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葬儀のヘアスタイル、マナーを守るにはどうすればいい?

急な訃報で葬儀に参加することになったとき、髪型はどうしますか? 「お団子ヘアなど、できるだけすっきりしたヘアスタイルがいいでしょ?」「茶髪だけど、大丈夫かな?」などと困ってしまうことも多いもの。そこでここでは、意外に見落としがちな葬儀の会葬者のヘアスタイルについて、基礎的なマナーをご紹介します。葬儀で失礼のないようにするためにもしっかり頭に入れておきましょう。

葬儀の髪型マナー1

髪色は、華美・派手と捉えられるカラーはできるだけ避けること

葬儀では漆黒の喪服を着用しますので、日本人の場合、基本的には地毛の色がベストです。最近はカラーリングや白髪染めで明るい茶色にしている方も多く、それほど厳密ではなくなっています。
ただし、金髪や赤・紫などカラフルな色に染めているといった場合はやはり葬儀の場にはそぐわないため、黒色に染め直すのが無難。洗えば元の色に戻せる黒スプレーを使うのもひとつの方法です。

ちなみに帽子をかぶれば髪の色は隠せるのではと思いがちですが、女性の場合はつばがない筒型の帽子(トークハットやカクテルハットと呼ばれます)に限られます。頭全体を覆うようなタイプの帽子ではないため、髪色を完全に隠すことはできません。基本的にはキリスト教式の葬儀に限られ、正装となることから遺族と親族のみが着用できます。

葬儀の髪型マナー2

焼香時に髪がじゃまにならない、キチンと感のある髪型を

ご遺族に一礼したり、お焼香をして故人に手を合わせたりと、うつむくシーンが多いため、その度に長い前髪やサイドの髪がばさりと顔を覆うようなヘアスタイルは避けたいところ。キチンとした喪服に合わせ、髪型もキチンとしたまとめ髪や、髪留めワックスなどを使ってうつむいても髪が落ちてこないような工夫をしましょう

葬儀の髪型マナー3

まとめ髪をする際、“耳より下でまとめること”を意識して

まとめ髪の位置は耳より上は結婚式などの慶事、耳より下は弔事とされています。そのため葬儀では、高い位置でのお団子やポニーテールは避けましょう。編み込みやゆるめ&後れ毛を出したまとめ髪は華美と捉えられるためNG。さらに、サイドの髪だけうしろで束ねるハーフアップも、顔周りはすっきりしますがカジュアルに見えて、結ぶのも耳より上の位置になるため、葬儀の場にはふさわしくないとされています。

おしゃれなヘアアクセサリーはNG。黒色のゴムやピンを使用

まとめ髪に使用するバレッタやシュシュ、カチューシャなどは装飾性が高いためできるだけ使用は避けましょう。ただし、喪服に合う漆黒の色をした葬儀用のヘアアクセサリーもありますので、そういったものであれば使用可能です。また、後れ毛を止めるヘアピンも黒色を選びましょう。

葬儀の髪型マナー4

髪の長さ別おすすめ葬儀ヘアスタイルはこちら

●ロング・ミディアム

できるだけ肩に髪が付かないような髪型がベスト。ひとつに結べる長さの場合は、耳より下の位置でまとめましょう。さらに、ひとまとめにした髪を毛先まで巻き付けてピンで固定したお団子(シニヨン)にすればよりすっきり清潔感があってベストです。その際、黒いネットとリボンが付いた葬儀用のバレッタを使うのもおすすめです。

●ショート・ボブ

ひとまとめにできない長さで、うつむくと前髪やサイドの毛が顔にかかってしまうスタイルの場合は、前髪を黒いピンで留めたり、ヘアワックスで固めたり。サイドの髪の毛は耳にかけるなど工夫しましょう。

葬儀のヘアスタイルについて、基本的にはできるだけ質素に、“おしゃれ”をしないこと、清潔にすっきり見えることに配慮すればOK。急な訃報で慌てないためにも、黒いゴムやピンなどは常に用意しておくとよいですね。

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