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酉の市の由来&楽しみ方

冬の足音が聞こえ始める11月。そんな時期に、商売繁盛や開運招福を願う人々で賑わうのが「酉の市」です。色とりどりの熊手が所狭しと並ぶ境内は、活気に満ち溢れていますよね。この記事では、酉の市の由来や、熊手が販売されている理由、その楽しみ方、そして全国各地で開催される酉の市の中からおすすめの神社まで詳しくご紹介します。

酉の市とは?

酉の市とは、鷲や鳥にゆかりがある寺社で毎年11月に行われる行事のことをいいます。今年1年の無事の報告と、来る年の幸福を祈願するためのお祭りとして、江戸時代から続く伝統的な行事で、特に関東で盛んに行われています。
酉の市といえば、忘れてはいけないのが熊手。福をかき集める縁起物として、大小さまざまな熊手が売られています。お気に入りの熊手を手に入れて、来年の幸運を祈願しましょう!
熊手の他にも、開運招福の縁起物の置物や、お祭りならではの美味しい食べ物もたくさん。活気あふれる露店を眺め、味わいながら、酉の市ならではの雰囲気を楽しむことができます。
2024年11月は酉の日が3回あるため、11月5日(火)、17日(日)、29日(金)の3日間、酉の市が開催されます。

酉の市の由来

酉の市の由来には諸説あると言われています。有力な説の1つに、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)にまつわるものがあります。東夷征討から凱旋した日本武尊が、11月の酉の日に松の木に武具の熊手をかけてお礼のお祭りを行い、熊手を縁起物とするようになったといわれています。
また、仏教に由来するという説もあります。 鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)の開帳日に市が立つようになったことが起源ともいわれています。

熊手が縁起物として売られている理由

熊手とは、酉の市で授かる縁起物の代表格であり、竹や稲穂などを束ねて作られた、先端に熊の手のような飾りがついた道具です。その形状が福をかき集める様子や、鷲が獲物を掴み取る姿に似ていることから、「福を掴んで離さない」「幸運をかき集める」といった願いが込められています。酉の市では、大小さまざまな熊手がずらりと並び、それぞれに縁起物を飾り付けて豪華に仕上げられています。大判小判、米俵、鯛、宝船など、さまざまな縁起物は「指物(さしもの)」と呼ばれ、商売繁盛や家内安全、開運招福など、人々の願いが込められています。

熊手の買い方や飾る場所

酉の市での熊手の買い方には独特のルールがあるので詳しく見ていきましょう。

  1. 予算を決め、いろいろな熊手屋を見てみる
    予算は、1,000円ぐらいの豆熊手もありますが、10,000~50,000円が多いです。境内にはたくさんの熊手屋さんがあり、デザインもそれぞれ。じっくりと見て回り、一番気に入った熊手を見つけてください。
  2. 初めての人は小さいサイズから買う
    熊手は、毎年少しずつ大きなものに買い替えていくことで、年ごとにより多くの福を呼び込むことができると言われています。初めての方は、小さめの熊手から始めるのがおすすめです。
  3. 購入するときは、熊手商との値切り交渉を楽しもう
    買いたいと思った熊手が見つかったら、熊手屋さんとの値引き交渉の​やりとりを​楽しみ、​お金を​払う際は、​値引きしてくれた​金額を​店への​ご祝儀と​して​置いて帰るのが粋だとされています。
  4. 持ち帰る際は高く掲げて
    購入した熊手は、福をかき集めるように高く掲げて持ち帰りましょう。
  5. 玄関などに飾る
    熊手を飾る場所は、玄関などの人の出入りが多い場所がおすすめです。神棚に飾ったり、天井下に吊るしたりする方法もあります。

酉の市が開催されるおすすめの神社をご紹介

浅草鷲(おおとり)神社/東京都台東区

鷲神社は天日鷲命(あめのひわしのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りし、酉の市発祥の神社で、関東三大酉の市の一つです。酉の市の日は、午前0時の一番太鼓が鳴ると同時に神社より授与する熊手御守を最初に求められた方に24金・純金小判根付けと交換できる一番札が授けられる催しも行われます。また、鷲の面を被り、舞い手が右手に三種の神器を形どった鈴、左手におかめの付いた熊手を持って勇壮に舞い、参拝者の邪気払いを行う鷲舞ひも披露されます。

DATA

浅草鷲(おおとり)神社
https://otorisama.or.jp/

花園神社/東京都新宿区

花園神社は、徳川家康の江戸開府以前から新宿の総鎮守として重要な位置を占めていた神社です。境内には「芸能浅間神社」「威徳稲荷神社」などの末社があり、縁結びや厄除け、出世、芸能などのご利益があるとされています。関東三大酉の市の一つで、熊手の露店商や屋台が境内に並び、毎年多くの人が訪れます。

DATA

府中大國魂(おおくにたま)神社/東京都府中市

大國魂神社は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を武蔵国の守り神としてお祀りした神社です。この大神は、出雲の大国主神と御同神で、大昔に武蔵国を開かれて、人々に衣食住の道を教えられ、医療法やまじないの術も授けられた神様で、縁結び、厄除け・厄払いの神として著名な神様です。境内の大鷲神社の例祭日に行われる酉の市は、熊手商・露天商が境内に立ち並び、授与品の熊手も配布されます。また、大鷲神社の御札も当日に限り頒布されます。

DATA

府中大國魂神社
https://www.ookunitamajinja.or.jp/

稲園山 七寺(とうえんざんななつでら)/愛知県名古屋市

1280年の歴史を持つ大須にある稲園山七寺。平安時代より幾多の災難を乗り越えた本尊の聖観音菩薩、大勢至菩薩は国の重要文化財に指定されています。七寺で11月に開かれる「大須酉の市」では奉納された行燈が境内を灯し大須酉の市の為に特別に作られた開運熊手を弘法大師より伝えられた真言密教の修法で祈祷を勤め、1本1本御加持してくれます。

まとめ

酉の市では、屋台なども楽しめるので楽しい思い出になるはずです。あなたもご家族や友人と酉の市に訪れて、商売繁盛や家内安全、健康、合格祈願など、さまざまな願いの運気を鷲掴みしてはいかがですか。

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