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【その由来、知ってる?】
子どもと学ぶ 正月遊び

日本の伝統行事であるお正月にはさまざまな風習があり、中でも正月遊びは今でも多くの人に親しまれています。でも、その由来ってご存じでしょうか。今回は5つの正月遊びの由来について、和文化研究家の三浦さんにお伺いしました。子どもと楽しく遊べるコツもぜひ参考にしてください。

お話をお伺いした方はこちら

和文化研究家 三浦康子さん

古を紐解きながら、今の暮らしを楽しむ方法をテレビやラジオなどさまざまなメディアで提案。行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

古を紐解きながら、今の暮らしを楽しむ方法をテレビやラジオなどさまざまなメディアで提案。行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。


成長や健康を祈る凧揚げ

凧は中国から占いや戦いの道具として伝わったもの。江戸時代には男の子の誕生を祝い、凧揚げをして成長を祈るようになり、庶民の遊びとして広まりました。高く上がるほど願い事が天に届き、元気に育つといわれています。
また、立春の時季に空を見上げることは健康に良いという意味の言葉があり、新春を迎えると、健康を祈るために凧揚げをするようになったともいわれています。

高く揚がる凧って?

凧にはさまざまな種類がありますが、小さな子どもでも揚げやすい凧を用意すると楽しく遊べます。
おすすめはプラスチックでできたフレームに、ビニールが張られたもの。軽くて扱いやすいので、初めて凧で遊ぶ場合でも簡単に揚げることができます。大きめのサイズを選ぶと、安定感があります。小さい凧だとスピードが出すぎることも。
慣れてきたら和紙と竹で作られた、昔ながらの和凧に挑戦してみましょう。親子でオリジナルの凧を手作りするのもおすすめです。
凧揚げの由来にちなんで、揚げる前に子どもと一緒に願い事を考えてみるのもいいですね。

笑いが福を招く福笑い

江戸時代中期に登場し、明治時代中期には正月遊びとして定着しました。起源ははっきりしていませんが、「笑う門には福来る」という意味合いが込められていると考えられています。
おかめは「おたふく」とも呼ばれ、福を招くものとされていました。また、ひょっとこはかまどの火を竹筒で吹く「火男」に由来し、火を守るとされていました。どちらも庶民になじみ深かったため、福笑いとして用いられるようになったといわれています。

似顔絵福笑いで大爆笑!

おかめやひょっとこの福笑いも良いですが、家族の似顔絵で福笑いを作って、遊んでみるのはいかが。より愛着が湧いて楽しめますよ。

~作り方~

  • 紙に顔の輪郭とまゆげ、目、鼻、口など顔全体を描きます
  • もう一枚の紙に、輪郭だけ描きます
  • ①の紙に描いたパーツを切り取ります
  • ②に③のパーツを載せて遊びます

似顔絵は似ていなくてもOK。目が少しでも吊り上がっていると怒っている表情に見えるなど発見がたくさん!子どもが作る親の表情を見て、「自分はいつもこんな顔をしていると見られているのか」という気付きにも。家族がより仲良くなれるはずです。

すごろくでその年の運試し

もともとすごろくには「盤双六」と「絵双六」がありました。
「盤双六」は日本書紀に記載されているほど歴史は古く、江戸時代には嫁入り道具にも。しかし、現在はほとんど姿を消しています。西洋版の盤双六が「バックギャモン」です。
「絵双六」とは今でも馴染み深い、さいころを振って駒を進めるゲームです。江戸時代に流行したすごろくは極楽浄土への道筋や、出世していく様子を表したものがあり、正月遊びになったのは、その年の運試しのためといわれています。その後、小さな子供からお年寄りまで楽しめるということで定着したようです。

駒とさいころを手軽に手作り

すごろくを一から作るのは大変ですが、駒とさいころならお手軽に作れます。ぜひ挑戦してみてください。

~駒~

  • ペットボトルのふたを活用。シールを貼ったり、絵を貼ったりして自分だけのお気に入りを作ろう。
  • 画用紙を山折りにして似顔絵を貼れば、自分のミニ分身駒の出来上がり!

~さいころ~

  • 1から6までの数字を紙に書いて、紙袋の中へ。順番が回ってきたら、くじのように引いて、出た数字の分だけ進みます。6以上の数字を入れても面白そう。
  • 立方体の箱に数字を書いた紙を貼れば、オリジナルさいころの完成。大きい箱を使えば、さいころを振るだけで大盛り上がり!

魔よけの意味もあっためんこ

めんこは漢字では「面子」と書き、人の顔を意味しています。江戸時代は粘土を焼いて作られた「泥面子」が作られていました。割れるまで打ち付けたり、ぶつけたりして遊ぶ玩具で、魔よけの意味もあったとされています。大正時代には紙のめんこが主流になり、魔よけの意味は薄れましたが、ポピュラーな遊びだったため、正月遊びとしても定着したものと推測されます。

どのめんこがチャンピオン!?

さまざまな素材や形でめんこを作って、どのめんこが一番強いのかを競ってみてはいかがでしょうか。段ボールや牛乳パックなど身近な素材を、好きな形に切ってみます。小さいものと大きいものではどちらが強いでしょうか。薄いチラシでも、何重にも折ってテープで補強すれば頑丈になるかもしれません。
どうすれば勝てるのかを考えることが、知恵をつけるいい機会になるはずです。

物事が円滑に回る独楽(こま)回し

奈良時代ごろに朝鮮半島から伝わったもの。まっすぐ芯が通って回り続けることから「物事が円滑に回る」として縁起物となり、お正月遊びとして親しまれるようになりました。うまく回ると子供が早く独り立ちできるといわれています。

年齢に合わせてこまを選ぼう!

こまにはさまざまな種類があります。回す難しさも異なるので、子どもの年齢に合ったこまを選んで楽しみましょう。

2、3歳~:ひねりこま

指先を使える年齢になったら、指でひねって回すシンプルなひねりこまがおすすめ。

5,6歳~:投げこま

糸を巻いて、飛ばすように投げて遊ぶこま。糸の巻き方や投げ方にコツがあるので、練習が必要ですが、夢中になって遊べます。

7歳~:ベーゴマ

樽やバケツの上にシートを被せ、その上で鉄製の心棒のないこまをぶつけ合います。相手のこまをはじき出せれば勝ち!

その子に合ったこまを選んで、一緒に回したり、競い合ったり。大人も夢中になれるのがこま回しです。

まとめ

家族や親戚が集まって過ごすお正月は、昔ながらの正月遊びを取り入れてみませんか。由来を知ることや手作りすることで、より正月遊びの時間がかけがえのないものになるはず。子どもの年齢や性格に合わせて遊び方を工夫して、楽しんでくださいね。

(イラスト/徳丸ゆう)

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