【意味・由来・過ごし方】
灯籠流しと精霊流しの違いとは?
「灯籠流し(とうろうながし)」と「精霊流し(しょうろうながし)」。どちらもお盆の終わりの伝統的な行事ですが、「具体的にどんな意味があるの?」「この2つにはどんな違いがあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、お盆をより深く理解して過ごすために、灯籠流しと精霊流しのそれぞれの意味や違いについてご紹介します。
灯籠流しとは?
意味や起源を紹介

夏になると全国各地で行われる灯籠流し。灯籠の中にろうそくなどの火を灯し、水面へとそっと流す姿は夏の風物詩としても知られる幻想的な風景です。
日本では古くから、「川の下流」や「海の彼方」にあの世があると信じられてきました。お盆の始まりに先祖の霊を迎える「迎え火」を焚き、お盆の終わりに再びあの世へと送り出す「送り火」を焚く風習がありますが、灯籠流しはこの「送り火」と同じような願いが込められた行事です。
灯籠の明かりには、「あの世へ帰るご先祖様が道に迷わないように」という道しるべの意味があります。そして、先祖の霊が安らかに帰っていけるようにという祈りが込められているのです。
灯籠の形と意味

近年では環境への配慮から、流した灯籠は主催者が回収するのが一般的で、供養の後は主催者が適切に処理します。また、火災の心配がないLEDを用いた灯籠も増えており、現代のライフスタイルに合わせながら伝統の精神が受け継がれています。
灯籠流しに実際に参加するには?
地域によって異なりますが、新暦の7月または8月のお盆(15日前後)、旧暦の送り火に合わせて行われ、一般の参加者を受け付けているところも多くあります。
灯籠流しへの参加方法は地域によって異なりますが、主催者が用意した灯籠を購入し、参加する方法が多いようです。事前申し込みの場合もあるので、参加する前に確認するとよいでしょう。
購入した灯籠には、「〇〇家先祖代々供養」といった供養の言葉だけでなく、「これまでありがとう」という感謝のメッセージ、あるいは家族の願い事や平和への願いなどを書く人も最近は増えています。
その後、係員の誘導で指定の場所から灯籠を流します。会場によっては納めた灯籠をスタッフがまとめて流したり、花火大会やイベントなどが併催されたり、式の流れや規模、内容もさまざまです。自分にあった会場や場所を選んで参加しましょう。
そして灯籠流しとは本来、故人や先祖を供養する行事です。賑やかなイベントであっても追悼の気持ちを忘れないことが大切です。
精霊流しとは?
意味や起源を紹介。

精霊流しは、長崎県を中心に九州の一部地域に伝わるお盆の伝統行事です。お盆に迎えた故人を再び送り出す、という点は灯籠流しと似ていますが、その光景は大きく異なります。
小さな灯籠を作り、川や海に浮かべて送る灯籠流しに対し、精霊流しではその年に初盆を迎えた故人の霊を送り出すために、家族が「精霊船(しょうろうぶね)」と呼ばれる船型の祭具を造ります。その精霊船を、家族や地域の人々が街中を曳きながら故人の霊を見送ります。
そしてその曳き歩く間、爆竹が鳴らされるのが特徴です。一見すると賑やかなお祭りのようですが、この爆竹には中国の文化から影響を受けた魔よけなどの意味があるとされ、故人の霊が通る道を清め、無事に送り出す願いが込められていると伝えられているのです。
精霊流しに用いる「精霊船」とは

精霊船は木や竹、藁などを使って作られ、家紋や提灯で華やかに飾り付けられます。故人の人生を表現するという役割もあることから、趣味や人柄が反映された装飾が施され、それぞれの家族の想いが込められています。
精霊船には、各家庭で造られる「個人船」の他、町内会などが合同で供養を行うために造る「もやい船」があります。船の大きさもさまざまで、数十センチメートルの小ぶりなものから、全長10メートル以上のものまでみられます。
精霊流しの当日の流れと観覧のマナー

毎年8月15日の夕方、日が傾き始める頃から、街のあちこちで「チャンコン、チャンコン」という鉦の音と、爆竹を鳴らす音が聞こえ始めます。夜が更けるにつれて、大通りは、故人への想いを込めたさまざまな装飾を施した船が、家族や親族、ゆかりの人たちに曳かれながら集まってきます。沿道には故人を見送る人のほか、見物人や観光客などたくさんの人々で埋め尽くされます。
最後に、精霊船は「流し場」と呼ばれる場所へと運ばれます。かつては川や海に流すなどして霊を送り出す地域もありましたが、現在では環境保全や安全面への配慮から、所定の場所で供養した後に回収する形が主流となっています。
精霊流しは、爆竹の音や趣向を凝らした精霊船が印象的な賑やかな行事ですが、故人を偲び、初盆の霊を送り出すための大切な供養行事です。見物や参加の際は、ご遺族や地域の人たちの想いを尊重し、節度をもって見守りましょう。
まとめ
幻想的な「灯籠流し」、賑やかに魂を送り出す「精霊流し」。一見すると対極にあるような二つの行事ですが、形は違えどその根底にあるのは大切な人を想う心です。もし参加される場合は、そこに込められた意味や人々の祈りに想いを馳せてみてくださいね。






