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ご祈祷のマナーから食事会の段取りまで、七五三の成功ポイントはこれ!

大切なわが子の七五三。11月15日の七五三を笑顔溢れる1日にするためには、事前にしっかり準備をしておくことが大切です。

今回は、数多くの七五三の写真撮影からご祈祷、食事会までを幅広くサポートするホテルサンライフガーデンの湯浅さんに、七五三を成功に導くために知っておきたいポイントをアドバイスしていただきました。

【お話をお聞きしたのはこちら】

ホテルサンライフガーデン/こども写真館「Kids Dream」スタッフ
湯浅真優さん

2019年、神奈川県平塚市にある「ホテルサンライフガーデン」に併設するこども写真館「Kids Dream」のオープンと同時期に入社。「Kids Dream」に配属となり、現在まで多くのこどもの撮影に携わる。お子さまと同じ目線で話すことが得意なカメラマンとしても活躍し、時にはこどもと全力で遊び、お子さまの頑張りどころは応援しながら、その子のペースを考えて最高の笑顔を引き出しています。

▲湘南らしい自然豊かなロケーションにあるホテル。敷地内には歴史的建造物の教会があり、結婚式でも人気。右はホテル併設のこども専用写真館

七五三成功ポイント①

七五三の準備は夏前からスタート。
遅くとも9月には手配を完了しましょう

当ホテルには出雲大社のご分霊を祀る神殿があり、神殿で七五三のご祈祷を行ったり、個室で七五三のお祝いの食事会をしたりできます。また、写真館のKids Dreamでは、七五三衣装のレンタルから着付けやヘアメイク、スタジオまたは神社等でのロケーション撮影までメニューがあります。

▲ホテルサンライフガーデンの館内にある神殿。婚礼だけでなく七五三のご祈祷も受け付けてもらえる

そのため、七五三のご相談もかなり多くいただくのですが、10月に入ってからのご相談だと、ご希望の日時に空きがないケースも増えてしまいます。これは当ホテルだけではなくどこも同じだと思いますが、11月のお日柄のよい土・日曜日にご祈祷や食事会を開きたいという場合は、9月には手配を済ませておきましょう。

【七五三の段取り、理想のスケジュール】

  • ~6月…衣装レンタル可能な写真スタジオに打ち合わせに行く
  • ~7月…フィッティングをしながら衣装(前撮り用と七五三参拝用の2着)を決定
  • ~8月…前撮りを実施
  • ~9月…ご祈祷や食事会の予約を入れる
  • 11月…七五三の参拝(ご祈祷)を行う。その後、お祝いの食事会を実施

七五三のご祈祷の予約は、神社によって通年予約可能なところから、3カ月前からや1カ月前から受付というところ、逆に予約は不可で当日受付のみのところまでいろいろあります。ご自分が行く予定の神社ではどのような流れかを確認してみてください。

なお、参拝の当日はバタバタするので、衣装を身に着けての記念撮影は事前に行っておくのもおすすめです。特に7歳のお子さまの場合は小学校の予定もありますので、この“前撮り”を夏休み中に行っておくと、希望の衣装もレンタルしやすくおすすめです。

8月中に前撮りを行うなら、4~6月には一度打ち合わせにきていただき、7月には衣装を決定、8月に撮影というスケジュールが理想的です。できるだけ早めの対応が望ましいでしょう。

▲写真館でゆっくり前撮りを(Kids Dreamのスタジオ撮影)

七五三成功ポイント②

お日柄にこだわるより、神社や写真館の
空き状況に合わせて予定を組むのもひとつ

祖父母や親せきの方を招いて七五三を行う場合は、11月15日近辺の休日で、大安吉日などお日柄のよい日を選ぶ方が多いですね。ただかなり混雑するので、少しでも手配するのが遅くなると、希望日はすでに空きがないことも。一方で、最近は、お子さまと親御さんのみだったり、祖父母の方が参加する場合もそれほどお日柄を気にしないという方も増えていて、お日柄よりもスタジオや神社の空き状況が好都合の日を選ぶ方も増えています。

また、七五三の年齢は一般的に女の子が3歳と7歳、男の子が5歳となっていますが、次女が3歳で七五三を迎えるので、長女はまだ6歳だけど一緒に行うとか、7歳の長女の七五三と一緒に3歳の長男の七五三も行うなど、臨機応変に行うケースも増えています。

▲きょうだいがいる場合は、あまり厳密に年齢に縛られず一緒に七五三をお祝いするケースも(Kids Dreamのスタジオ撮影)

七五三成功ポイント③

神社に参拝するだけでもOKだけれど、
せっかくなのでご祈祷してもらうのがおすすめ

近所の氏神様にお参りするだけでもいいのですが、できれば初穂料をお納めして、ご祈祷していただくのがおすすめです。この先、正装をして神様にご挨拶する機会は少なく、ご婚礼でも圧倒的に洋装をお選びになる方が多いので、和装で日本の儀式を体験してもらう良い機会となるからです。また、おごそかな場所で静かにお話を聞く練習にもなります。

▲手水舎でのお清めの方法や、拝殿でのお参りのマナーなどは、親御さんが丁寧に教えてあげましょう

神社でのご祈祷は、一般的に以下のような流れで行われます。

  • 社務所で受付し、ご祝儀袋に入れた初穂料をお渡しします。
  • 神殿に入ったら修祓をし、身を清めます。
  • お子さまのこれまでの健康に感謝し、今後のご加護を受けられるよう、祝詞奉上をします。
  • 神職の方から渡された玉串をお子さま自身で奉納します。作法は神職の方が教えてくださいます。最後に拍手と礼をしますが、神社によって作法が異なるため、指示に従います(一般的には二礼二拍手一礼が多いですが、出雲大社の二礼四拍手一礼などがあります)。
  • 最後にお守りや千歳飴などをお子さまが受け取って終了です。

なお、初穂料は、神社によって異なります。一般的にはお子さま一人1万円、きょうだい二人を同時に行う場合は2万円と言われています。

七五三成功ポイント④

お子さまがぐずるのは当たり前。そうなった時の
対処法について事前に準備をしておくことが肝心

お子さまのご機嫌や体調はコロコロと変わりやすいものです。スタッフや神社側もそれは十分に理解しているはずですので、お子さまよりも親御さんの対応の仕方で、神様に失礼にあたらないようにしたいものです。お子さまを𠮟りつけるより少しでも早く機嫌が直るよう、事前に準備しておくことも大切です。たとえば、祈祷中は音の出ないおもちゃを手に持たせたり、祈祷中は飲食禁止ですので、その前に好きなおやつなどを食べさせておくなどするとよいでしょう。

▲少しでも快適に楽しく過ごせるよう工夫してあげることで、こどものぐずりを防ぐことも

お子さまが小さくても、神社とはどんな場所か、参拝のマナーや祈祷の意味などを親御さんが真面目に説明してあげることで、意味は理解できなくても、きちんとしなければならないという空気は伝わります。お子さまが不安になってぐずったりしないよう、事前にしっかり説明しておくのもいいですね。

七五三成功ポイント⑤

こどもの興味があるものを手に持たせておくと
衣装の着崩れを防ぐ効果が!

着付けをしている最中から嫌がってしまうお子さまもいらっしゃいます。やはり、普段着なれないものを身に着けるのは負担も大。どうしても嫌がる場合は、紐を1本抜いて苦しくないよう調整したりすることもあります。このようなことは事前にフィッティングをしておくと予測ができ、対処法を準備しておくこともできます。

お子さまの手が空いていると、つい襟元や小物が気になって触ってしまいます。また、せっかくヘアセットした髪の毛をぐちゃぐちゃにしてしまうことも。そのため、お菓子やおもちゃなどお子さまが好きなものを手に持たせ、手が空かないようにするのもひとつの方法です。

草履や雪駄は大人でも痛いので、お子さまには直前まで履かせず、自前の靴で移動させることがよいと思います。トイレに行くときには、着物のたもとや裾を留めて汚れ防止のため、洗濯バサミなどを持参していくのもおすすめです。

▲行き帰りは履きなれた靴で、神社に到着したら草履に履き替え

当ホテル内の神殿でご祈祷を行う場合は、着付けとヘアメイクを担当した写真館のスタッフが神殿についていき、祈祷の前後に衣装の乱れを直してあげることもできます。どうしても着崩れしてしまうお子さまの場合は、神社でご祈祷を受ける際に着付け直しできる場所があるかどうか、探してみてはいかがでしょうか。

七五三成功ポイント⑥

食事会では、お子さまがリラックスし
楽しく過ごせる環境を作ってあげましょう

ご会食に参加されるメンバーは、主役のお子さまから見て親御さん・祖父母の方までの3世代が一般的です。その際、どなたがご精算されるか事前に決めておくと、精算がスムーズに進みます。座り方は特に決まりはありませんが、上座や座りやすい席に祖父母さまに座っていただくと安心です。

▲お子さまを囲み、会話が弾む楽しい祝いの席を

お食事会場については、一般的には和食を召し上がる方が多く、ホテル内のレストランを予約すれば、お祝い専用のコースを提案してくれるところも多いはず。部屋は完全個室が手配できると、お子さまが走り回ったりしても周囲を気にすることなく、みなさま楽しく過ごせるのでおすすめです。衣装がきつくてお子さまがぐずりがちであれば、会食の前に普段着に着替えさせておくのもよいでしょう。

また、和食のコースはお子さまが食べにくいため、唐揚げやちらし寿司などお子さま好みのキッズメニューを用意してもらうといいですね。

もしも食事会の席で親せきの方などから七五三のお祝いをいただいた際は、後日でよいので、保存期間の長い焼き菓子などを返礼品としてお渡ししましょう。金額はいただいた額の半額から3分の1を目安に、カタログギフトにするのもいいでしょう。

▲ちらし寿司やから揚げ・エビフライなどが並ぶキッズメニュー(ホテルサンライフガーデン)

七五三成功ポイント⑦

記念撮影の際は、お子さまの気持ちに寄り添い
必要に応じて写真データを修正してもらいましょう

実際に私が担当した7歳の女の子の七五三のエピソードです。撮影の前日にちょうど前歯が抜けてしまい、それが恥ずかしくて絶対に笑わず、親御さんがいつもはこんな顔をしないのに…とがっかりしてお帰りになったことがありました。それを機に私たちのスタジオでは、歯が抜けていても、お写真を修正して歯を付け足すことができることをご提案するようにしました。歯の心配だけでなく、お子さまのことですので、撮影日近くに限ってお顔にケガをしたり、消えないインクで落書きをしてしまったりといったこともあります。最近では、気になる部分は簡単に修正ができるようになってきていますので、まずはスタジオに相談をしてみてください。

早めに段取りをしたり、事前に準備をしたりすることで、失敗を回避して、よりよい七五三を過ごすことができます。まだなんの準備もしていないという方は、アドバイスを参考にさっそく取りかかってはいかがでしょうか。

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