【子どもと始める!】
初めての家庭菜園ガイド
〜おすすめ野菜と一緒に楽しむコツ〜
子どもと一緒に家庭菜園を始めることは、子どもの五感を刺激して食育に繋がるのはもちろん、家での楽しい思い出を作ることができるでしょう。野菜嫌いだった子どもが食べられるようになることもあるかもしれません。今回は、家庭菜園を始めるにあたってのコツと、お子さんと一緒に育てるのにおすすめの野菜をご紹介します。
子どもといっしょに始める、家庭菜園のコツ
育てるのが難しい野菜は避ける
最初は、比較的育てやすい野菜から始めるのがおすすめです。手間がかからず、生長が目に見えやすい野菜を選ぶことで、子どもも興味を引かれるでしょう。
栽培期間が短いものを選ぶ
種まきから収穫までの期間が短い野菜なら、生長の過程が分かりやすいので子どもも飽きずに楽しめるでしょう。
子どもが好きな野菜を作る
子どもが普段よく食べている野菜を選ぶことで、水やりや観察などのお世話も積極的に行ってくれるかもしれません。収穫した野菜を一緒に調理して食べることで、「食への関心」もより高まるでしょう。
狭いスペースを有効活用する
広い庭がなくても、ベランダのプランターや日当たりの良い窓辺の小さなスペースでも家庭菜園は始められます。プランターはサイズや形状が豊富で、日当たりの良い場所に移動させることも簡単にできます。もし、庭にスペースの余裕があれば本格的な畑作りを楽しむのも良いでしょう。
家庭菜園に必要な道具と選び方

プランター
マンションやベランダなど、限られたスペースで家庭菜園を楽しむためにはプランターが必須。サイズや素材などさまざまなものが売られています。
葉物野菜(小松菜、水菜など)は、長方形プランターの深さ15cm程度の浅型でも十分に育てられます。果菜類(トマト、ナスなど)や根菜類(ダイコンやニンジンなど)は、丸型や長方形プランターのどちらも適しており、栄養素や根菜の育つスペースとの関係で深さ30cm以上のものを選ぶと良いでしょう。
素材については、、プラスチック製のものや素焼き、木製のものがあります。プラスチック製は最もオーソドックスで種類も豊富、軽量で扱いやすくて価格も手頃なので初心者におすすめです。素焼きのものは、通気性・排水性に優れていますが、乾燥しやすく重さもあります。木製のものはナチュラルな風合いが魅力ですが、値段がやや高めな傾向があります。
培養土
ホームセンターや園芸店で市販されている家庭菜園用の培養土は、初心者の方でも扱いやすいようにさまざまな栄養素がバランス良く配合されています。野菜専用の培養土も販売されているのでそれを選ぶと安心でしょう。
肥料
収穫までには数回肥料を与えて必要な栄養素を補給し、生長を促します。育てる野菜によって適切な量やタイミングは異なります。
鉢底石
鉢底石をプランターの底に敷くことで、水はけを改善し根腐れを防ぎます。
スコップ、ジョウロ
土を混ぜたり苗を植えたりする際にスコップが必要です。ジョウロは、子どもでも持ちやすいものを選ぶと水やりがしやすいでしょう。
支柱やネット
トマトやキュウリなど、背が高くなる野菜やツル性の野菜には、支柱やネットが必要です。
虫除けネット
防虫ネットを使うことで、物理的に害虫の侵入を防ぎ被害を防ぐことができます。目合いの大きさやネットのサイズはさまざまあるため、これから育てたい作物がどのような害虫に狙われやすいのか、どのくらいの株数を植えるのかなどを事前に調べて合ったものを選びましょう。
子どもと作りやすいおすすめの野菜5選

ミニトマト
丈夫で病気に強く、比較的簡単に育てられます。ある程度育ったミニトマトの苗を購入して育てると失敗しにくいです。4月中旬から5月を目安に苗を植え付け、夏の収穫を目標に栽培しましょう。
育てるときのポイント
水やりは、午前中にたっぷり水を与えましょう。植え付け後、主枝が伸びてきたら、支柱を立てて麻ひもなどで茎を結びつけて倒れないようにするのもポイントです。また、生長していくと主枝と葉の付け根からわき芽が出てくるので、その都度手で摘み取り主枝1本だけを伸ばしましょう。そうすることで栄養を実により届けることができます。
キュウリ
キュウリも生育が早く、比較的育てやすい野菜です。トマト同様、苗から育てるのが手軽でおすすめです。4月下旬から5月中旬に植え付ければ夏に収穫できます。
育てるときのポイント
キュウリ栽培にも支柱は欠かせません。植えたばかりの頃は、苗を倒さないように約30cmの仮の支柱を斜めに立てます。その後生長してきたら本支柱に変えましょう。また、キュウリはほとんどが水分でできているため、水切れを起こさないことが大切です。朝に鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与え、日中にしおれないように注意しましょう。
ナス
高温多湿の場所を好むので、日本の夏に育てやすいです。5月に植え付けたナスは、7月に一度収穫時期を迎えます。その後、8月に剪定して休ませることで、秋にもう一度収穫できるようになります。
育てるときのポイント
苗を選ぶ際には接ぎ木苗がおすすめです。接ぎ木苗とは、異なる2つの苗を繋ぎ合わせてつくる苗のことで、強く枯れにくく育つとされています。ナスは生長に合わせて仮支柱と本支柱による支えが必要です。また、乾燥に弱い性質を持つため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにしましょう。
水菜
水菜は、豊富な収穫量が魅力の野菜です。次々と収穫できるため、子どもにとっても面白く感じるかもしれません。栽培期間が長く、種まき時期として真夏と真冬を避ければ一年を通して育てることが可能です。種まきに適した時期は、春まきの4〜5月、秋まきの9〜10月です。
育てるときのポイント
水菜はアブラナ科の植物なので、害虫が発生しやすい傾向があります。特に夏場や温暖な地域で栽培する際は種まきから収穫まで防虫ネットを使用し、害虫の侵入を防ぐと良いでしょう。また、プランター栽培の場合は背丈が20cmほどになったら収穫の時期です。株元を残して葉の部分だけをハサミで丁寧に切り取ることで、数回にわたり収穫を楽しむことができます。
リーフレタス
リーフレタスは春と秋に植え付けを行って収穫できます。いずれも栽培期間は種から栽培した場合は2ヶ月ほど、苗から栽培した場合であれば1ヶ月ほどと、短期間で生長してくれるのが特徴です。
育てるときのポイント
アブラムシやヨトウムシなどの害虫が発生することもあるので防虫ネットを活用するのがおすすめです。また、リーフレタスを長く楽しむためには、「かき採り(摘み取り)」という収穫方法がおすすめです。外側の葉から順に摘み取っていくことで、株の中心にある葉は生長を続け長期間にわたって収穫できます。ただし、葉が大きく育ちすぎると苦味が強くなることがあるので、種まきからおよそ3ヶ月葉の長さが25cm程度になったら株ごと収穫するのも良いでしょう。
イチゴ
イチゴの植え付けには春植えと秋植えの二つの方法があります。春植えは、植え付けから収穫までの期間がわずか2~3カ月と短く、手軽に収穫できるので子どもと一緒に育てるならおすすめです。一方、秋植えは植え付けから収穫まで約半年と時間をかけて育てます。そのため、株が大きく育ちたくさんの実を収穫できるのが特徴です。
育てるときのポイント
気をつけたいのが梅雨時期のナメクジの発生です。雨が多くなると活動が活発になるため、見つけ次第対策を行いましょう。また、乾燥する時期にはハダニ、風通しの悪い環境ではアブラムシが発生することもありますので、日頃から注意深く観察することが大切です。
子どもと一緒に楽しむポイント

一緒に計画立てをする
絵本を見たり図鑑で調べたりしながら、育てたい野菜を一緒に決めましょう。種から育てるのか、手軽な苗から始めるのかも子どもの意見を聞きながら決めるのも良いでしょう。
役割分担をする
計画が決まったら、苗植え、水やり、施肥、草とり、収穫など、子どもができる範囲で役割を与えてみましょう。自分の仕事を持つことで育てている野菜への愛着が深まり、責任感が育まれます。最初はわからないとか上手にできなくても、一緒に教えながら進めていくことが大切です。
観察日記をつける
野菜の生長を記録する、観察日記をつけるのもおすすめです。日記を見返すことで、野菜がどのように生長してきたかを振り返ることができ、達成感や発見に繋がります。
収穫パーティーをする
ついに収穫の時を迎えたら、収穫した野菜を使って料理を作り、収穫パーティーを開きましょう。自分たちで育てた野菜の味は格別です。サラダにしたり簡単な炒め物にしたりと、子どもと一緒に調理することで食への関心も高まりそうです。
まとめ
野菜作りを通じた土いじりの楽しさ、水やりなどの日々の作業、そして収穫の喜びは、家族の素敵な思い出になるはずです。今回の記事を参考に、子どもと一緒に楽しい家庭菜園ライフを始めてみてくださいね。きっと、豊かな時間が待っているでしょう。