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【お椀の位置は?
箸の持ち方、下ろし方は?etc】
知っておきたい 
和のテーブルマナー

日常に慣れ親しんでいる和食ですが、和食にまつわるマナーについては、意外と知らないことも。ですが、正しいマナーを守ることによって、食事の時間はより心温まるものとなるでしょう。今回は、大人として知っておきたい、和食の基本的なマナーについて解説します。お箸の持ち方、お椀の位置、食べ方などを知っておけば、親しい友人との食事や、いざ会食というとき等に美しくスマートにお食事を楽しめるはずです。

お箸のマナー

お箸の細かな作法は、日本ならではの文化です。美しい所作でお箸を扱うことができれば、和食の時間をより深く楽しめるはずです。

お箸の取り方

  1. まずは、右手の親指と人差し指、中指の3本の指で、箸の右の方を上からつかんで持ち上げます。
  2. 左手で、真ん中より少し左を下から受けるようにして持ちます。
  3. 上から右手を滑らせて、持つ位置まできたら右手のひらを上に向けて下から正しい持ち方に持ち替えます。

お箸のNGマナー〜嫌い箸〜

一緒に食事をする人に不快な思いを与えてしまう可能性のある、無作法な箸使いのことを「嫌い箸」(「忌み箸」)と言います。知らず知らずのうちにやっている恐れがあるので、やりがちな「嫌い箸」を押さえておくと安心です。

●そろえ箸

食事中に箸先が上下にずれてしまった場合、食器の上で箸先をトントンと揃える行為を指します。食事中に箸先がずれてしまった場合は、手元でお箸をずらすなどして調整しましょう。

●迷い箸

迷い箸とは、食事中にどの料理を食べようか迷い、箸を料理の上であちこちと動かす行為を言います。周囲の人から見て行儀が悪い印象を与えてしまいますので避けましょう。食べたい料理を決めてから箸を運びましょう。

●移り箸

おかずと飯とを交互に食べず、おかずを食べたあとすぐ他のおかずを取ることを移り箸と言います。

●逆さ箸

食事中にお箸を上下逆に持ち替えて使う行為を指します。大皿料理が運ばれてきたときに、ついやってしまいがちですが、衛生的ではなく、取り分けた後もその部分が汚れてしまうので、美しい所作とは言えません。大皿用の取り箸を別途求めましょう。

●ねぶり箸

ねぶり箸とは、お箸についたご飯などを舐めてとることを言います。一緒に食事をしている人から見ると、あまり気持ちの良いものではありませんのでやめましょう。

●ほじり箸

器に盛られた料理を上から順に食べず、お箸で器の底をほじくり、下の方の料理を探し出すように食べる行為を指します。

器のマナー

器の扱い方にもマナーがあります。

配膳の位置をおさえる

和食の器を食卓に並べる際、基本的な並べ方は押さえておきたいところです。向かって左手前に主食のごはん、その右にお味噌汁などの汁ものを並べましょう。おかずは奥に置き、左から副菜(煮物や炒め物など)、副々菜(和え物、香の物など)、主菜(焼き物、揚げ物、刺身など)の順番で並べましょう。

お椀のふたの外し方

器に左手を添えて、右手でふたをつまんで開け、水滴は器に落としましょう。もし右側にお椀があれば、右側にふたを置きましょう。ふたを置くときは、内側を上に向けておきましょう。ふたを伏せたり、重ねるのは避けましょう。

器を手に持つときの作法

  1. 両手で器を持ち上げます。
  2. 器を左手に移し、右手でお箸を取り上げます。
  3. 箸先を左手の人差し指と中指で挟みこみます。
  4. 右手を横に滑らせるようにして持ちます。

食べ方のマナー

和食をいただく際にもさまざまなマナーがあります。1つずつ押さえていきましょう。

ひとつのものに集中して食べない

複数のお料理がある場合、特定の料理だけを集中して食べるのは実はマナー違反。出していただいたお料理をまんべんなくいただくように意識しましょう。

器を持って食べる

大きな器以外は、手に持って食べましょう。醤油の小皿や天つゆの入ったお皿なども、持ち上げても構いません。

盛り付けは崩さない

料理は、味の淡白なものから濃いものへ、というように食べてほしい順に盛りつけされているので、盛り付けは崩さずに手前からお箸をつけていきましょう。

手皿はマナー違反

お食事を口に運ぶ時、手を受け皿のように添える手皿はやってしまいがちな行為ですが、マナー違反にあたります。手のひらに食べ物がこぼれてしまうと手が汚れてしまうので、きれいな所作にはなりません。できるだけ器を持ち、口の近くまで運んで食べましょう。

おしぼりで口や顔を拭かない

おしぼりは手を拭くものなので、口や顔を拭かないようにしましょう。また、使ったおしぼりでテーブルの上を拭くのも避けたい行為です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。和のテーブルマナーを身につけることで、いざ会食等があってもスマートなふるまいができますし、食事相手に好印象を与えることができます。正しいマナーを身につけて、食事をより楽しんでくださいね。

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