婚約

婚約にはどんな意味があるの?

「プロポーズ」や「婚約指輪」という言葉は知っている方も多いでしょう。では実際に「婚約」とは何なのか?
「結納」はいつするの?など、婚約に関する基本的な情報をまとめてみました。 

CONTENTS
1.  婚約とは?
2. 婚約の方法
3. 婚約に際してやっておくべきこと
4. 婚約の法的な意義

1. 婚約とは?

婚約というと「交際相手にプロポーズをされ、それを受ければ婚約成立」というイメージがあります。「口約束」であり、婚約の成立条件に関しては、法律的な定めは特にありません。ですから儀式をしたり、指輪を交換したりするなどの「証明」がなかったとしても、将来、夫婦になる約束に二人が合意をすれば、婚約中という状態に入ったと考えて間違いはありません。
家族ぐるみの約束という意味では、結納や記念品の贈呈を行うことも婚約であり、
また、二人で日常的に話す中で結婚を決めるカップルも増加しています。
婚約することによって、結婚に向けて「この相手と人生をともにする」という共通認識ができるために、けじめや責任感も生まれます。

2. 婚約の方法

婚約の方法として一般的な方法をご紹介します。

① 結納
結納は両家の間で婚約を確認する儀式です。女性の実家(婿入りの場合は男性の実家)で行われるのが通例でしたが、現代では結納の様々なノウハウをもつ料亭や施設、ホテルで行われることも増えています。飾りつけや進行の点、食事会などへの流れを考えて合理的な方法です。なお現在では、結納返しの額を最初から差し引いた結納金を渡すケースや、婚約記念品(婚約指輪)を渡すケースもあります。

② 両家顔合わせ・食事会
結納のような儀式ではなくレストランや料亭の個室などで両家の親睦、結婚式のやり方やその後の両家の付き合いをすり合わせたりするスタイルもあります。

③ 口頭での約束
プロポーズの言葉は人それぞれですが、一方が結婚したい想いを告げ、相手・他方がそれに応えるというやりとりが
プロポーズといえるでしょう。しかし何かトラブルがあってもめたとき、特に裁判などでは口約束だけだと
約束を証明するのが難しくなります。婚約指輪などの婚約記念品やり取りがあれば約束の客観性が高まります。

3. 婚約に際してやっておくべきこと

両家への挨拶

婚約したことを双方の家族に伝えます。女性の家から先に、という考え方もありますが、特に決まりはありません。服装や身だしなみ、手土産には十分注意を払うことが必要ですが、婚約後、できるだけ早めに
ご挨拶を済ませたほうが良いでしょう。

婚約記念品(婚約指輪)の用意

プロポーズのタイミングで渡す場合と、後で渡す場合がありますが、食事会や結納までに用意すると、
当日に披露することもできます。

顔合わせの食事会/結納の実施

顔合わせの食事会や結納などを行うかどうかは、最初の挨拶の際に確認しましょう。家や地域によってはルールや儀式を重んじる風潮があります。事前に確認しておきましょう。

結婚式場の予約

結婚式を行う場合は式場、披露宴会場の予約を。早めに動いた方が、希望の場所で、希望の日時に行える可能性が高くなります。

結婚指輪の用意

結婚式で指輪の交換を行うカップルも多いので、準備はお早めに。指輪への刻印やオーダーメイドだと納品まで時間がかかる場合があります。

入籍日の検討

入籍日は、結婚式当日の他、その日より先でも後でも問題はありません。届け出は住んでいる地域でなくても良いので、思い立ったら24時間受付の役所で、ということも可能です。

引っ越し

結婚を機に新居に移る場合は家探しが必要になります。シーズンによっては物件がなかったり、引っ越し業者が空いていなかったりするので、早めに検討しておきましょう。

 歴史 

婚約の成立を結婚の申し込みと承諾とするなら、婚約の歴史は、プロポーズの変遷をひも解くのがわかりやすいかもしれません。世界的にみるとプロポーズのはじまりは古代ローマ時代にさかのぼります。その頃には指輪を贈る習慣があり、指輪を受け取り身に着けるということが、結婚の約束をした証、として定着していました。
日本では、プロポーズ=求婚の歴史として、万葉集に愛する人が住む家の前で名前を呼んだり想いを詩に託して読んだりするのが「求婚」の始まりだったと記されています。その後、平安時代には和歌を詠み、贈るスタイルに変わります。身分の違いやさまざまな制約を越えて求婚の気持ちを伝えるのは雅で風情のある習慣でした。しかし、鎌倉、室町から戦国の武家の時代なると、結婚は政略結婚の様相が強くなり求婚の機会自体失われていきました。江戸時代になり、世の中が安定し、日本人の識字率が高くなってくると、庶民の間で歌や手紙のやり取りを通じて好きな相手に自由にプロポーズする習慣が生まれました。一方で比較的身分の高い階層の男女は親の決めた相手との結婚が一般的でした。
現代のプロポーズや婚約のスタイルは、明治以降の西洋化の流れを経て、昭和の初期からそれまで男性側と親が主導であった結婚の形が変わりはじめ、やがて見合い結婚であっても、一定期間の交際を経て求婚、婚約という流れが一般的になりました。

4. 婚約の意義

婚約が成立すると、その事実は親族や知人、友人などの第三者にも周知されます。また、やり方によっては、結納金など、婚姻に向けた手続きが進んでいきます。とはいえ、結婚とは異なり、口約束でも婚約は成立するので、その不確定さがトラブル時に問題になることもあります。二人の間に婚約不履行(婚約破棄)が生じたとき、婚約の成立に関して両者で争いが起きても、婚約が交わされたかどうか、第三者が判断することは容易ではありません。このようなときは、婚約の成立が周囲の関係者など第三者に対して知らされているかなどの事実も考慮されて、裁判所で婚約の成否について判断されることになります。 正当な理由のない一方的な婚約の破棄について、法律上では「婚姻予約の不履行」という扱いになります。ここで婚約者に対して財産上や精神的な損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなければならないことがあります。

婚約記念品と返礼品

婚約記念品として多くの人が選ぶのが「婚約指輪」。その割合は約9割というデータもあります。20~40万円が相場で、ダイヤモンド付きが人気のようです。
また、婚約記念品に対して「返礼品」を贈るケースもあります。結婚指輪ほど浸透していませんが、礼儀として用意されて良いのでは。
返礼品としては、「腕時計」、「スーツ」、「カバン」、「スーツ以外の洋服」、「財布」などがあげられます。金額については「半返し」といって、婚約記念品のおよそ半額くらいが望ましいとされています。

結婚指輪はなぜ左手に?

諸説ありますが、有力なのは古代エジプトやギリシアの言い伝えで、左手の薬指には心臓と繋がる太い静脈(愛の静脈)があると信じられていたという説。薬指に婚約指輪や結婚指輪を着けることで愛が強まり、お互いの心をつなぐと言い伝えられています。

婚約は、結婚に向けたスタート地点であり、新しい家庭を築くワクワク感を楽しんだり、決意を固めたりする期間でもあります。
また、これから人生をともにする伴侶に対して責任を負う意志の表明となります。
実り豊かな結婚生活に向けて、大きくイメージを膨らませておきましょう。