こどもの初詣デビューを目指して、基本や注意点をチェック!
家族そろって初詣に行くのもお正月の楽しみの一つです。なかには、初めてお子さまを初詣に連れて行くという方もいらっしゃるでしょう。
小さなこども連れの場合、どんな寺社を選び、いつごろ行けばいい? マナーや注意点は?……など、わからないことや不安がたくさん!
そこでここでは、知っているようで知らない初詣の基礎知識やマナーから、小さなこども連れにおすすめの情報までをご紹介します。
まずは、初詣の起源をチェック
初詣とは、新年を迎え、一年の無事を祈願して社寺へ参拝することです。
初詣のしきたりは諸説ありますが、平安時代にはすでに行われていたと言われています。室町時代になると、各家の家長がその村の氏神神社に大晦日から元旦にかけて籠る「年籠り」が行われるようになりました。やがて「除夜詣」と「元日詣」とに分かれて参拝するようになり、江戸時代になると、村の氏神様に限らず、その年の吉方にある社寺に参る「恵方詣(えほうもうで)」や、好みの社寺に参る人が増加。
「初詣」という言葉が広まったのは明治に鉄道会社が鉄道を利用して正月の参拝に出かけてもらおうと画策したためだと言われています。
初詣は、神社とお寺どちらに行くべき?
どちらでも構いません。明治時代に「神仏分離令」(神仏判然令)を出されるまでは神道と仏教が共存(神仏習合)していたケースも多く、初詣はどちらでもよいとされています。
どんな寺社を選ぶかも自由。地域の氏神様を祀る小さなお宮(神社)はもちろん、少し遠出をして全国に名の知れた寺社や子育てのご利益で有名な寺社、家族が厄年なので厄払いで有名な寺院を選ぶというのもよいでしょう。
ただし、赤ちゃんや2~3歳の幼児の場合は、移動時間が短く、混雑度も少ない近所の小さな寺社を選ぶと、お子さまの負担も少なくおすすめです。
初詣は、いつ行くのがいい?
初詣はお正月の三が日だけと思っている人もいるかもしれませんが、年が明けてからはじめて神社仏閣へ参拝する場合を広く含むとされており、松の内に参拝するのが一般的です。
松の内とは、各家に年(歳)神様を迎えてもてなす期間のことで、この期間中は神の依代となる鏡餅を始めとする正月飾りをしたままにしておきます。この松の内、地域により1月7日までとする場合と1月15日までとする場合があります。
1662年に徳川幕府より、正月飾りは1月7日を過ぎたら外すようにと命が出されたことで、関東ではそれまで1月15日だった松の内が1月7日になったと言われています。ただし、関西では現在も松の内は1月15日までというところが多く残り、中京地区では7日と15日が混在している場所もあるようです。
小さなお子さま連れの場合、有名な寺社に行くなら松の内を外せば比較的ゆったり。ただし、商売繁盛で有名な寺社の場合は、仕事始めに会社や法人の初詣で混雑するので注意が必要です。
「幸先詣(さいさきもうで)」とは何?
新型コロナウイルスの影響で分散参拝が呼びかけられるなか、新たな参拝の方法として提示されたのが幸先詣です。初詣を12月からスタートし、新年の縁起物の授与もいただくことができるというもの。コロナが落ち着いてきた今年も、引き続き混雑を回避するために幸先詣を行う寺社もあるので、チェックしてみて。子連れで初詣の場合は、混雑を避けて12月中に行くのもありです。
初詣の正しい作法について教えて
神社とお寺では参拝の作法が異なります。以下に詳しくご紹介しますので、自分のやり方が正しいか再確認してみてください。小さなお子さまはこの通り行うことは難しいかもしれませんが、パパママのやり方をまねしてみることが大切です。毎年、一緒に正しい参拝の方法を行っているうちに、自然と身についていくことでしょう。
神社では「二拝二拍手一拝」が基本
- 一礼をしてから鳥居をくぐる
- 参道はできるだけ中央を避けて進む
- 手水舎で手と口を清める(※)
- 賽銭箱の前に立ったら軽く会釈し、お賽銭を入れる。鈴があれば鳴らす
- 深いお辞儀を二回する(二拝)
- 胸の高さで両手を合わせ、右手をやや手前に引き、肩幅程度に両手を広げて柏手を二回打つ(二拍手 ※出雲大社など4拍手の所もあります)
- 両手を合わせて祈願
- 深いお辞儀を一回する(一拝)
- 最後に軽く会釈して神前を退く
- 鳥居をくぐって境内を出たら最後にもう一度会釈をする
※コロナ禍により、柄杓(ひしゃく)を使わないケースも多くなっています。その場合、かけ流しになっている水で手を洗い(軽く水をかける程度)、手に水を溜めて口をすすぎ(口元を濡らすだけに留める場合もあります)、最後に再度手を洗って終了。
お寺では、心静かに「合掌」を
- 一礼してから山門をくぐる。この時、山門の敷居は踏まないように!
- 手水舎で手と口を清める(神社と同様)
- 賽銭箱の前に立ったら軽く会釈し、お賽銭を入れる。鈴や鰐口(わにぐち)があれば鳴らす。あれば線香やろうそくを供える
- 胸の前で合掌して祈願
- 軽く会釈して本堂を退く
- 山門をくぐって境内を出たら最後にもう一度会釈をする
こどもを連れて行く際、持参するとよいものは?
まず大切なのは防寒対策、トイレ対策、しっかり着込んで、マフラー、手袋、耳当ても忘れず、使い捨てカイロも上手に活用しましょう。ポットに温かい飲み物を用意したり、幼児の場合はぐずった時の対策で簡単なおもちゃやお菓子などがあると、もしも混雑していて参拝できるまで列に並ぶ時間が発生してしまった場合は助かります。
赤ちゃんの場合できればベビーカーを使いたいところですが、混雑していたり、砂利道や段差などバリアフリーではない所も多いので、抱っこ紐を使うことも検討を。ただし、体温調節がうまくできない1歳未満の乳児にとって、冬に長時間の外出は負担が大きいもの。寺社の駐車場にマイカーを停めてさくっと参拝に行けるところを探したり、時期をずらしたり、場合によっては初詣は1歳を過ぎてからにするなどの対応も必要です。
お子さまの健やかな成長や家族全員が感謝の気持とともに新しい一年を平穏無事に過ごせるよう、神仏に祈願する初詣。お正月に家族揃ってお出かけするイベントでもあります。防寒対策など準備を万端に整え、お子さまと楽しい思い出を作りに出かけましょう。