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あなたとの向き合い方、約束等
こどもと虫を飼うときに
気をつけたいこと

「ねぇ、虫を飼いたい!」子どもから突然そんな言葉が飛び出したら、驚きとともに、ちょっぴり戸惑う気持ちもあるかもしれません。「虫は少し苦手……」「ちゃんと世話ができるのかな?」」といった自分の嗜好に加え、自分や子どもが本当に世話できるのかといった不安や投げ出したときの心配も出てきますよね。
しかし、子どもの「飼いたい」という純粋な気持ちは、小さな命との出会いを通して、さまざまな学びを得るための機会となるのかもしれません。この記事では、飼育を始めることのメリットや注意すべき点、子どもと交わすべき大切な約束、命との向き合い方などを紹介します。

虫を飼うことのメリット

命の大切さを学べる

毎日食べものをあげたり、虫かごを掃除したりとお世話を通じ、小さな生きものである虫も「生きているんだ」と感じるでしょう。また、将来小さな命が終わりを迎える時、悲しみを通して命の大切さを深く理解するはずです。

責任感が育つ

毎日欠かさずお世話を続けるうちに「自分が世話をしなければ、この虫は生きていけない」という意識が出てきて、責任感が芽生えるでしょう。

観察力と探求心が養われる

えさを食べる様子や土に潜る瞬間、羽を広げる時など、虫をよく観察してみると新しい発見があるものです。そうした観察を通して、子どもの観察力は磨かれていきます。「どうしてこんな動きをするんだろう?」といった疑問が湧き上がり、図鑑やインターネットで調べることで、自ら考え、学ぶ力が育まれていくでしょう。

勉強が楽しくなる

虫を観察し、疑問に思ったことを調べるうちにさまざまな知識と出会います。昆虫図鑑を見たり、インターネットで情報を探したりする経験によって、自然に対する興味関心が高まるなど、将来的に生物学など学問への興味が深まったり、視野が広がるかもしれません。

虫を飼う前にしておきたい、
子どもとの大切な約束

親が一方的に押し付けるのではなく、飼うことについて自覚を持つよう子どもと一緒に話し合って決めることがポイントです。

毎日、忘れずにお世話する

生きものを飼う上で、毎日のお世話は欠かせません。例えば、餌やり、水やり、掃除など、子どもと一緒にどんなお世話が必要なのかを確認し、無理のない範囲で役割分担を決めましょう。

もし、忘れていたら「今日のお世話、忘れてない?」と、親が優しく声をかけて習慣化させてあげるのもいいでしょう。

虫を優しく大切に扱う

必要以上に触りすぎたりすることは、虫にとってストレスになります。「この子にも命があるんだよ。優しく触ってあげようね」「びっくりさせないように、そっと見守ってあげようね」など、具体的にどう接したらよいのかを伝えましょう。命があることを忘れずに、優しくお世話をするよう導いてあげましょう。

命の終わりまで見届ける

飼う虫の種類によって寿命は異なります。「この虫さんは、〇〇くらい生きるんだよ」と、事前に虫がどのくらい生きるのかを学ばせ、共に学び、家族の一員として最後まで大切にお世話することを約束しましょう。

虫を飼うときに準備する道具は?

いよいよ虫を飼うとなると、虫たちが快適に過ごせる環境を整えてあげることが大切です。ここでは、飼育に必要な基本的な道具を紹介します。

飼育ケース

虫の住まいとなる飼育ケースは、種類や大きさに合わせて選びましょう。プラスチック製で通気孔があり、蓋つきのものが一般的です。温度や通気性などの飼育環境の整備も行いましょう。

床材

カブトムシやクワガタムシなど、多くの昆虫に適している昆虫マットの他、腐葉土や砂など、虫の種類によって適したものを用意しましょう。

足場やとまり木

虫の種類によっては、木や枝、落ち葉などを入れてあげることで、より自然に近い環境で飼育することができます。隠れる場所や登る場所があることで、虫たちは安心して過ごせることもあります。

食べ物と水分

カブトムシやクワガタムシの成虫が食べる昆虫ゼリーやバッタが好む野菜や果物など、虫の種類によって適したものを選びましょう。

子どもでも飼いやすい虫は?

初めて虫を飼う場合、お世話が比較的簡単で、観察も楽しめるものから始めるのがおすすめです。ここでは、特におすすめの虫と、飼育に必要な道具を合わせてご紹介します。

カブトムシ・クワガタ

夏の代表的な昆虫でとても人気があります。丈夫で比較的飼育しやすいですが、オス同士は喧嘩をすることがあるため、別々のケースで飼育するのが基本です。ひっくり返った際の足がかりになる止まり木や隠れ場所となる朽ち木を用意しましょう。

ダンゴムシ

身近な場所で見つけることができるダンゴムシ。乾燥に弱いため、適度な湿度を保つために土を湿らせるための霧吹きを準備しましょう。また、落ち葉や腐葉土などを入れておくと、隠れ家になります。

カタツムリ

ゆっくりとした動きで比較的扱いやすい虫です。乾燥を嫌うため、ダンゴムシと同じように霧吹きなどで床材を湿らせて適度な湿度を保ち、殻が乾燥しないようにしましょう。えさは、キャベツやニンジンなどの野菜などを与えましょう。

バッタ

活発に動き回る様子が観察できるバッタ。新鮮なイネ科の草などを与える必要があります。跳躍力が高いので、蓋つきの背の高い飼育ケースを用意しましょう。

イモムシ

イモムシ(ガの幼虫とチョウの幼虫の総称)も、比較的育てやすいです。公園や庭など、身近な場所で見つけやすく、そこに生えていた植物の葉を与えれば大丈夫です。

飼うのが意外に難しい虫は?

子どもが興味を持つかもしれませんが、トンボ、セミ、チョウなどは、えさの準備が難しかったり、飛んでしまうことで飼育環境を整えるのが難しく、初心者にはあまりおすすめできません。



虫がもし死んでしまったらどうする?

虫が死んでしまった場合、子どもには事実を優しく伝えましょう。涙を流したり、落ち込んだりするかもしれません。「いなくなっちゃったね」「寂しいね」と、子どもの悲しみに共感する言葉をかけ、無理に励ますのではなく、そっと抱きしめてあげるのも良いでしょう。そして、「ありがとう」「お疲れさま」の気持ちを込めて、庭などの土に埋め、お花や葉っぱを添えてあげるのもよいかもしれません。

まとめ

虫をはじめ、生きものを子どもが中心となって親子で育てることを通じ、小さな虫にも命があること、それを育てることの大切さを学ぶ機会となるでしょう。これらは知的好奇心に留まらず、生きものや自然への愛情など、情操教育としても貴重なチャンスです。親自身も、子どもの成長を感じたり改めて生命の尊さを感じたりするかもしれません。今回のポイントに気をつけながら、親子でチャレンジしてみるのも一つですね。

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