【2023年】5月のお祭りリストアップ!
日本各地には数えきれないほど多くのお祭りがあります。それは神事や仏事にまつわるものだったり、稲作や豊漁に関連するものだったりしますが、いずれも地元の人々に古くから親しまれてきた地域色豊かなお祭りです。
そんな全国のお祭りのなかから、5月に行われるお祭りを選りすぐってご紹介します。いずれも規模が大きく、一度は見てみたいと思うような、わざわざ足を運ぶ価値大のお祭りばかり。GW中や週末に開催されるものを中心に厳選しましたので、お祭り目当ての旅を計画してみてはいかがでしょうか。(2023年3月31日時点)
(Top Photo:沖縄県那覇市提供)
東北地方
【5月3日(水・祝)】
山戸能・山五十川歌舞伎/山形県鶴岡市
山五十川地区に古くから伝わるふたつの民俗芸能「山戸能」と「山五十川歌舞伎」。いずれも五穀豊穣や安全を願う祭礼の奉納で、県指定無形民俗文化財に指定されています。春の祭典は毎年5月3日に、秋の祭典は11月23日に行われ、春秋とも「山戸能」と「山五十川歌舞伎」の両方が奉納されます。
【5月19日(金)~21日(日)】
酒田まつり/山形県酒田市
酒田の鎮守神・上日枝神社と下日枝神社の例大祭「山王祭」として、1609年に始まった歴史ある祭り。毎年5月19~21日の3日間開催されます。見どころは20日本祭りの山車行列。胴体が10mもある巨大な獅子が圧巻です。19日夜には宵祭りも開催され、祭囃子が響くなかを山鉾が巡行する様子が幻想的です。
【5月20日(土)】
ながい黒獅子まつり/山形県長井市
約1000年の歴史をもつといわれる伝統神事。市内40数社の神社に黒獅子舞が伝承されていて、各神社の例祭では黒獅子が氏子の家を訪ねて祓い清めます。毎年5月下旬(2023年は5月20日)に行われる「ながい黒獅子まつり」では、神社数社が一同に会し、勇壮な獅子の舞いを見物できます。
【5月20日(土)~21日(日)】
仙台・青葉まつり/宮城県仙台市
街中のケヤキ並木が新緑に覆われ、杜の都・仙台がもっとも美しい5月の第3土・日曜日に開催。土曜日には宵祭りが行われ、仙台城を完成させた石工たちが酒に酔って踊ったという「仙台すずめ踊り」で盛り上がります。夜には、堤灯に浮かび上がる仙台山鉾が幻想的。日曜日の「本まつり」では、仙台藩の活気と華やかさが現代に蘇る「時代絵巻巡行」のほか、伊達藩ゆかりのグルメや物産を集めた出店も軒を連ね、楽しみ満載です。
関東地方
【4月30日(日)~5月6日(土)】
くらやみ祭/東京都府中市
111年に創建という長い歴史を持つ大國魂神社の例大祭。毎年4月30日の品川海上禊祓式で始まり、3日の競馬式、4日の萬燈大会やこども神輿など見どころ満載。5日の夕方からはメインの神輿渡御が始まり、6日の早朝に神輿が境内に戻って鎮座祭が行われて終了となります。
【5月11日(木)~17日(水)】
神田祭/東京都千代田区
徳川幕府の篤い崇敬のもと江戸総鎮守となった神田神社の祭礼で、「神田明神祭」とも呼ばれます。奇数年に本祭、偶数年に蔭祭が行われますが、一般的に神田祭と言えば奇数年の5月中旬に6日間開催される賑やかな本祭のこと。2023年は5月11日の鳳輦神輿遷座祭に始まり、5月13日に神幸祭、14日に神輿宮入、16日は表千家家元奉仕献茶式と明神能、5月17日に例大祭で幕を閉じます。特に、平安時代の衣装をまとった大行列が日本橋界隈を巡行する「神幸祭」や、多くの神輿が神田明神へ向かう「神輿宮入」が見もの。
【5月19日(金)~21日(日)】
三社祭/東京都台東区
5月第3土曜日を挟んだ3日間開催される浅草神社の祭り。東京の初夏を代表する風物詩として、3日間で約180万人の人出を数えます。金曜日にはお囃子屋台や浅草の各舞、芸妓連の手古舞などで編成された「大行列」でスタート。2日目は「例大祭式典」のあと、100を超える神輿が神社に集結してお祓いを受け、町内を渡御します。最終日には宮神輿3基が渡御。
中部地方
【5月1日(月)】
高岡御車山祭/富山県高岡市
毎年5月1日に開催される高岡関野神社の春季例大祭。1588年に豊臣秀吉が使用した御所車を前田利家が拝領し、二代目利長が高岡城築城の際に町民に与えたのが始まり。現在は「高岡御車山祭の御車山行事」として国の重要有形・無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。工芸技術の装飾が施された華やかな7基の御車山が街を巡行する様は圧巻。4月30日には宵祭・ライトアップも実施。
【5月1日(月)~2日(火)】
福野夜高祭/富山県南砺市
福野神明社の春季祭礼として、毎年5月1・2日に夜高祭、3日に本祭の曳山が行われます。夜高祭は「宵祭り」とも呼ばれ、高さ6.5mもの大行燈が威勢のいい掛け声とともに町内を練り廻されます。祭りのメインイベントは2日深夜に行われる「引合い」で、7基の大行燈が狭い通りをすれ違う際に壊しあい、盛り上がりは最高潮に。
【5月3日(水・祝)~4日(木・祝)】
亀崎潮干祭/愛知県半田市
知多半島の付け根、三河湾の最奥に位置する小さな町・亀崎で、毎年5月3・4日に開催される山車祭り。神前(かみさき)神社の祭礼として300年以上の歴史を持ち、国重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。5輌の山車を、多くの男衆が威勢よく干潮の海浜まで曳き下ろすシーンが迫力満点。
【5月3日(水・祝)~5日(金・祝)】
青柏祭/石川県七尾市
大地主神社(通称・山王神社)の春の例大祭で、神饌を青い柏の葉に持って供えることからこの名が付いたそう。「でか山」と呼ばれる高さ12m、重さ20t、車輪直径2mの曳山3基が、狭い町中を曳き廻される様は圧巻です。
【5月3日(水・祝)~5日(金・祝)】
浜松まつり/静岡県浜松市
初子の誕生祝いやこどもの健やかな成長を願って、毎年5月3~5日に行われる祭り。起源は永禄年間(1558~1569年)までさかのぼり、当時の城主が長男誕生を祝って高々と凧を揚げたことからきているそう。昼は活気に満ちた凧揚げ合戦や初凧などが行われ、夜には美しく装飾された御殿屋台の引き回しが行われます。
【5月4日(木・祝)~6日(土)】
富士山本宮浅間大社流鏑馬祭/静岡県富士宮市
源頼朝が浅間大社に流鏑馬を奉納したことに始まる伝統の神事で、毎年5月5日の流鏑馬の奉納のほか、その前後日にもさまざまな儀式が行われます。5日正午には総勢100名ほどが鎌倉時代の武者などに扮して市内を練り歩き、15時頃から浅間大社の桜の馬場にて流鏑馬の奉納が行われます。疾走する馬上から的を射抜く姿は圧巻です。
【5月12日(金)~14日(日)】
お旅まつり/石川県小松市
例年5月中旬の金~日曜日に開催される莵橋神社と本折日吉神社の春季祭礼。神輿が町内を練り歩くことを「旅する」と言ったことが祭りの名前の由来だそう。「曳山子供歌舞伎」が有名で、猛練習を積んだこどもたちの大人顔向けの本格的な演技が話題です。夜には、ライトアップされた曳山が勢揃いする「曳山曳揃え」が圧巻!
【5月13日(土)~14日(日)】
大垣まつり/岐阜県大垣市
毎年、5月15日より前の一番近い土・日曜日に開催される八幡神社の祭礼。国重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。土曜日に全13両の軕がそれぞれ八幡神社に奉芸を行ってから城下町を巡行。夜宮では、軕の提灯に明かりが灯され、幻想的な雰囲気に。日曜日には13両軕が揃って城下町を巡行する本楽が行われます。
【5月15日(月)~21日(日)】
三国祭/福井県坂井市
福井県指定無形民俗文化財であり、北陸三大祭のひとつと言われる三國神社の神事。毎年5月15日の宮開きに始まり、21日の後日祭までおこなれます。最大の見どころは20日の中日祭で行われる山車神輿の巡行。山車屋台に大きな武者人形がのっているのが特徴で、その高さは6.5mもあり、お囃子に合わせて巡行するその姿は圧巻です。
【5月19日(金)~21日(日)】
黒船祭/静岡県下田市
ペリー提督の黒船来航と、その後の下田開港を記念して1934年から始まった祭り。毎年5月の第3金~日曜日に開催され、海上自衛隊や米海軍の音楽隊が出演するパレードや下田調印条約の再現劇、下田港海上花火大会などのイベントが目白押しで、20万人近い人出で大賑わい。街には時代衣装に着替えて散策する人の姿も多く、大道芸や路上ライブ、食べ歩きグルメなどの楽しみもあります。
【5月28日(日)】
佐渡國鬼太鼓どっとこむ/新潟県佐渡市
毎年5月第4日曜日に開催される伝統芸能のお祭り。両津港近くのおんでこドーム(みなと中央公園)に、佐渡おけさや鬼太鼓など郷土芸能の団体約25組が参加しパフォーマンスを披露します。特産品を味わえる屋台も数多く出店し、1万人を超える観客で賑わいます。
近畿地方
【5月3日(水・祝)】
鍋冠祭/滋賀県米原市
毎年5月3日に筑摩神社で行われる祭り。「宇治のあがた祭」「越中鳥坂の尻叩き祭」とともに日本三大奇祭として知られています。数え年で8つの少女が狩衣姿に張子の鍋をかぶって渡御し、本殿に参進。起源については諸説あり、一説には食物の神である筑摩神社の祭神に穀物などを鍋に入れて献じたことからとも言われています。
【5月5日(金・祝)~14日(日)】
今宮祭/京都府京都市
平安の都の「紫野御霊会」につながる祭礼であり、その後、西陣の氏子祭りとして発展。毎年5月5日には3基の神輿を中心に約800名の行列が本社から御旅所へ巡幸する「神幸祭」が行われます。毎年5月15日に近い日曜日(2023年は5月14日)には「還幸祭」が行われ、神輿が御旅所から本社へ還御します。御旅所では祭礼期間中の1日間に限り「湯立祭」が行われ、神楽女が熱湯に笹束を浸して振り回す際の湯しぶきを浴びて無病息災を祈ります。
【5月13日(土)~14日(日)】
三井寺千団子祭/滋賀県大津市
琵琶湖南西の長等山中腹にある三井寺(正式には長等山園城寺)の祭礼。毎年5月中旬の土・日曜日に開催され、秘仏であるご本尊の鬼子母神の扉が開かれ、1000個の団子が供えられます。これは千人の子の供養を意味。鬼子母神はこどもや安産の神として知られるので、この機会にぜひ参拝してみては。
【5月14日(日)】
和歌祭/和歌山県和歌山市
徳川家康を祀る紀州東照宮の大祭で、毎年5月第2週日曜日に開催されています。2022年には和歌祭四百年式年大祭が行われた長い歴史を誇るこちらの祭りの見どころは、東照宮の108段の石段を大勢が神輿を担いで降ろす「神輿おろし」。その後、時代絵巻のごとく雅な渡御行列が行われ、ところどころでさまざまな芸が披露されます。
【5月21日(日)】
石山寺青鬼まつり/滋賀県大津市
学問の寺・石山寺の中興の祖である朗澄律師の遺徳を讃える祭りで、毎年5月の第3日曜日に開催されます。朗澄律師が死後、青鬼となり民衆に降魔招福を誓ったという伝説にちなみ、複数の青鬼が現れます。東大門前では杉の葉で作られた高さ5mの青鬼の像が出迎え、青鬼太鼓や青鬼踊りの奉納が行われます。
【5月28日(日)】
神戸まつり/兵庫県神戸市
毎年5月の第3日曜日を中心(2023年は5月28日)に行われる市民祭りで、2023年には記念すべき第50回を迎えます。フラワーロードでのパレードやステージでのパフォーマンス、スポーツ体験イベントなど、さまざまな催しが行われます。サンバのパレードもあって、沿道の見物客も大盛り上がり。地元グルメや物産などが並ぶマーケットも楽しみのひとつです。
中国地方
【5月3日(水・祝)】
しものせき海峡まつり/山口県下関市
毎年5月2~4日に開催される盛大な祭りですが、まだ新型コロナウイルスの影響が残り、2023年は5月3日のみ実施。打掛けに太鼓帯の衣裳を身にまとった太夫が赤間神宮に参拝する「先帝祭」、多くの市民が参加して海峡沿いを練り歩く「八丁浜総踊り」、甲冑姿の武者と艶やかな官女が源氏と平家に別れて市内を行進する「源平武者行列」、源平もちまきやグルメ屋台村、ふく鍋&ふく唐揚げの販売などがある「源平まつり」などが行われます。
四国地方
【5月3日(水・祝)】
吉良川の御田祭/高知県室戸市
奇数年の5月3日に、御田八幡宮へ奉納される行事。拝殿を舞台に、田打ちから収穫までの田楽能が演じられ、田植、酒しぼり、田刈、小林、魚釣り、地堅めなどの演目があります。酒しぼりでは杜氏婆が産んだ神の子の木偶を子宝に恵まれない女性が奪いあうことから、子授け信仰としても知られています。国の重要無形民俗文化財にも指定。
【5月3日(水・祝)~4日(木・祝)】
北条鹿島まつり/愛媛県松山市
鹿島神社の春の例祭として、毎年5月3・4日に開催。強大な海上戦力を誇っていた河野水軍の戦勝祈願や祝勝奉賛が由来とされる「櫂練踊り」(県無形民俗文化財)が見ものです。海の男たちの勇壮な海上絵巻を見学できます。新型コロナの影響で見学がかなわなかった北条沖の夫婦岩の「大注連縄の張替え」も、再開したらぜひ見てみたいものです(2023年3月時点では再開未定)。
九州・沖縄地方
【4月29日(土・祝)~5月5日(金・祝)】
有田陶器市/佐賀県有田町
毎年4月29日~5月5日開催される日本有数の陶器市。期間中は町内一円に渡って店が並び、全国から約120万人が訪れます。特に、有田駅前から続く有田駅前やきもの散歩道はこの期間中「ちゃわん王国」と名前を変え大賑わい。タイムセールや福袋などお得度も満載です。
【5月3日(水・祝)~4日(木・祝)】
博多どんたく港まつり/福岡県福岡市
1179年に始まった伝統的な民俗行事「博多松囃子」が起源。毎年5月3・4日に多くの老若男女が思い思いの衣装に身を包み、しゃもじを叩いて練り歩きます。町中でパレードや舞台でのパフォーマンスが行われ、まさにお祭り騒ぎ。今では、日本全国から200万人以上が訪れる日本有数の祭りとして知られています。
【5月3日(水・祝)~5日(金・祝)】
那覇ハーリー/沖縄県那覇市
ハーリーはもともと、航海安全や豊漁を祈願し、サバニと呼ばれる伝統的な漁船で競漕する行事です。古くは琉球王国の国家的行事として栄えましたが、琉球王国がなくなると同時に廃止されていました。戦後になって沖縄各地で復活し、なかでも毎年5月3~5日に開催される那覇ハーリーは県下最大規模を誇り、観光客にも人気のお祭りとして定着しています。那覇では、小さなサバニではなく、大型の爬龍船が使用され、迫力満点です。
【5月20日(土)~21日(日)】
川渡り神幸祭/福岡県田川市
毎年5月の第3土・日曜日に開催される風治八幡宮の神事。起源は永禄年間(1558年~1570年)、村に流行した疫病の終息のお礼に奉納したのが始まりと言われています。巨大な2基の神輿と、稲穂を模したと言われるカラフルなバレンに彩られた11台の山笠が彦山川の川瀬を練り渡る様子が迫力満点です。
5月はGWを中心に、全国でお祭りが目白押し。5月5日前後にはこどもにまつわる楽しいお祭りもあるので、家族でお出かけしてみませんか?