お墓や供養のかたちを紹介
後悔しないペットの弔い方
最愛のペットが旅立つとき、深い悲しみの中で、私たちはさまざまな事を考えなければいけません。 「どうやって送ってあげるのが一番良いのだろう？」 「お墓はどうすればいいの？」 その問いの正解は一つではなく、大切なのは、ペットと過ごした時間とあなた自身の気持ちにふさわしい形を見つけることです。 この記事では、ペットとのお別れのときに必要な知識から、さまざまな供養のかたちまで紹介します。
ペットが亡くなったら…
まず、してあげるべきこと
まずは心を落ち着けて、これまでたくさんの愛や癒やしをくれたことに感謝を伝えながら、安らかな旅立ちの準備を整えてあげましょう。
感謝を込めて、安らかな姿に整える
体を清め、安らかに眠れる場所を用意してあげましょう。硬直が始まる前に、まぶたや口をそっと閉じ、眠っているような自然な姿勢に整えます。その後、濡らしたタオルで体を体を丁寧に拭き、体液などが出てくる場合に備えてペットシートやバスタオルを敷いて棺（段ボール箱やペット用棺など）に安置します。遺体の傷みを遅らせるため、保冷剤や氷をタオルで包み、お腹のあたりに置いてあげましょう。
必要なところに連絡をする
落ち着いたら、関係各所へ連絡をしましょう。まずは、かかりつけの動物病院に連絡し、死亡の確認をしてもらいます。犬の場合は、「狂犬病予防」のため、死後30日以内にお住まいの自治体への死亡届の提出が義務付けられていますので、忘れず行いましょう。そして、供養について相談するため、ペットの葬儀社や霊園にも連絡を入れ始めましょう。
ペットの埋葬方法は火葬が一般的
ペットの葬儀には「火葬」と「土葬」の二つの選択肢がありますが、衛生面や環境への配慮から、火葬が主流となっています。火葬を選ぶことで、遺骨を清潔な形で手元に残したり、納骨したりすることが可能になります。
火葬には主に3つの方法があります。
合同火葬
他のペットたちと一緒に火葬する方法です。「ひとりぼっちは寂しいから、お友達と一緒の方がいいかな」と考える方に選ばれています。火葬後の遺骨は、他のペットたちと共に合同墓地などに埋葬されるため、個別の返骨はできませんが、費用を抑えられるという側面もあります。
個別一任火葬
ペットの遺体を業者に預け、火葬から収骨までを全てお任せする方法です。つらくて火葬に立ち会うことができない、あるいは時間の都合がつかない場合でも、スタッフが心を込めて個別に対応してくれます。火葬後は、骨壺に納められた遺骨が返還されます。
個別立会火葬
人間の葬儀と同様に、家族だけが立ち会って最期のお別れをする方法です。「ありがとう」の気持ちを伝えながら見送り、火葬後の遺骨もご自身の手で拾ってあげたいと願う方に向いています。施設によっては、お別れのセレモニーや読経を行ってくれる場合もあります。
土葬という選択肢と、その注意点
土葬とは、ペットを火葬せずにそのまま埋葬する方法です。私有地（庭など）に埋葬することは法律上問題ありません。しかし、遺体が完全に土に還るまでには非常に長い年月がかかります。その過程で異臭が発生したり、害虫が集まったりして、ご近所に迷惑をかけてしまう可能性があります。また、他の動物によって掘り返されてしまうことも起こり得ます。これらのリスクを考慮し、土葬を選ぶ場合は慎重に行う必要があります。
ペットのお墓や納骨の方法をご紹介
火葬後の遺骨をどう供養するか、その選択肢は広がっています。あなたとペットの関係にふさわしい、安らげる場所や方法を選びましょう。
手元供養をする
「これからもずっと一緒にいたい」という想いを叶えるのが手元供養です。自宅に小さな祭壇や仏壇を設けて供養するほか、遺骨をパウダー状に加工・粉骨し、キーホルダーやメペンダントなどのアクセサリーに納めて、いつでも身につけるという方法もあります。
霊園や納骨堂に納骨する
専門のペット霊園や納骨堂に納骨する方法です。他のペットたちと一緒に眠る合同墓地や、個別の墓石を建てる区画、室内で管理される納骨堂など、様々な形があります。管理者が供養や清掃を行ってくれることも多いため、安心してお任せできるのが利点です。
自宅の敷地に埋葬する
火葬後の遺骨を埋葬する方法もあります。遺骨は土に還りやすいため、土葬に比べて衛生面などのリスクを軽減できます。
散骨する
遺骨を粉末状にして、海や山、思い出の場所などに撒くという供養方法です。ただし、散骨できる場所は私有地や、業者所有の散骨場など限られています。自治体によっては禁止している地域も存在します。他にも、海の場合は漁業が行われている場所から離れていなければならないなど、場所によってさまざまな条件があるので確認しておきましょう。
人とペットは、一緒のお墓に入れる？
人間とペットが一緒に入れるお墓も増えています。民間霊園や一部の寺院墓地では、ペット共葬可能な区画が設けられています。従来の一般墓だけでなく、納骨堂や樹木葬といった新しい形の供養施設でも、ペットと一緒に入れるプランが増加傾向にあります。
ただし、先祖代々のお墓などは基本的に厳しい場合が多いです。ペットとのお墓を希望する場合は、まず現在の墓地の規約を確認することが必要です。
もしこれから新しくお墓を建てるのであれば、ペットのかわいらしい姿をデザインした墓石を選ぶといった、より想いを形にすることもできるでしょう。
まとめ
供養のかたちはさまざま。お墓を建てることも、遺骨を手元に置いて偲ぶことも、あるいは形あるものを残さず心の中だけで供養することも、すべてが飼い主の深い愛情表現でしょう。
何よりも大切なのは、あなたが「こうしてあげられて良かった」と心から納得できること。たくさんの思い出を胸に、感謝の気持ちを込めて見送ることが、最高の供養となるはずです。
