(17日)には、境内にて相撲や神楽の奉納が行われ、街中では幌獅子や山車の大行列で賑わいます。幌獅子は、獅子の胴体の部分が車輪付きの小屋になっていて、そこに幌(胴幕)をかけた全国的にも珍しいスタイルです。なお、「石岡のまつり」は、千葉県「佐原の大祭(7月・10月)」、埼玉県「川越まつり(10月)」と並ぶ関東三大祭りのひとつとされています(3つについては諸説あります)。

写真提供:いばらき観光キャンペーン推進協議会

中部地方

【8月4日(金)~6日(日)】

安城七夕まつり/愛知県安城市

1954年に地域の人々の手作りの祭りとしてスタート。その後、竹飾りの通りが日本一長いと評判を呼び、仙台や平塚と並ぶ日本三大七夕まつりに数えられるようになりました。現在は、「願いごと、日本一。」をキーワードに、願いごと短冊や願いごと風船、願いごとキャンドルなどのイベントに力を入れ、差別化を図っています。

【8月13日(日)~16日(水)】

郡上おどり(徹夜踊り)/岐阜県郡上市

7月中旬~9月上旬まで、市街地の各会場を巡りながら30夜以上にわたって開催されるロングラン盆踊り。特に盛り上がりを見せる8月13日~16日の4日間は、明け方まで夜通し盛大に踊り明かす光景を目にすることができます。踊りの種類は全部で10種。江戸時代に、城主が各村々で独自に踊られていた盆踊りを城下に集めて「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」としたことから、さまざまな踊りが残ったと言われています。観光客も一緒に輪に加わって踊ることができるので、ぜひ参加してみては。2022年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

※写真提供:岐阜県観光連盟

【9月1日(金)~9月3日(日)】※毎年9月1日~9月3日

越中八尾(やつお) おわら風の盆/富山県富山市

立春から数えて二百十日の初秋の風が吹くころ、おわら風の盆は幕開けを迎えます。毎年9月1日から3日にかけて行われるおわら風の盆は、涼しげな揃いの浴衣に、編笠の間から少し顔を覗かせた姿が幻想的で優美であり、夕暮れを過ぎると家並みに沿って並ぶぼんぼりに淡い灯がともります。祭りの時期は台風到来の時節。収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作祈願が行われてきたことから「風の盆」というようです。踊りは三味線・胡弓・太鼓と民謡「越中おわら節」に合わせて優雅に舞います。2006年には「とやまの文化財百選(とやまの祭り百選部門)」に選ばれています。

近畿地方

【8月16日(水)

京都五山送り火/京都府京都市

お盆の精霊を送る伝統行事で、起源ははっきりとはしませんが江戸時代とも平安時代とも言われています。まずは東山に「大」の文字(午後8:00)、続いて松ケ崎に「妙」と「法」の文字(午後8:05)、西賀茂に船形(午後8:10)、大北山に「大」の文字=左大文字(午後8:15)、嵯峨に鳥居形(午後8:20)が灯ります。これら5つの送り火は全て京都市登録無形民俗文化財に登録されています。

【9月16日(土)~17(日)】

岸和田だんじり祭/大阪府岸和田市

江戸時代中期に始まったとされる祭りで、時の岸和田藩主が五穀豊穣を祈願し、だんじりを曳いて三の丸稲荷社に参詣したのが始まり。「だんじり」とは西日本の方言で山車のこと。4トンを超えるとも言われるだんじりを、何百人もの男衆が2本の綱で曳き回す様子は圧巻。特に、曲がり角を猛スピードで直角に方向転換する「やりまわし」は迫力があり、見どころのひとつです。夜には、二百張の提灯に彩られた美しいだんじりの姿が感動的です。地域ごとに2回行うため、10月にもだんじり祭りが行われます。

写真提供:岸和田市

中国・四国地方

【8月9日(水)~12日(土)】

よさこい祭り/高知県高知市

毎年8月9日に前夜祭、10・11日に本番、12日に後夜祭が行われる踊りの祭典。戦後の地域活性化のために、1954年から始まりました。市内のあちこちに競演場・演舞場が設けられ、約200チーム・1万8,000人の踊り子が参加。さまざまに工夫を凝らした衣装を身にまとい、手に持った鳴子を奏でながら、各チームが個性豊かな踊りを披露します。

【8月12日(土)~15日(火)】

阿波おどり/徳島県徳島市

400年以上の歴史があり、起源は諸説ありますが、徳島城下で踊られた盆踊りが発端になっているとも言われています。県内の各市町村で「阿波おどり」が行われますが、特に徳島市は規模が大きく、1,000を超える連(れん:グループ)が参加。それぞれ特徴のある踊りを披露しながら市内に設けられたコースを進み、沿道は、国内外から100万人を超える観光客で賑わいます。

九州・沖縄地方

【8月14日(月)~16日(水)】※毎年8月14日~8月16日

姫島盆踊り(国選択無形民俗文化財)/大分県姫島村

鎌倉時代の念仏踊りが起源とも言われている歴史ある盆踊り。姫島は大分県寄りの瀬戸内海に浮かび、古事記、日本書紀にも登場する島で、神秘スポットも多くあります。地元の大人やこどもたちがキツネ踊り、アヤ踊り、銭太鼓、猿丸太夫といったユーモラスな動きの伝統踊りを披露します。そのほか、趣向を凝らした創作踊りもあり、特に個性的な衣装を身にまとったこどもたちが登場すると見物客から歓声が上がります。

写真提供:九州観光機構

【9月8日(金)~10日(日)】

沖縄全島エイサーまつり/沖縄県沖縄市

1956年の「コザ市誕生」を機にスタートし、今では沖縄の夏の風物詩として定着。エイサーとは沖縄で盆の時期に踊られる伝統芸能の盆踊りのことで、旧盆明けの最初の週末に青年会が地域内を踊りながら練り歩く行事です。青年会ごとに異なるエイサーを見られるのがこの祭りで、初日は市の中心市街地を各青年会がエイサーを踊りながら練り歩く「道ジュネー」、中日は「沖縄市青年まつり」、最終日は沖縄各地から選抜されたさまざまなエイサーを鑑賞できます。フィナーレには参加者も見物客も一緒になって沖縄ならではの「カチャーシー」を踊ります。なお、「沖縄全島エイサーまつり」に先立って、エイサーナイト2023(8月は8月12日(土)・8月13日(日))も数回にわたって行われます。

【9月12日(火)~18日(月・祝)】

放生会(ほうじょうや)(筥崎宮)/福岡県福岡市

春の博多どんたく、夏の博多祇園山笠と並ぶ博多三大祭りのひとつ。「万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」お祭りです。その起源は「合戦の間多く殺生す よろしく放生会を修すべし」という御神託によるもので、千年以上続く神事です。また、1年おき(西暦の奇数年)に福岡市無形民俗文化財指定の御神幸(御神輿行列)が行われます。7日間の期間中、様々な神事や数多くの神賑わい行事が執り行われ、約500軒の露店が軒を連ね、期間中のべ100万人が訪れます。

【9月21日(秋分の日の2日前から)(木)〜25日(月)】

太宰府天満宮神幸式大祭(じんこうしきたいさい)/福岡県太宰府市

五穀豊穣を感謝する秋祭りで、平安時代の1101年にはじまったと言われています。福岡県無形民俗文化財にも指定。22日(秋分の日の前日)には「お下りの儀」があり、装束を身に着けた奉仕者が神輿を守りながら進む御神幸(行列)が行われ、まるで平安絵巻のよう。その翌日には「お上りの儀・お移りの儀」を執り行います。御巫女(みかんこ)が倭舞を奏上したのち、御神輿は再び御本殿へ向けてお発ちになります。お稚児さんや花車とともに華やかな行列が続きます。また、最終日の例祭には心字池に無数のろうそくを巡らせて天神さまの御神霊をお慰めする「千灯明」が行われ、神幸式大祭は幕を下ろします。

8~9月には、ここに紹介した以外にも日本全国で数多くのお祭りが開催されていますので、旅行や帰省先にどんなお祭りがあるかぜひチェックしてみてください。

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