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飾る意味、場所、期間は?
正月飾りの基本のこと

新しい年を迎えるにあたって、欠かせない準備といえばお正月飾りですよね。そこで今回は、お正月飾りの種類ごとの意味や由来、飾り方、そして処分方法まで基本の知識をわかりやすくご紹介します。この記事を読んで、気持ちよく新年を迎えましょう。

お正月飾りの意味や由来を紹介

日本では、年神様(としがみさま)を家にお迎えし、一年の幸福や健康を祈願するために、お正月飾りを飾る風習が大切にされてきました。年神様は、私たちに恵みと繁栄をもたらす神様として信仰されています。その年神様を丁寧にお迎えし、家の中に滞在していただくことで、家族の健康や幸せなどを祈願するのです。

お正月飾りには大きく分けて、門松、しめ飾り、鏡餅の3種類があります。それぞれに異なる意味や役割があり、年神様をお迎えするための大切な役割を担っています。

門松

門松は、家の門前に飾られる、年神様を家にお迎えするための目印となる正月飾りです。門松の形式は地域によってさまざまですが、一般的には3本の竹の幹を中心に立て、その根元を松で囲み、梅を添え、さらにその周りをむしろで囲んだものが多く見られます。

門松に使われる植物には、それぞれ以下のような意味が込められています。

 冬でも青々とした葉を茂らせることから、長寿や繁栄の象徴とされています。
 成長が早く生命力が強いことから、子孫繁栄や発展を表しています。
 寒い季節にいち早く花を咲かせることから、生命力や忍耐力を象徴しています。

これらの植物を組み合わせることで、より多くの福を授かろうとする願いが込められているのです。

鏡餅

鏡餅は、年神様へのお供え物であると同時に、穀物の実りをもたらす神様が宿る依り代(よりしろ)でもあります。鏡餅が丸いのは、人の魂(心臓)をかたどったといわれ、また昔から鏡には神様が宿るもの、すなわち神器(じんぎ)と信じられており、お餅を鏡に見立てて鏡餅と呼ぶようになったようです。

鏡餅は、地方によってさまざまですが縁起物を添えて飾ります。シダ植物の一種である裏白(うらじろ)は、長寿や祈願を表します。譲葉(ゆずりは)は子孫繁栄、橙(だいだい)は家が代々栄えますようにという願いを込めて添えられます。折り重ねられた白い紙の紙垂(しで)は、神聖な場所であることを示します。四方紅は、周りが赤く縁取られた色紙で、災いを払い繁栄を願うものとして鏡餅をその上に乗せます。これらを三方(さんぽう)と呼ばれる台に載せ、床の間や神棚に飾りましょう。床の間などがない場合は、リビングやダイニングの棚に供えましょう。

しめ飾り

しめ飾りは、しめ縄に縁起物などの飾りをつけたものをいいます。家の玄関などに飾ることで、その場所を神様をお迎えするのに神聖な場所だと示し、不浄なものが入らないようにする結界の役割を持ちます。

しめ縄にも、鏡餅のように裏白、譲葉、橙、紙垂などの縁起物が添えられています。

お正月飾りはいつからいつまで飾る?

お正月飾りは、一般的に12月13日の「正月事始め」以降に飾られます。最近では、クリスマスの飾り付けが終わってから、お正月飾りに変える家庭も多いです。中でも、12月28日は末広がりの「8」にちなんで縁起が良い日とされ、30日もキリが良い数字として、これらの日に合わせて飾り始める家庭も見られます。

お正月飾りをしまう時期は、地域によって異なります。門松やしめ飾りは、年神様がお帰りになるまでの期間である「松の内」まで飾るのが一般的です。松の内は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとする場合が多いようです。鏡餅は、鏡開きの日まで飾ります。鏡開きは、関東では1月11日、関西では1月20日に行われることが多く、その日に鏡餅を割り、ぜんざい、おしるこ、お雑煮などにしていただきます。

マンションと一戸建てで飾り方は変わる?

一戸建ての場合、門松は玄関の両脇に飾るのが一般的です。しかし、マンションの場合は玄関ドア前が共用部分となるため、物を置くことが禁止されているケースも多いので注意しましょう。しめ飾りを玄関ドアにかけるか、玄関の物を置くスペースなどに小さな門松を置くのがおすすめです。最近では、壁掛けタイプの門松も販売されているので、居住形態に合わせて選ぶのがよいでしょう。

正月飾りの処分方法は?

お正月飾りは、大切な縁起物であることから、処分する際にも丁寧に扱いましょう。神社やお寺に返納するか、「どんど焼き」に持ち込んでお焚き上げをしていただくのが正しい処分方法です。どんど焼きとは、小正月頃に行われる火祭り行事のことで、お正月飾りを持ち寄って焼くことで、無病息災や五穀豊穣を祈願します。

神社やお寺への返納が難しい場合は、ご自身で処分することもできます。その場合は、塩でお清めをしてから、他のゴミとは別の袋に入れてゴミ捨て場に出しましょう。

まとめ

正しく飾られたお正月飾りで家を彩ることで、年神様を温かくお迎えしましょう。そして、新たな一年を健やかに、そして笑顔で過ごせるように願いを込めましょう。

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