【行事や風習、どう伝えていく?】
~繋ぐ。送る。生きる。文化といのち~
2024年8月4日(日)午前9:00~9:30 毎月放送 全8回
【BS朝日】
生活の中にある行事や風習とどのように関わっていくか、時折考えることもあると思います。
「そこにあるもの。」では、その地域や文化を支え、人生を豊かにしてきた全国各地に伝わる行事や祭り、冠婚葬祭などの風習を特集しています。これらに触れながら、暮らしの今と未来に思いをはせてみませんか?
第8回 【鳥取県】 宝木の菖蒲綱
「エイトー、エイトー」
のどかな町並みに元気な子どもたちの声が聞こえてきます。
鳥取市気高町の宝木で続く、菖蒲綱の行事です。
江戸時代の終わりに始まったといわれ、もとは旧暦の端午の節句に行われていた伝統行事。
菖蒲などが編み込まれた綱を持ち、家々の邪気を払い、綱引きや相撲で対抗試合を行います。
子ども同士で話し合う姿、それを温かく見守る地域の大人達。健やかな成長を願う
その姿がここにずっと続いています。
■番組名:そこにあるもの。 〜繋ぐ。送る。生きる。文化といのち〜
■放送日時: BS朝日 毎月 第1日曜 朝9:00〜9:30放送(全8回:1月~8月)
■ナレーション: 戸田菜穂
過去の動画
真っ赤な装束で日を招く陵王。
神の使いである稚児たちの凛々しい舞。
神社境内に壮大な祝祭空間が立ち現れる、春の祭りです。
新潟県糸魚川市・能生白山神社に伝わる舞楽。
地方で伝承された舞楽のひとつで国の重要無形民俗文化財に指定されています。
稚児舞を稽古する子供達の合宿生活や、最重要とされる陵王を今年初めて挑戦する姿も紹介。
支える大人や家族の姿がこの祭りを彩り、神と人と地域を結ぶ喜びがそこにあります。
■番組名:そこにあるもの。 〜繋ぐ。送る。生きる。文化といのち〜
■放送日時: BS朝日 毎月 第1日曜 朝9:00〜9:30放送(全8回:1月~8月)
■ナレーション: 戸田菜穂
大地を揺さぶり、冷たい雪を溶かして春を呼ぶ。
八戸の「えんぶり」です。
毎年2月に行われるこの祭り、込められているのは豊作への祈り。
かつて過酷な大飢饉に喘いだ東北のこの地域。豊作を願う人々の切実な思いを宿すものであり、あらかじめ前祝いをすることで実際の豊作を引き寄せたいという「予祝」の芸能です。
色鮮やかな烏帽子を被った太夫が、摺りと呼ばれるその舞で、土をならし、稲を植え、刈り取るまでの農作業を表現します。
今回は、このお祭りに参加する八戸市内33組のえんぶり組のうち、内丸えんぶり組を取材。子どもからベテランまで約50名を率いるのは3人の親方たち。祭り全体の成功と若い世代への継承を考え、組をまとめています。馬の頭をかたどった烏帽子は田の神の依り代であり、とても神聖なもの。その太夫の役を担う人々の様々な思いも紹介します。
地域をひとつにする2月の4日間。 八戸に生きる人々が大切に受け継いできた魂の祭りです。
■番組名:そこにあるもの。 〜繋ぐ。送る。生きる。文化といのち〜
■放送日時: BS朝日 毎月 第1日曜 朝9:00〜9:30放送(全8回:1月~8月)
■ナレーション: 戸田菜穂
身の丈4mの巨大な人形。これはなに?
赤い顔に黒ひげ、白い麻衣をまとい、背負った三股のやりが突きだす力強い姿。
そのまわりで子ども達の歓声が聞こえます。
宮崎県・山之口の弥五郎どんです。
奈良時代に始まった放生会を起源とする古い祭礼行列。
毎年11月3日に、宮崎県山之口町の的野正八幡宮の豊穣祭で行列の先頭を行くのが弥五郎どんです。
この大人形行列の祭りは、南九州に残っている貴重な祭礼形態。
山之口町の弥五郎どんは、子供たちにひかれながら神幸行列の先頭を行きます。
露払いと地域の安全を祈って進む姿。
その袖に触れようと弥五郎どんの周りを囲む子供たちや観客。
そして聞こえてくるのは、馬方節。
年季の入った節回しは、この行列に欠かせないもの。
そして、ここに育ち、このタイミングでしか携わることができない、中学生による神事舞。
弥五郎どんが大好きで、この地域が好きで、この祭りを大切に守っている笑顔があふれています。
海の彼方の理想郷からやってくる、神様。
自然豊かな西表島に伝わる、祖納の「節祭(シチ)」。
「農民の正月」ともいわれ、収穫の終わった10月前後に行われる一年の豊年感謝と次の豊穣祈願のお祭りです。
500年以上の歴史を持つといわれているこの祭りの中心は、黄色い衣をまとったミリク様。住民の健康と繁栄,五穀豊穣をもたらす神様です。そしてたくさんの奉納芸能が催されます。
この伝統行事を担うのは、ここを故郷とする住人だけでなく、離れて暮らしていても里帰りしてくる人、そして新たに移住してきた人たち。
それぞれ色々な思いを胸に節祭に臨みます。でも西表島の自然を誇りに思い、恵みに感謝する思い、みんなで一緒に生きているという連帯感がそこにはあります。
揺るぎない伝統と、島と祭りを愛する思い。
賑やかな鉦の音や笑顔とともに未来へと受け継がれてゆきます。
静かな秘境の山中に響く太鼓、ひらひらと優雅な扇子。 年に1度の鮮やかな舞。 徳島県西祖谷山村善徳に伝わる「神代踊」は雨乞い祈願が由来といわれ、 民俗芸能の「風流踊」のひとつとして2022年にユネスコの無形文化遺産に登録された。 その喜びと、直面する保存継承の難しさ。 それでも、この地域と祭りを繋げていこうと模索する保存会の活動や、 新たに参加する駐在の警察官の想いなど、静かな情熱がそこにはあった。
「鬼が来る」。 仏の救いを待ちながら、人々は祈る。 鬼が亡者を責めさいなむ地獄を再現し 菩薩による救済を描く全国でも珍しい仏教劇「鬼来迎」。 800年を超える歴史を持つ仮面劇は、 千葉県虫生地区の24戸の小さな集落で受け継がれてきた。 少子化高齢化が進む中、保存会や今回初参加の若い住職、 地元の女性たちのさまざまな思いとは。 鬼来迎の今や未来について、小さな集落に紡がれる、 人、記憶、歴史の結びつきを映し出す。
田植えが終わる6月に行われる虫送りは、 稲につく害虫を追い払い五穀豊穣・無病息災を祈る祭りとして、 400年を超える⻑い歴史を重ねる。 虫送りのシンボルは、大蛇にも龍にも見える大きな「虫」。 この大虫を先頭に荒馬,太刀振,笛,太鼓の行列が集落を練り歩き、 「ハネロジャ、ハネロ!」の掛け声が地域を熱くしていく。