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知っておきたい!
お正月にやってはいけない
6つのこと

お正月は、1年の始まりを祝う特別な期間。一方で、その間にやってはいけないことがあるのを知っていますか?実は、身近なところにNG行為は潜んでいるんです。現代の生活ではすべて守ることは難しいかもしれませんが、その理由を知ることで、より深くお正月を過ごすことができるはず。詳しく見ていきましょう。

そもそもお正月の「三が日」とは?

「三が日」とは、お正月の最初の3日間、つまり1月1日から1月3日までのことを指します。この期間は、新年を祝い、家族が集まって過ごす大切な時とされています。その間は初詣に行ったり、おせち料理を食べたり、お年玉を渡したりと、さまざまな風習が受け継がれています。

NG1 掃除をしてはいけない

お正月には門松やしめ飾りをかざって「年神様」という神様を家にお迎えし、おせち料理(お節供〈おせちく〉料理の略)でもてなして、1年の幸福や豊作をお願いすることが大切であると信じられてきました。お正月に掃除をすることは、せっかく来てくださった年神様や福を追い出してしまうことになる、と考えられています。また、お風呂やトイレの掃除、洗濯なども、年神様を水で洗い流すことになるため控えた方が無難といわれています。

NG2 刃物を使ってはいけない

刃物で切るという行為は、年神様や家族の「縁を切る」ことを連想させるため、刃物を使うことは避ける傾向にあります。また、「怪我をせず、元気に1年を過ごせますように」という願いを込めたものでもあります。

NG3 火を使う料理をしてはいけない

台所には、火の神様である荒神(あらがみ又はこうじん)様がいて、家を守ってくれているとされています。お正月くらいは荒神様にもゆっくり休んでいただくために、火を使うことを控えるべきという考え方があります。また、煮炊きをすると灰汁(あく)が出ます。この「灰汁を出す」ことが「悪く(あく)を出す」ことにつながり、縁起が悪いとされています。おせち料理のような保存のきく料理を事前に作り、三が日に火を使わずに過ごせるようにするとよいでしょう。

NG4 四足歩行の動物の肉を食べない

牛や豚などの四足歩行の動物を食べるのは避けましょう。その理由にはさまざまな説がありますが、殺生禁止という仏教の教えや、天武天皇が僧侶の肉食禁止令を出したことで、神や仏に捧げるものであることから肉類が排除されたという話もあります。
現在ではおせち料理に入っていたりと食べている人も多いですが、気になる場合は四足ではない鶏肉をいただきましょう。

NG5 ケンカをしてはいけない

お正月は、家族で穏やかに過ごす時期とされています。新年早々にケンカをしてしまうと、悪い運を植え付けてしまい、人間関係がうまくいかなくなるなど縁起が悪いとされています。「笑う門には福来る」ということわざがあるように、笑顔で新年を過ごして福を招き入れましょう。

NG6 お金を使ってはいけない

元旦は、お賽銭以外のお金をなるべく使わない方が良いとされています。これは、年の初めにお金を使いすぎるとその1年はお金が貯まらないという考え方に基づいています。ですが、初詣でお賽銭を納めるのは、神様への感謝の気持ちやお願いの気持ちを表す行為であり、お金を使う行為には含まれないと考えられています。
今では、お正月に福引きセールなどの買い物を楽しむ人も増えています。もし、お正月に買い物をする場合は、上記の考え方を理解した上で計画的に使うように心がけましょう。

まとめ

お正月のタブー行為は、地域や家庭、宗教等によって異なる場合がありますが、どれも神様への敬意や、1年の幸運を願う気持ちから生まれたもの。現代の生活や事情に合わせて無理のない範囲で取り入れて、心穏やかに新年をすごしましょう。

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