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【タイミング・手土産・会話内容et】
知っておくべき病気見舞いの
NG行動&マナー

大切な親戚や友人などが病気やケガで入院した時、お見舞いに行く人も多いでしょう。ですが、場合によっては、かえって患者さんの心身の負担になってしまう可能性もあります。そこでこの記事では、お見舞いのタイミングから、手土産の選び方、会話の内容まで、病院へお見舞いに行く際に配慮しておきたいNG行動やマナーを詳しく解説します。

お見舞いのタイミングで避けたいこと

入院直後の訪問

入院直後は、患者さん自身精神的に不安定な場合があり、治療や検査などで心身ともに疲弊しているかもしれません。入院直後の慌ただしい時期は避け、落ち着いたと思われるタイミングで訪問しましょう。患者さんの家族に状況を確認したり、本人から連絡があったりしてからが安心です。

患者さんが弱っている時や体調不良時の訪問

患者さんが疲れていたり体調が悪そうな時には、訪問を見合わせることも必要です。無理をして会うと病状の悪化につながる可能性もあるからです。「今日はゆっくり休んでくださいね」「おだいじに」という言葉と共に訪問を急がない優しさが大切です。

手術の前後2,3日の訪問

手術前後は非常にデリケートな時期です。手術に対する不安や緊張、術後の痛みなどさまざまな負担がかかっています。手術の前後は安静が必要な場合が多いので、患者さんの家族や病院に確認して適切な時期にお見舞いするようにしましょう。

病院側から面会の規制がでた場合

感染症が流行している時や、患者さんの病状によって、病院側から面会の制限や禁止が出ることがあります。このような場合は、病院の指示に従いましょう。

お見舞い時にやってはいけないこと

日時を事前に伝えないで訪問すること

事前連絡なしに突然訪問することは避けるべきです。患者さんの体調や病院のスケジュールを考慮していない、配慮に欠けた行為と言えます。必ず事前に患者さんまたはご家族に連絡して、都合の良い日時を確認してから訪問しましょう。

大人数で訪問すること

面会スペースには限りがあります。また、大人数の話し声や気配は、本人はもとより他の患者さんの迷惑になる可能性があります。お見舞いの人数はできる限り少なく、3人程度までを目安にしましょう。また、小さなお子さんの同伴は事故や感染防止の観点から避けるのが賢明です。禁止している病院もあります。

長居すること

長時間の滞在は、患者さんを疲れさせてしまう可能性があります。30分程度を目安に、手短に済ませるように心がけましょう。患者さんの表情や様子を見ながら、早めに切り上げることも意識しておきましょう。

派手な服装や香水をまとうこと

派手な色の服装や、強い香りの香水は、患者さんの体調に悪影響を与えたり不快な思いにさせたりする可能性があります。お見舞いには落ち着いた色合いの服装を選び、香水の使用は控えましょう。

お見舞いの品やお見舞い金で
気をつけること

世話が大変な花や香りが強い花、鉢植え

お花は、病室を明るくしてくれる贈り物ですが、選ぶ際には注意が必要です。根が付いている鉢植えは、「根付く=寝付く」を連想させ、縁起が悪いとされるので避けましょう。また、花瓶などで絶えず水替えが必要な花は患者さんの負担になるので控えましょう。さらに、ユリなど香りの強い花は不快に感じる場合があります。他にも菊(仏花のイメージがある)、あじさい(色があせる)、シクラメン(「死苦」や「苦しむ」を連想させる)、つばき(首が落ちる)、赤い花(血を連想させる)なども避けるのが無難です。
お花を選ぶ際は、小ぶりで手入れが簡単なもの、香りの穏やかなものを選ぶようにしましょう。生花ではなく、プリザーブドフラワーなども人気です。病院によっては、生花そのものを禁止している場合もあるので事前に確認しましょう。

傷みやすい食べ物

ケーキのような生ものや日持ちのしないものは控えましょう。また、病院や患者さんによっては、食事制限がある場合や、持ち込みを禁止している場合もあるので病院に確認するなど気をつけましょう。

目上の人に現金を贈ること

お見舞い金は、入院中何かとお金がかかることから喜ばれますし、相手への経済的な支援の気持ちとして贈られるものですが、目上の方に現金を贈ることは、失礼にあたると考えられます。
ちなみに、現金を贈る場合は、相場としては、5000円〜1万円程度が一般的です。

患者さんをする会話で避けたいこと

病気やケガの内容を詮索すること

患者さんは、自身の病状について話したくない場合やまだ整理がついていないことがあります。もし患者さんの方から話してくれた場合は耳を傾けることが大切ですが、こちらから根掘り葉掘り病状や治療法について尋ねることはやめましょう。

仕事のプレッシャーになる話

仕事のことは気がかりなことの一つである可能性があります。具体的な仕事の進捗状況や、復帰時期に関する話題は、患者さんにプレッシャーを与えてしまうかもしれません。

同情の言葉

「心細いでしょう」「心配でしょう」「顔色が良くないですね」といった言葉は、患者さんの不安を煽ったり、自信を失わせたりする可能性があります。お見舞いでは、明るく前向きな言葉を選び、「ゆっくり休んでくださいね」「また元気な姿でお会いできるのを楽しみにしています」といった、励ましや希望を与えるような言葉をかけるようにしましょう。

その他、お見舞いで避けたいこと

自分自身をはじめ、訪問する側が体調が優れない場合は、患者さんに感染症などの病気をうつしてしまう可能性も考えられるので訪問は控えましょう。

訪問時、患者さんのベッドに腰掛けるのは衛生的に好ましくありませんのでやめましょう。また、患者さんが寝ていた場合、無理に起こすような行為も避けましょう。患者さんの状態を観察して、配慮ある行動を心がけましょう。

まとめ

病気やケガのお見舞いでは、相手の心や体調に負担をかけないよう、細やかな配慮が大切になります。家族などの付添人がいる場合や、同室に他の患者さんがいる場合の気配りなども必要になります。

今回紹介したポイントをしっかりと押さえ、患者さんにとって心安らぐ、温かい時間となるお見舞いにしましょう。あなたの細やかな気遣いが、きっと回復への大きな力となるはずです。

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