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【6歳までの子への伝え方】
子供の性教育、みんなどうしてる?

「赤ちゃんてどうやってできるの?」など、子供に聞かれて困ったことはありませんか。子供に何を伝えたらいいか、そもそも幼児期に性教育は必要なのかなど、パパママのお悩みに答えます。実際のエピソードやおすすめの本も参考にしてください。

子供に性教育って必要なの?

性教育の本質は、「赤ちゃんはどこから来るの?」という単純な疑問に答えるだけではなく、自分や他人の体を大切にすること、命の尊さ、さらには性別による価値観や行動観の固定観念から脱却し、認め合うことの尊さを知ることです。幼い頃から「自分の体は自分のもの」「嫌なことをされたらNOと言っていい」と教えることで、子供は自分を守る力を身につけることができます。
「性の話はタブー」と思わせず、子供がいつでも安心して質問できる環境を作り、親がオープンに話すことで、子供も性に対して健全な価値観を持つことができます。

いつから性教育を始めたらいい?

「性教育=思春期」と考えがちですが、赤ちゃんの頃から少しずつ始めることが大切。おむつ替えやお風呂のときに、「大切なところだから、しっかりきれいにしようね」と伝えるなど、子供の年齢に応じて、無理なく少しずつ伝えるのが理想的です。

性教育を学ぶと何が身につくの?

性教育は生きるうえで大切な力を身につけることにつながります。ここでは、性教育が子供に与える4つの大きなメリットを紹介します。

自尊感情が育つ

性教育を通じて、子供は「自分の体は大切なもの」「自分は価値のある存在だ」と理解できるようになります。特に、幼少期から「あなたの体はあなたのもの」と教えることで、自己肯定感が高まり、自分を大切にする気持ちが育ちます。

他者を思いやる心が育つ

性教育では、「自分の体が大切なら、相手の体も大切」という考え方を学びます。例えば、無理やり触らない、相手の気持ちを尊重する、というルールを理解することで、他人を尊重する気持ちや思いやりの心が育ちます。

自分や他者の
ありのままを受け入れられる

性別の違い、体の変化、恋愛の価値観、性の多様性などを知ることで、「自分はこのままでいいんだ」と思えるようになり、同時に、他者のあり方も認められるようになります。

自分を守れるようになる

性に関する正しい知識を持つことで、子供は自分の身を守る力を身につけます。例えば、性犯罪や性的搾取(セクシャルハラスメント)の危険を知り、「嫌なことははっきり断る」「信頼できる大人に相談する」といった対応ができるようになります。

何をどう伝えたらいい?

0〜6歳の子供には、体の大切さや性別の違いをシンプルに、日常で伝えることが大切です。

プライベートゾーンのルールを教える

水着で隠れる部分はプライベートゾーンだと伝え、他人には見せない、触らせないことを教える。親がスキンシップをするときも、「くすぐるのは嫌だって言ったらやめるね」など、子供の「イヤ」の気持ちを尊重する姿勢を示す。

赤ちゃんの誕生について
シンプルに伝える

「赤ちゃんはどこから来るの?」と聞かれたら「赤ちゃんはお母さんのお腹の中で育つんだよ」「お母さんとお父さんが協力して生まれるんだよ」と説明するなど、年齢にあった言葉選びを。

性別の違いやそれによって
行動が制約されないことを教える

男女の体の違いを認めつつ、「男の子だから〇〇しなさい、女の子だから〇〇してはいけない」などと行動を決めつけず、好きなことをしていいと伝える。

実際に「性教育」って何をどう伝えた?

絵本を見せて具体的に説明

子供が幼稚園で、性器の見せ合いをしていると聞き、性に関する絵本を見せて説明することに。「おちんちんを見せてと言ってくる人や、大事なところを触ってくるのは変な人。お友達と見せ合いっこしたりしていると、触っていいんだなって変な人が寄ってくるんだよ」と話したら、それっきりしなくなりました。(yokoさん)

日常からプライベートゾーンを尊重

お風呂に入ったときなど日常的に、「水着で隠す場所は自分しか触らないし、人には見せないんだよ」と話しています。5歳になってからはおまたとおしりは自分で洗わせて、親子間でもプライベートゾーンを尊重しています。(ひまゆりママさん)

小さい頃からありのままの大切さを

息子には「男はこう、女はこう」と思ってほしくなくて、小さい頃からありのままでいいと話しています。「男の子も女の子も、泣きたいときは泣いていいんだよ。」「男の子も女の子もどんな色が好きでもいいんだよ。」「昔、男はキッチンに入るなと言われていたけど、今は自分のことは自分でできる大人がかっこいいんだよ」など。どこまで理解しているかはわかりませんが、料理や裁縫に興味を示して、手伝ってくれることも。(pattyoさん)

「性教育」に役立つ絵本

絵本なら、子供が理解しやすい言葉やイラストで自然に学べるので、親も無理なく伝えることができます。性教育の入り口としてぴったりな絵本をご紹介します!

だいじ だいじ どーこだ?

作:遠見才希子 絵:川原瑞丸
出版社:大泉書店

「プライベートゾーン(大切なところ)はどこ?」を遊びながら学べる絵本です。可愛らしいイラストとリズミカルな言葉で、「自分の体は大切なもの」ということを優しく伝えてくれる、性教育の第一歩にぴったりな絵本です。

性の絵本 みんながもってる
たからものってなーんだ?

作:たきれい 監修:高橋幸子 
出版社:KADOKAWA

「性は恥ずかしいものではなく、大切なたからもの」という視点で、子供たちに性を伝える絵本。「性=いのちのつながり」としてポジティブに描かれ、男女の体の違いや、お互いを尊重すること、赤ちゃんが生まれるしくみなどを、温かくシンプルな言葉で伝えてくれます。

うみとりくの からだのはなし

作:遠見才希子 絵:佐々木一澄 
出版社:童心社

主人公の「うみ」と「りく」が、お互いの体の違いに気づき、なぜ違うのかを考え学んでいくストーリー。「どちらの体も大切で、みんな違ってみんないい」というメッセージを届けることができます。

ピンクはおとこのこのいろ

作:ロブ パールマン 絵:イダ カバン 訳:ロバート キャンベル 
出版社:KADOKAWA

「男の子らしさ」「女の子らしさ」という固定観念にとらわれず、自分らしく生きる大切さを伝える絵本。「好きなものを自由に選んでいい」「みんな違ってみんないい」というメッセージや、性の多様性を考えるきっかけにも。

ハナはへびがすき

作・絵:蟹江 杏 出版社:福音館書店

性別による先入観や「こうあるべき」という押しつけから解放されることの大切さを、自然に伝えられる内容に。性教育は、体の話だけでなく、「自分らしく生きること」「相手の個性を尊重すること」も大切な学びのひとつ。この絵本を通じて、「好きなものを堂々と好きと言っていいんだよ」という前向きなメッセージを届けられます。

まとめ

性教育は特別なこととして教えるのではなく、子供の小さい頃からの日常の中で自然に伝えていくことが大切。おうちの方も構えすぎず、ときには絵本も活用して、お子さんと一緒に学ぶ姿勢や、オープンな雰囲気を心掛けることで、お子さんも安心して話をしたり、自分のことも他の子のことも大切にすることができるようになるはずです。

イラスト:徳丸ゆう

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