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祝・10周年!こどもも一緒に過ごす錫婚式のススメ

銀婚式や金婚式は知っていても、錫(すず)婚式は聞いたことがないという方も多いのでは?
錫婚式とは、結婚10年目の記念日のことです。節目の年ということもあり、毎年の結婚記念日以上に特別なお祝いをしたいものです。

結婚10年ともなれば、お子さまがいらっしゃるご家庭も少なくないでしょう。そこで今回は、こどもと一緒に結婚10周年を楽しく過ごすアイデアをご紹介します。

錫婚式とは?まずは結婚記念日の基礎知識をチェック

結婚記念日の発祥はイギリスで、元々は結婚5年目に「木」、15年目に「銅」、25年目に「銀」、50年目に「金」、60年目に「ダイヤモンド」のそれぞれの品物を贈る風習でした。これが世界に広まる過程で宝石業界の戦略も加わり、国ごとに多くの呼び名の結婚記念日が誕生したと言われています。

日本では、明治天皇が銀婚式の祝いを行ったことで一般にも広まっていきました。最近では若い世代の間で周年ごとに結婚記念日を祝う傾向もあるようです。以下で主な結婚記念日をまとめましたので参考に。

【こどもも一緒に錫婚式を祝うアイデア①】
スイートテンダイヤモンドもいいけれど、今回は手作りファミリーリングに挑戦!

スイートテンダイヤモンドとは、もともと、ダイヤモンドを取り扱うイギリスの大手企業が企画開発したメモリアルジュエリーのこと。1990年代にCMなど大々的なプロモーションによって一気に浸透し、日本でも結婚10周年には10石のダイヤモンド、1.0や0.1カラットのダイヤモンドを贈ろうという流行が生まれました。

▲永久の愛を象徴する“無限”のシルエットに、ダイヤモンド10ピースをあしらった「スイートテンダイヤモンド・ グラティア」(ジュエリームナカタ)

旦那さまから奥さまへ、錫婚式を記念してスイートテンダイヤモンドを贈るのも、もちろん素敵なことですが、今回はこどもも一緒に祝うことがテーマのため、ファミリーリングの手作り体験をご提案!

ファミリーリングとは、家族の記念や、家族の絆の証として作るリングのことで、欧米では指輪にイニシャルを刻み家宝として代々受け継ぐ風習があります。日本でも最近は、結婚記念日にファミリーリングを求める方も増え、家族全員の誕生石を使ったリングや家族の名前をデザインしたリングなど個性的な商品が登場しています。

▲家族の誕生石を埋め込んでもらえるセミオーダーの「ファミリーリング・リガーメ
(ジュエリームナカタ)

例えば、ジュエリームナカタ(埼玉県さいたま市)では、家族の誕生石を入れ込んだファミリーリングをセミオーダーで制作(通販可能)できるほか、店舗まで伺えばファミリーリングの手作り体験もできます。職人さんに手伝ってもらいながら初心者でも1日でリングを完成。お子さまにも手伝ってもらいながら夫婦で挑戦し、家族でお揃いのファミリーリングを作ってみませんか?

▲お子さまにも手伝ってもらい家族で挑戦できるリングの手作りコース。遠方の場合は、自宅にキットを送ってもらい、家族の指のサイズに合わせて型を手作りし、工房に送り返してリングに変身させてもらえるサービスも
(ジュエリームナカタ)

最近はジュエリーの制作体験ができる工房も増えているので、お住いの近くに体験できるところがないかチェックしてみては?

【こどもも一緒に錫婚式を祝うアイデア②】
鋳物の町・富山県高岡市を訪ね、錫を使った製品を手作りする家族旅行を!

鋳物とは、金属を溶かし鋳型に流して形を作る鋳造という技法で作られた製品のこと。高岡市は400年以上の歴史を持つ鋳物の町として知られています。高岡にある鋳物工場「能作」では、時代のニーズに合わせ鋳造技術を駆使して作る錫100%製品を開発し、大ヒットに。今では、錫婚式の記念にこちらの直営店やオンラインショップで錫製品を買い求める方も多いようです。

▲「感謝ギフト」には、ビールの泡立ちをよくする錫の特性を活かしたビアカップ2個を。さらに、錫の柔らかい性質を活かして自由に曲げて形を変えられるヒット商品「KAGO」もセット(能作)

通販で購入もいいのですが、能作が手がける「鋳物製作体験」へ出かけてみてはいかがでしょうか。工場に併設した工房では、砂で型を作って錫製品を手作りし、記念に持ち帰ることができます。

鋳物製作体験の様子。大人(中学生以上)は「90分コース」でハート型の小鉢やぐい呑などを制作、小学生は「30分コース」で動物または花の箸置きを制作。小学生未満のお子さまには1名につき保護者1名同伴(能作)

高岡市には、鋳物師町として全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された金屋町があり、こちらにもぜひ足を運んでみては。石畳の通りに千本格子(さまのこ)造りの家々が並ぶなかには、アクセサリーの制作体験ができる店もあります。

▲お子さまも一緒に楽しくのアクセサリー体験を! ネックレスやキーホルダーもおすすめ
(大寺幸八郎商店)

鋳物工場として創業した古い歴史を持つ「大寺幸八郎商店」では、風情ある通りに面した自宅を開放し、錫のアクセサリー体験を行っています。錫はとても柔らかいためハサミで切ったり手で曲げて作ることができ、小さなお子さまでも制作体験可能というのが嬉しい限り。作れるアイテムも多彩なので男性にも大変人気の体験です。パパも一緒に自分用のリングやネックレス、キーホルダーなどを制作してみては?

▲どうしても現地まで行けない場合は「錫のアクセサリーキット」もおすすめ。手持ちのハサミで切ることができ、工具付きなので届いてすぐ作れるのが嬉しい。動画レシピもあるので、初心者も簡単
(大寺幸八郎商店)

【こどもも一緒に錫婚式を祝うアイデア③
家族全員でドレスアップし、錫婚式のウエディングフォトを撮影

結婚式はしていないという夫婦はもちろん、結婚式をした夫婦も、錫婚式という節目の年を記念してウエディングフォトを撮ってみるのはいかがでしょう?

▲こどもも一緒にフォトウエディングを撮影したご家族。スタジオ撮影後は、海辺でロケーションフォトも
(阿部写真館)

今回はお子さまも一緒に。例えば、スタジオやロケでウエディングフォトや家族写真を手がける「阿部写真館」(徳島本店のほか大阪府、茨城県にもあり)では、衣装やヘアメイクもお任せ。男の子はタキシード、女の子は真っ白なウエディングドレスを身にまとい、もちろんパパママもドレスアップして、一生の思い出に残る記念写真を。

七五三などの写真を手がける写真スタジオでは、お子さまのドレスや和装なども豊富に用意されています。親も一緒にドレスアップし、錫婚式の記念写真を撮ってもらえるところを探してみては。

ほかにも、こどもと一緒に楽しい錫婚式を過ごしたエピソードをご紹介!

「結婚式は、海が沈む夕日が美しいハワイのチャペルで挙げました。すぐにこどもができ、結婚以来、一度も海外旅行には行けず、家庭に育児に仕事に大忙しの日々。ふと気付けば結婚から10年が経っていました。先日、意を決して錫婚式の記念にハワイへ行ってきました! もちろん、9歳と5歳のこどもも一緒に。10年前、チャペルから見た夕日を家族4人で眺めることができて、本当に幸せだと涙があふれました」(Kさん・35歳)

「結婚して新居を構え立ての頃、地域に新しい橋ができて、町で橋のたもとにタイムカプセルを埋めました。希望者は手紙を入れられるということで、夫婦で“10年後のふたりへ”という手紙を書きました。そんなことはすっかり忘れていたある日、手紙が届いて、結婚10周年であることに気付きました。手紙には、こどもは3人いてと書かれていて、その予想通り現在、わが家には7歳の長女と4歳の長男と、おなかに3人目が! とても感激したので、結婚20年に向けて家族で手紙を書きました。長女も手紙を書き、まだ字が書けない長男は絵を。今度はタイムカプセルはないので、郵便局のタイムカプセル郵便を利用。最長10年後までの日付を選んで郵便局に出すと、指定日に届けてくれるんです。次の10年後も家族が幸せでいられるよう頑張ろうって気になれましたよ」(Sさん・38歳)

「コロナ禍真っただ中で迎えた結婚10周年。外食もままならず、家で手作りパーティをすることに。せっかくならば徹底的に楽しもうと、まずは家族全員分お揃いの衣装をネットで注文。100均でパーティグッズを大量に買い込み、こどもたちと一緒に1週間かけて部屋中を楽しく飾り付けました。当日は、こどもと一緒にケーキを作り、好きな果物を好きなだけトッピング。料理を作るのはちょっと大変なので、この時ばかりは贅沢にデパ地下のリッチなお惣菜やデリバリーを利用。準備する時間もしっかり楽しみ、もちろん本番のパーティも大盛り上がり。笑顔があふれる写真もいっぱい撮ることができました。夜、こどもたちが眠ったあとは、10年物のワインを開けて夫婦で乾杯。結婚式の動画を見ながら、しっとり過ごしました。外に出かけるよりも心に残る、いい錫婚式になりました」(Tさん・40歳)

家族全員の思い出作りのためにも、これまでの10年間を労い、次の10年間を頑張る糧にするためにも、楽しい錫婚式の過ごし方を計画してみませんか?

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