【5月下旬~6月が見頃】“菖蒲の節句”にちなみ、こどもと一緒に花菖蒲を見に行こう!
5月5日のこどもの日は「端午の節句」「菖蒲の節句」とも呼ばれます。五月人形(兜)と花菖蒲を飾り、柏餅やちまきを食べるシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実は花菖蒲が見頃を迎えるのは5月下旬~6月。GWから1か月ほど後の梅雨の時期になりますが、せっかくの機会なのでこどもを連れて見に行ってみませんか?
端午の節句になぜ菖蒲?まずは菖蒲と花菖蒲の違いをチェック
端午の節句は、季節の節目の五節句のうちのひとつで、中国から伝わった行事です。古代中国では5月は悪月とされ、けがれや厄災を払うための行事が行われていました。菖蒲は強い香りが邪気を払うと考えられ、軒に吊るしたり、菖蒲酒や菖蒲湯にしたりと活用されてきました。これが、端午の節句は菖蒲の節句とも呼ばれる所以です。
このときに使われる菖蒲は水辺に生育するサトイモ科(または最近の研究によりショウブ科ショウブ属)の多年生植物で、剣状の葉を束ねてお風呂に入れると菖蒲湯になります。花は、小さな花が集まった蒲(ガマ)のような棍棒状の花穂をつけます。
一方、花菖蒲はまったく異なる植物で、菖蒲と同じように水辺に生息しますが、こちらはアヤメ科の多年生植物。剣状の葉は菖蒲とよく似ていますが、白や紫の美しい花を咲かせる点が大きく異なります。花の形は異なるもののどちらも5~6月の初夏に開花することから、端午の節句の際には花菖蒲が飾られることもあります。
日本全国に花菖蒲園があり、初夏の開花時には多くの見物客が
花菖蒲は江戸時代中期から品種改良が行われるようになり、現在では5000種類以上の品種があると言われています。全国には花菖蒲を愛でることができる名所がたくさんあります。これらのなかには、花菖蒲のほか、同じアヤメ科アヤメ属のあやめ・カキツバタも一緒に楽しめるところが多くあります。
一面に何万本もの花菖蒲やあやめが咲き誇る景色は圧巻! 白や紫の花びらが風に揺れる感動的な美しさをその目で見れば、大人はもちろん、こどもの心にも素敵な思い出として刻まれるのではないでしょうか。ここでは、全国にある花菖蒲園のなかでも特に本数(株数※)が多く、お祭りなども開催されてこどももたっぷり楽しめるところを、地域ごとに厳選してご紹介します。
※1株3本として本数換算した数字を記載している場合もあります。
あやめ公園(北海道岩見沢市)
東京ドーム1個分ほどもある4.4ヘクタールの公園内に、168種類1万2000株の花菖蒲やあやめが開花。
- 見頃/6月下旬~7月下旬
- 7月中旬に「彩花まつり」開催。昨年はフォトコンテストなどを実施
長井あやめ公園(山形県長井市)
江戸時代中期に改良された花菖蒲の品種・江戸系よりさらに原種に近いとされる「長井古種」など、貴重な品種を含め数百種以上の花々が園内を彩る。
- 見頃/6月中旬~7月上旬
- 開花期間中に「あやめまつり」開催。週末を中心に楽しいイベントが目白押し
多賀城跡あやめ園(宮城県多賀城市)
2.1ヘクタールの敷地に、800種300万本のあやめ、カキツバタ、花菖蒲が開花。
- 見頃/6月中旬~下旬
- 上記期間中「多賀城跡あやめまつり」開催。週末は野点やこども向け体験コーナーなどを実施予定
水郷潮来あやめ園(茨城県潮来市)
常陸利根川に注ぐ前川沿いに設けられた園内には、約500種類100万株の花菖蒲やあやめが植えられている。
- 見頃/5月下旬~6月下旬
- 開花期間中「あやめまつり大会」が開催され嫁入り舟やろ舟遊覧などを実施
水郷佐原あやめパーク(千葉県香取市)
水郷の四季を体感できる水辺の花のテーマパーク。「あやめ祭り」では、約400品種150万本の花菖蒲が咲き誇り、園内水路をサッパ舟と呼ばれる小舟に乗って巡れる。昔ながらの嫁入り風景を再現する「嫁入り舟」、佐原囃子などのイベントも実施。
- 見頃/6月中旬~下旬
- 「あやめ祭り」の後は「はす祭り」(7月上旬~8月上旬)も開催される
水元公園(東京都葛飾区)
都内で唯一、水郷の景観を楽しめる都立公園で、池畔のはなしょうぶ園に約100種1万4000株の花菖蒲が咲く。
- 見頃/6月上旬~下旬
- 開花期間中、約200種6000株の花菖蒲が咲く堀切菖蒲園(葛飾区)と合同で「葛飾菖蒲まつり」実施。菖蒲まつり期間中の土・日曜日には両会場を結ぶ菖蒲めぐりバスが運行され、多彩なイベントを開催
横須賀しょうぶ園(神奈川県横須賀市)
園内の菖蒲田には、約400品種14万株の花菖蒲が開花。
- 見頃/6月上旬~下旬
- 開花期間中、「花しょうぶまつり」が開催され、昨年は毎日曜日に週替わりコンサートを実施
©水郷佐原観光協会
卯辰山公園(石川県金沢市)
卯辰山の中腹に整備された花菖蒲園には、約100種20万本の花菖蒲が咲き乱れる。
- 見頃/6月中旬~下旬
- 花菖蒲園にはアジサイ約2900株もあり、花菖蒲とアジサイどちらも鑑賞できる
県民公園頼成の森(富山県砺波市)
水生植物園に、600品種70万株の花菖蒲やカキツバタが植えられている。
- 見頃/6月上旬~中旬
- 6月中旬には「花しょうぶ祭り」開催
加茂荘花鳥園(静岡県掛川市)
伝統的な古花を保存しつつ最新の品種作出も行い、花菖蒲園では約600種50万本の花菖蒲を見学できる。
- 見頃/4月下旬~6月下旬
- 貴重な庄屋屋敷や多彩な花が栽培されている温室の見学も可能
賀茂しょうぶ園(愛知県豊橋市)
約300種3万7000株の花菖蒲が咲き乱れる。
- 見頃/5月下旬~6月中旬
- 開花時期に「花しょうぶまつり」が開催され、農産物の直売や屋台なども出て賑わう。夜にはライトアップされ、幻想的な風景を楽しめる
城北菖蒲園(大阪市旭区)
昭和39年に関西初の回遊式庭園としてオープン。花菖蒲園には約250種類1万3000株の花菖蒲が栽培されている。
- 見頃/5月下旬~6月中旬
- 同時期にはアジサイも鑑賞できる
矢野温泉公園四季の里 あやめ園(広島県府中市)
矢野温泉公園四季の里の中に設けられたあやめ園には、200種類7万本の花菖蒲やあやめが咲く。
- 見頃/6月中旬~下旬
- 開花期間中「上下あやめまつり」開催
吉香・城山花菖蒲園(山口県岩国市)
吉香公園の内堀を利用した菖蒲園で、吉香公園に隣接した吉香花菖蒲園と、徒歩数分の距離にある城山花菖蒲園の2か所を合わせて140種11万本の花菖蒲が開花。
- 見頃/6月上旬~中旬
大村公園(長崎県大村市)
大村湾を望む玖島崎の城跡に整備された公園で、桜と花菖蒲の名所として有名。花菖蒲は171種10万株(約30万本)がある。
- 見頃/5月下旬~6月上旬
- 桜が咲く3月下旬から花菖蒲の見頃が過ぎる6月中旬頃まで「おおむら花まつり」を実施
早水公園(宮崎県都城市)
あやめ園では約42万本のあやめが開花。こちらはちょうどGW中に見頃となるため、連休中に出かけてみては?
- 見頃/4月下旬~5月上旬
- 広大な園内には広場や万葉植物園、池や水路など見どころ満載
全国各地の花菖蒲(あやめ)を楽しめるスポットをご紹介しましたが、開花時期になると菖蒲まつりを開催するところも多くあります。屋台が出たり、こどもが楽しめるイベントがあったりしますので、お近くのスポットの状況を確認してぜひ出かけてみてください。