挙式 (参列側)

挙式と披露宴の違いって?

結婚式には挙式と披露宴があります。挙式は新郎新婦が結婚を誓う儀式のことで、その後に結婚を報告する場を披露宴といいます。挙式には、教会式、人前式、神前式、仏前式などのスタイルがあり、挙式を行う場所もそれぞれ異なります。ここでは神前式と教会式の挙式を主に紹介します。

CONTENTS
1. 挙式に招待されたら?
2. 両親・媒酌人の服装
3. 親族・友人などの服装
4. 子どもの服装
5. 媒酌人と仲人の違い
6. 両親・親族としてのマナー
7. 両親・親族の挙式当日のやるべきこと

1. 挙式に招待されたら?

挙式は、親族をはじめ大切な方をお呼びする席です。挙式には、親族以外にも友人など多くの人を
招待する場合がありますので、挙式から出席してほしいのか、披露宴から出席してほしいのかは、招待状を見て確認しておくと良いでしょう。招待された場合は喜んで参列し、神聖な場所で愛を誓う二人の新たな門出をお祝いしましょう
なお、様々な宗教等の形式があり、教会式、人前式、神前式が人気ですが、詳しい挙式の流れは、
挙式(主催側)の「教会式挙式」「神前式挙式」をご参照ください。

2. 両親・媒酌人の服装

洋装

両親は新郎新婦に合わせるのが基本です。媒酌人も新郎新婦に合わせるのが基本です。
なお、新郎新婦が洋装でも、母親は黒留めそでのの場合は多く見受けられます。
洋装の場合は、男性は昼間ならモーニング、夕方以降ならタキシードを着用します。女性は、昼間ならアフタヌーンドレス、夕方以降ならイブニングドレスを着用します。あくまでも、新郎新婦を引き立てる装いにしましょう。

〈昼〉
女性 アフタヌーンドレス
男性 モーニング

〈夜〉
女性 イブニングドレス
男性 タキシード

モーニング
アフタヌーンドレス

和装

和装の場合、男性は新郎と同じ黒五つ紋付羽織袴を着用します。女性は、既婚女性の正礼装である黒留袖が一般的です。色留袖でも、五つ紋付なら正礼装として着用しても構いません。その場合は、相手の母親と色留袖で揃えるように、事前に相談しておくと良いでしょう。また、洋装と同様に媒酌人夫人より派手にならないように柄や帯の格には注意してください。最近では、媒酌人が洋装、媒酌人夫人が和装という組み合わせも増えています。

女性
▶黒留袖
松竹梅などのおめでたい裾模様のある黒地の着物です。帯は、金銀箔使いの吉祥紋織りの袋帯を締めます。

▶色留袖
五つ紋が入ると、正礼装として着用することができます。

黒留袖
色留袖

男性
五つ紋付羽織袴 新郎と同様か袴の縞が細かい地味なものを選びましょう。足袋、扇子、鼻緒は白で揃えましょう。

五つ紋付羽織袴

3. 親族・友人などの服装

親族は、格をわきまえた控えめな装いをするのがマナーです。祖父母は新郎新婦に近い立場なので、新郎新婦の両親や媒酌人の装いに準じます。そのほかの男性親族は、昼夜兼用のブラックスーツが一般的です。年齢が若い方は、ダークスーツでも失礼に当たりません。
親戚の既婚女性は、黒留袖、色留袖やアフタヌーンドレスなどのやや改まった装いを基本とします。未婚女性は、振袖が正礼装ですが、訪問着やセミアフタヌーンドレスでも良いでしょう。

親族の服装例

アフタヌーンドレス
振袖(未婚女性)
ブラックスーツ

友人など参列側の服装について、詳しくは披露宴(参列側)の「参列する際の服装」をご参照ください。

4. 子どもの服装

子どもの礼装には特別なルールはありませんが、小・中・高校生なら、
学校の制服が礼装になります
制服がない場合は、男の子はブレザーに蝶ネクタイをしたり、
女の子はワンピースにコサージュを付けたりする例もあるようです。

 歴史 

挙式参列の風習は明治時代から

現在では、結婚式に親族や友人を招待する形式がほとんどですが、実は招待客を招くようになったのは神前式が誕生した明治時代からと言われており、意外にも歴史はそう古くありません。神前結婚式は、明治30年代になってから、キリスト教の挙式様式を意識した新しい婚姻の形式として誕生し、
明治34(1901) 年に初めて日比谷大神宮で執り行われました。それから徐々に神前式が全国へ知れ渡ると同時に、庶民の間でも親族や友人と一緒にお祝いする形式が広まりました。神前式を取り入れる前は、結婚は家と家を結びつけるものとされており、挙式は自宅で挙げるのが当たり前でしたが、その後神前式が主流になってからは結婚式場やホテルに併設された式場で挙げることが多くなりました。終戦を迎えると、豪華に結婚式を挙げるだけの物資やお金がないため、結婚式を挙げずに籍だけ入れる場合も多かったようです。それに対して、終戦後の物のない時代でも、結婚式やお葬式だけは立派に挙げたいという願いから、お金を出し合って衣装を買ったり、互いにお金を出して式などの用意をする冠婚葬祭互助会は、その流れで生まれました。戦後は日本の景気が良くなっていくとともに、結婚式は招待客も楽しめるものに変化していきました。昭和50年代に入ってからは、家と家の繋がりを結ぶ儀式として位置づけられていた神前式は減少し、信仰とは無関係に自分たちらしさを演出できる教会式が増加しはじめ、今現在のように、自由なかたちで参列者と一緒に華やかなムードで楽しくお祝いをするようになったといわれています。

5. 媒酌人と仲人の違い

挙式披露宴では、仲人のことを媒酌人と呼び、挙式に限定した場合は「立会人」と呼びます。結納時には立てずに当日のみ依頼する場合は、「頼まれ仲人」とも呼ばれており、一般的には上司や恩師など、新郎新婦が尊敬する人に依頼することが多いようです。近年では社会構造の変化や形式的として、媒酌人を立てないケースは多くなりました
挙式での媒酌人の大切な役割は、主催者側の代表として挙式に立ち会い、無事に執りおこなわれたことを見届けることです。式場には1時間前には到着し、両家の控え室に出向いて挨拶をします。
キリスト教では、介添人として新郎新婦の隣りに立つ場合もあります。また、神前式では玉串奉奠(たまぐしほうてん)をおこないます
挙式から披露宴の間、媒酌人夫人は花嫁の母親代わりとなり、新婦に寄り添い、リラックスできるよう緊張をほぐしたり、衣裳や化粧の乱れに気を配ったりしましょう。白いハンカチを2枚用意しておくと良いでしょう。

最近の媒酌人事情

媒酌人は必ずしも立てなければならないわけではありません。両家の格式やしきたりを重視するカップルが少なくなった現在では、媒酌人を立てることが少なくなりました。親の意向や上司の申し出で立てるケースもありますので、媒酌人を立てるか立てないかについては、念のためお互いの両親にも確認しておくと安心です。

ご祝儀を新札で渡す
意味はあるの?

ご祝儀は新札で用意するのがマナーです。その理由は、主に二つあります。
一つ目は、これから新生活を始める新郎新婦に、まだ誰も使用していない新しいお札を用意して、二人の門出をお祝いするという意味です。
二つ目は、新札は前もって準備する必要性があることから、「二人の結婚式を楽しみに準備していた」という意味があります。新札の入手方法は、銀行や郵便局の窓口で両替してもらうか、銀行の両替機を利用するのが一般的とされています。

6. 両親・親族としてのマナー

両親や親族は、新郎新婦をお祝いするという立場と同時に、主催者側の一員でもあります。準備に忙しい新郎新婦に代わって、招待客の控え室に出向き、お礼の挨拶をする場合もあります。そのときは、まず主賓へ挨拶をするのがマナーです。また、来賓へのお車代、スタッフをお願いした友人・知人への心付けを渡したり、ご祝儀を保管したりするなど、金銭にまつわることをサポートすることも両親や親族としての大事な役割になります。

7. 両親・親族の挙式当日のやるべきこと

出発前

衣類や小物類、媒酌人へのお礼やスタッフへの心づけなど、忘れ物がないか確認し、早めに出発しましょう。
式場には、新郎の両親は挙式の1~2時間前、新婦の両親は3~4時間前に到着するようにします。両親以外の親族は、遅くとも30分前には到着しましょう。当日に予定外の人への謝礼を渡す場合や、会場で清算金が発生する場合もあるので、祝儀袋と現金を多めに持っておくと良いでしょう

式場にて

式場の担当者に挨拶を済ませ、新婦の両親は着付けや美容スタッフに心付けを渡します。渡すタイミングは、披露宴後でも構いません。最近では会場スタッフが受け取らないことも多いようです。ホテルはチップの習慣も一部あるため、受け取るケースもありますので、あらかじめ会場のスタッフやプランナーに確認しましょう。
両家の両親が揃ったら、新郎新婦とともに媒酌人に挨拶をしましょう。両親の知人から祝電が来ていたら、
新郎新婦と早めに相談して整理をします。
両親以外の親族は、控え室に着いたら新郎新婦と両親に挨拶をしましょう。忙しい新郎新婦に代わって、できることを積極的に引き受けましょう。

挙式は披露宴と違い、家族や親族など身内で行う場合もありますが、教会式をはじめ親族以外も挙式に参加する場合もあります。人前式のように、
立会人に誓いをたてる形式もあります。
新郎新婦の親族として出席する場合は、新郎新婦をサポートするなど、相手の家族への心配りや招待客へのおもてなしの気持ちで行動しましょう。