「なにを用意すればいい?」
「お祝い金のお返しはすべき?」
初節句の準備&お祝いのマナー
完全ガイド
赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句、初節句。我が子の健やかな成長を願う、特別な一日を素敵な思い出にしたいですよね。赤ちゃんの晴れ姿を一目見ようと、祖父母も集まり、お祝いをするケースも多いのではないでしょうか。しかし、いざ初節句を迎えようとなると、「そもそも初節句とはどんな行事?」「お祝いの仕方は?」「内祝いはどうすればいいの?」など、疑問に思うことも多いはず。
そこでこの記事では、初節句の由来から、お祝いの準備、内祝いまで、初節句に関するあらゆる情報をわかりやすくまとめました。
初節句とは?由来と意味をご紹介

初節句とは、赤ちゃんが生まれてから初めて迎える節句のことをいいます。赤ちゃんが健やかに成長することを願い、厄除けや無病息災を祈願する行事で、女の子は3月3日の「桃の節句」、男の子は5月5日の「端午の節句」を初節句としてお祝いします。
地域によっては旧暦でお祝いするケースもあります。旧暦で祝う場合、今年の桃の節句は3月31日、端午の節句は5月31日になります。
また、初節句の直前に赤ちゃんが生まれた場合は安静が必要な時期なので、生後一ヶ月以内であれば翌年に初節句を祝うことも多いようです。赤ちゃんもお母さんも、無理のない範囲で、穏やかに初節句を迎えましょう。
女の子の節句
「桃の節句」「ひな祭り」とは?
由来や意味を紹介。

桃の節句は、可愛らしい雛人形を飾り、ちらし寿司や白酒、菱餅などをいただいてお祝いをする華やかな行事です。この節句の由来は、古代中国の「上巳節(じょうしせつ)」にあります。3月最初の巳の日を忌むべき日として、川に入って身を清め、穢れを祓う風習がありました。この上巳節が平安時代に日本に伝わり、日本の風習である人形(ひとがた)流しと呼ばれる厄払いの風習と結びついたと言われています。そして、貴族の女の子の間で行われていた人形遊び「ひいな遊び」と合わさり、現在のひな祭りの原型ができたと考えられています。
桃の節句は、もともとは老若男女問わずお祝いされていた行事でした。しかし、端午の節句が男の子の節句として定着してきたことで、桃の節句は女の子のお祭りとして広まりました。
「桃の節句」「ひな祭り」で準備するもの

・雛人形
ひな祭りのアイテムの主役といえば雛人形。女雛(お姫様)と男雛(お殿様)だけのシンプルなものから、三人官女や五人囃子などを揃えた豪華な三段飾り、五段飾りまで、さまざまな種類があります。設置場所や収納スペースに合わせてサイズを選びましょう。
ちなみに、雛人形を飾る時期は、立春から2月半ば頃までと言われています。ただし、昔から「一夜飾りは縁起が悪い」という言い伝えがあるので、前日に慌てて飾るのは避けまししょう。また、節句のあとはなるべく早く片付けないと縁遠くなると言われています。
・桃の花
桃の花は、ただ美しいだけでなく、古くから縁起の良い植物として扱われていました。魔除けや厄除け、長寿をもたらす力があると言われています。
・ちらし寿司
ひな祭りの定番料理といえば、色鮮やかなちらし寿司。実は、ちらし寿司に使われる具材には縁起の良い意味が込められています。長寿を願うエビや、将来の見通しが良くなることを願うレンコン、財宝が貯まることを願う錦糸卵など、縁起を担いだ具材がたっぷり入っています。
・はまぐりのお吸い物
はまぐりの貝殻は、対になっている貝殻でなければぴったりと合わないことから、良縁を願う縁起物としてお吸い物などにして食べられます。
・菱餅
ピンク、白、緑の三色で構成されたひし形のお餅。ピンクは花の色で魔除けや長寿、白は雪で清浄や子孫繁栄、緑は草木で厄除けなどの意味が込められています。
・ひなあられ
ピンク、緑、黄、白の4色で彩られたひなあられは、それぞれ春夏秋冬を表していると言われています。一年を通して健やかに成長してほしい、そんな願いが込められています。
・白酒
とろみのある口当たりと甘味の強い味わいが特徴で、健康を願って飲みます。ひな祭り用に子どもでも飲めるノンアルコールも売られています。
男の子の節句「端午の節句」とは

端午の節句では、厄除けをし、男の子の成長を祝い健康と立身出世を祈願します。鎧や兜、五月人形を飾ったり、鯉のぼりを掲げたりすることが一般的。別名「菖蒲の節句」とも呼ばれ、菖蒲湯に入る風習もあります。
端午の節句は、中国の春秋戦国時代に、国王の側近で人望が厚かった屈原(くつげん)を供養するために5月5日を祭りの日としたことや、5月を物忌みの月とし、5が重なる5月5日を特別の日と考えて、邪気を祓うために菖蒲を飾る習慣があったことなどがルーツになります。
「端午の節句」で準備するもの

・五月人形
五月人形は男の子の成長と厄除けを祈願して飾られる人形の総称で、代表的なものとして、鎧飾り、兜飾り、武者人形があります。
鎧飾りは、甲冑を飾る豪華なスタイルで、「全身を守る」という意味を持ちます。兜飾りは、甲冑の兜の部分だけの飾りです。和紙でできた小さなものから布等でできた大きなものまでさまざまな兜飾りが売られています。五月人形は、金太郎や弁慶などの有名な武者や、歴史上の英雄をモチーフにしたものが多いです。
・鯉のぼり
鯉のぼりは中国の故事「登竜門」に由来します。「竜門」と呼ばれる滝の名前で、普通の魚は登ることができませんでしたが、鯉だけが勇敢に滝を登り切ったという伝説があります。また、日本でも「鯉の滝登り」として知られる民話と深く関わっています。立身出世や健康、厄除けを願って飾られます。
最近では、庭やベランダに鯉のぼりを飾ることが難しい家庭も増えており、さまざまな室内用の鯉のぼりも売られています。
・柏餅
柏餅で使われる柏の木は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないという特徴を持っています。ここから、子孫が続く子孫繁栄の象徴とされており、端午の節句で食べられるようになりました。
・粽(ちまき)
端午の節句にちまきを食べる習慣は、上でも登場した屈原の故事に由来します。この故事では、楝樹(にがき)の葉でもち米を包み、屈原へのお供え物としていました。現代では、楝樹と同じように邪気を払うとされている笹や茅が使われています。
初節句のお祝いでは
食事会を行うことが多い

初節句では、華やかな食事会を開いてお祝いされることが多いのではないでしょうか。一般的には両親が主催して、祖父母をはじめとした親族を招き、お子さまの健やかな成長を祝います。
会の場所
赤ちゃんにとってもママにとっても負担の少ない場所を選びましょう。ご自宅で祝うケースもありますが、最近では、ホテルや料亭、レストランなど、特別な空間で食事会を開く人も増えています。
その際は、個室のあるお店がおすすめです。周囲を気にせず、ゆったりとくつろぎながらお祝いできます。また、授乳室やおむつ替えスペースの有無なども確認しておくと安心です。
会の相場や時期
お店で食事会をする場合、一人あたり5000円から1万円程度の予算を見ておきましょう。日取りは、六輝を参考に吉日を選ぶと安心です。ただし、近年では六輝を気にしない人も増えています。吉日を避けることで、費用を抑えたり混雑を避けたりできる場合もあるでしょう。
祖父母からのお祝いについて

初節句には、祖父母から節句飾りやお祝い金をいただくことが多いです。ただし、節句飾りについてはさまざまなケースが増えているので詳しく見ていきましょう。
節句飾り
かつては、母方の実家が雛人形を用意するのが一般的でしたが、最近は核家族化が進み、必ずしもそうとは限りません。両家で費用を折半したり、自分たち自身が購入したりするケースも増えています。地域によっても風習が異なるので、両家の両親に相談しながら、柔軟に決めていくのがおすすめです。
お祝い金
祖父母が初節句のお祝い金を贈る場合、その金額は5万円から20万円と幅があります。これは、雛人形や五月人形などの節句飾りの購入費用、食事会の費用、お祝い金として渡すケースがあるためです。金額は、地域や家庭の習慣、祖父母とご両親の関係性などを考慮して決めましょう。ちなみに、親戚などは5000円から1万円程度のお祝い金を包むとされています。
祖父母等へのお返しのマナー

祖父母や親戚からいただいた初節句のお祝いに感謝の気持ちを表すことは大切ですが、お返しは基本的に必要ないとされています。祖父母や親戚を招いて食事会を開くこと自体が内祝いと捉えられるからです。
しかし、赤ちゃんやお母さんの体調などの理由で、食事会を開かなかったり祖父母等を食事会に招かなかったりする場合は、節句から1ヶ月以内を目安に内祝いを贈りましょう。内祝いの品物は、いただいたお祝いの半額または3分の1程度が目安となります。あまり高額なものを贈ると、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるので無理のない範囲で選びましょう。
内祝いを贈る際は、のし紙をかけるのを忘れずに。水引は紅白の蝶結び(花結び)を使用し、表書きには「内祝」または「初節句内祝」と書き、赤ちゃんの名前を記名します。
まとめ
お祝いの方法はさまざまなので、赤ちゃんや母親の体調、家族や親族の状況、そして予算などを考慮しながら、柔軟に心を込めて計画しましょう。この記事を参考に無理のない素敵な思い出を作ってくださいね。