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乳幼児を連れて葬儀に行くとき、ベビーカーやママバッグは預かってもらえる?

一般の会葬者の場合、乳幼児は家族に預かってもらうなどして葬儀には連れて行かないのが無難。ですが、身内や親せきの葬儀の場合、子連れで参加せざるを得ないこともあるでしょう。そんなとき心配になるのが、ベビーカーや荷物が詰まった大きなママバッグをどうするか。

葬儀会場では預かってもらうことができるのか、現在の葬儀事情や葬儀会場の動向などに精通した2名の葬祭ディレクターにお話を聞きました。

お話をお聞きした方①

株式会社レクスト 副社長執行役員 古賀一規さん

長年サービス業に従事し、5年ほど前に葬祭業に転身。葬祭ディレクター、終活コーディネーター、グリーフケア士の資格を有する。現在は名古屋市を中心に葬祭場や結婚式場、ホテルなど幅広く展開する(株)レクストの役員として活躍。

お話をお聞きした方②

株式会社京阪互助センター
業務部課長 大阪北玉泉院マネージャー
中西香代子さん

葬祭ディレクター、終活コーディネーター、グリーフケア士。冠婚葬祭業に携わり約20年の経験を持つベテラン。「目配り・気配り・心配り」をモットーに、常に会館利用者の立場に立ったサービスを心がけている。

中西香代子さん

Q. 通夜・告別式の会場では、ママバッグやベビーカーは預かってもらえますか?

「もちろんお預かり可能です。弊社は愛知県内に50以上の葬祭場を展開していますが、お預かりができないところはひとつもありませんし、弊社以外の会場でも同様かと思います。通常、葬儀会場では受付にて大きな手荷物やコートをお預かりしたり、場合によってはロッカーを設けている会場もありますので、ママバッグはそちらにてお預かりすることができます。ベビーカーにいたっては、車イスをご利用されている方と同様に、受付でご相談いただければ、会場によってはそのまま会場内へ入っていただいて構いません。ママバッグにはこどもさんのおむつや着替えなど必要なものがたくさん入っているでしょうから、受付で預けずにベビーカーごと会場内へ持ち込んでいただいても問題ありません」(古賀さん)

「弊社は大阪から和歌山までのエリアに多くの葬祭場を有していますが、すべての会場でお預かりすることができます。長年この業界におりますが、弊社だけでなく、全国各地のほかの会場さんでも預かるのが難しいといった話は聞いたことがありませんので、気兼ねなく声をかけてみてください。ただ、このところ家族葬に特化した小規模な式場も増えていて、あまりたくさんのお荷物を預かるスペースがないという所もあるかもしれませんので、心配な場合は事前にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか」(中西さん)

Q. 小さいこどもを連れて行く場合、注意するポイントなどはありますか?

「葬儀会場内では、自分の隣にベビーカーを置けるよう後方に席を設けてもらうのがおすすめです。式の最中、もしこどもさんがぐずってしまったら、抱っこしてすぐ外に出られる場所がよいですね。会場内はエアコンが効いていて、暑すぎたり寒すぎたり、乾燥していることもありますので、ブランケットや飲み物なども準備しておくとよいでしょう」(中西さん)

「最近は、絵本やおもちゃなどを備えたキッズスペースを設ける会場も登場しています。そういったスペースがなくても、ご葬儀の打ち合わせの際などにご相談いただければ、控え室にこどもさんのスペースを設けておくなども可能です。まだ小さいこどもさんが何人もいらっしゃるといった場合などは、ぜひ気軽にお申し付けください。こどもさん向けの飲み物やお菓子、ミルク用のお湯の準備、おむつ交換や授乳スペースの確保など、できる限り対応いたします」(古賀さん)

Q.そのほか、ベビーカー持参のママへのメッセージはありますか?

「火葬場には連れて行けますか? と聞かれることもありますが、問題ありません。基本的に火葬場はスペースが広々していますので、ベビーカーごと入っていけると思います。お骨上げの際も、やけどなどに十分注意していただければご一緒いただいて構いませんよ。ただ、葬儀場も火葬場も同様なのですが、おこさまは、線香の匂いや独特の空気感、周りの人々が悲しんだりしている表情などを敏感に察知して、ぐずってしまうことも多いようです。そんなときのために、こどもさんが普段から親しんでいる絵本やおもちゃ(音の出ないもの)などをご持参いただくとよいでしょう。おやつも少しあると助かると思います」(中西さん)

「葬儀参列時にこどもさんが泣いたりぐずったりするのが心配という方もいらっしゃいますが、最近は家族葬も増えていて、お身内やご親戚だけであればそれほど気にする必要はないでしょう。それよりも、お孫さんやひ孫さんもご一緒にお見送りしてもらえるほうが、故人様も喜ばれるのではないでしょうか」(古賀さん)

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