お葬式に絶対必要?
正しい数珠の使い方&マナー
お葬式や法事の際、「数珠って持っていくべき?」「どうやって使うのが正解?」と、悩んだ経験はありませんか?この記事では、数珠の種類から宗派ごとの正しい使い方、さらには知っておきたいマナーまで、数珠に関するあらゆる疑問を徹底解説します。
お葬式に数珠は必須?
数珠は本来、仏・菩薩を礼拝するときに手に懸けて使用する仏具であり、僧侶が読経の回数を数えるための仏具としても重宝されています。しかし現代では、数珠には魔除けの他、故人や仏様への敬意を示すという意味合いが強まっています。こうした背景から、参列者もマナーとして数珠を持っておき、使い方を理解しておくと安心でしょう。
数珠の種類をチェック
数珠は大きく分けて2種類あります。
略式数珠(片手数珠)

宗派を問わず使える一重の数珠です。さまざまなお葬式や法事でも使えるため、初めて数珠を購入する人や、どの宗派の葬儀に参列するかわからないこともあるので、略式数珠を一つ用意しておくのがおすすめです。
本式数珠

本式数珠は、宗派ごとに形が定められている正式な数珠で、輪を二重にして使用します。信仰する宗派が決まっている場合などに選ぶとよいでしょう。
他にも押さえておきたい数珠選びのポイント
数珠を選ぶ際には、先に述べた種類の他、以下の点も押さえておくとよいでしょう。
男性用、女性用がある
男性用と女性用では、数珠の大きさ、房の色、全体の仕立てが異なります。女性用は主玉(メインの玉)が一般的に6mmから8mm前後と小さめです。男性用は主玉が10mmから12mm前後と大きめです。ちなみに、お子様用のコンパクトな数珠もあります。
玉の素材や色
数珠の素材には特定の決まりはありません。主に木製や石製のものが多く見られます。それぞれ素材によって風合いや色味が大きく変わるため、好みで選んだり、長く使えると思えるものを選んだりするのがおすすめです。
数珠の使い方〜略式数珠の場合〜

数珠の持ち方は、数珠の種類によって異なります。略式数珠の場合、左手の親指以外の4本の指に数珠の輪を通し、そのまま合掌します
他にも、合掌した両手に数珠の輪を掛ける持ち方もあり、どちらの持ち方も正しい作法とされています。
数珠の使い方〜本式数珠の場合〜
略式数珠の持ち方はどの宗派でも同じですが、本式数珠の場合は宗派ごとに異なります。
ここでは、代表的な宗派の本式数珠の持ち方を解説します。
禅宗の数珠の持ち方

禅宗では、数珠の輪を二重にし左手に持ち、両手の親指と人差し指の間に掛けて使用します。この際、房は自然に下へ垂らすようにします。
浄土宗の数珠の持ち方

浄土宗は、主に2つの持ち方があります。一つ目の持ち方は、数珠の輪を二重にして、両手の親指と人差し指の間に掛ける方法です。
もう一つは、両手を合わせた状態で、二重にした数珠を両方の親指にのみ通すという特徴的な持ち方です。
日蓮宗の数珠の持ち方

8の字になるように広げ、両手の中指に掛けます。そして、そのまま合掌の形を取ります。
日蓮宗の本式数珠は五つの房を持つのが特徴です。この五房は、合掌した際に二本の房が右手の外側に、そして三本の房が左手の外側にくるようにします。
真言宗の数珠の持ち方

真言宗では、広げた両手の中指に数珠を掛け、そのまま合掌の形を取ります。日蓮宗のように数珠をひねることはありません。
真言宗の本式数珠には四つの房が付いており、合掌した際には、右手に二つ、左手に二つの房が垂れるように持ちます。
天台宗の数珠の持ち方

天台宗では、左手の親指と人差し指の間に数珠を掛けます。特徴的なのは、房が手の甲側ではなく手のひら側にくる点です。また、数珠の「親玉」(他の玉よりも大きく、数珠の中心となる玉)が上になるように持ちます。
そして、その状態で右手を合わせ、合掌します。
浄土真宗の数珠の持ち方

浄土真宗は、本願寺派も真宗大谷派も同じように、数珠を人差し指と親指に二重にして掛ける形を取ります。
しかし本願寺派は房を自然に下へ垂らすのが作法です。一方、真宗大谷派では、房に繋がる親玉を上の方に持ち上げます。
数珠の持ち方と焼香の手順を押さえよう

葬儀の式場内では、数珠は基本的に左手で持ち、房は下向きになるようにします。
焼香を行う際は、以下の流れで行います。
- 合掌:まずは静かに両手を合わせます。
- 喪主への一礼:故人のご遺族である喪主の方に向けて、軽く頭を下げて一礼します。
- 焼香:数珠を左手に掛けたまま、右手で焼香を行います。焼香の回数は宗派によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
- 再度合掌:焼香を終えたら、再び両手を合わせて合掌します。
- 喪主への一礼:最後に、再度喪主の方へ一礼し、仏前から下がります。
数珠のマナーで心得ておくべきこと
数珠には他にも押さえておきたいマナーがあります。チェックしていきましょう。
数珠の貸し借りはNG
数珠は「持つ人の分身」とされています。そのため、たとえ手元に数珠がなくても、人から借りて使用するのはマナー違反とされています。もし数珠がない場合は、無理に用意したり借りたりする必要はなく、数珠なしで葬儀に参列しても問題ありません。
派手なアクセサリーと一緒はNG
数珠は、お葬式や法事といった厳粛な場で使われるのが一般的です。そのため、派手なアクセサリーと一緒に身につけるのは相応しくありません。
まとめ
数珠は、宗派によって持ち方などが変わるので、いざという時に迷わないようポイントを事前に押さえておきましょう。 頭に入れておけば、落ち着いた気持ちで葬儀や法事に臨むことができるはずです。