結納

結納って必要なの?

若い世代の方は、結納はなんのために行うの?と思われるでしょう。「結び、納める」と書いて、結納。結婚の意思確認として行われる正式な儀式です。最近では儀式としての結納ではなく、顔合わせの食事会を行うことが多いようです。

CONTENTS
1. 結納とはなんのために行うの?
2. 結納の日程を決める
3. 結納の形式を決める
4. 結納当日の流れ
5. 結納当日の席次(例)
6. 結納金・結納返し
7. 結納の服装は何を選べば良い?
8. 実際、結納をした人の割合は?(アンケート調査)

1. 結納とはなんのために行うの?

結納は結婚の意思確認として行われる正式な儀式で、家同士の結びつきを確認する機会であり、
以前は、結婚と同じくらい重要なものと考えられていました。結婚の当事者だけでなく、その両家の縁が結ばれ一つに納まるということ。さらに、家と家が、お祝いの品を交換することも意味しています。
最近は、形式的な結納の儀式を行わず、顔合わせの食事会や記念品の交換だけを行うケースもあります。時間や経済的な余裕がなかったり、両家の場所が遠かったり、行わない理由は様々ですが、逆に日本の儀式における形式的な部分を好んで結納を選ぶ方もいます。
いずれにしろ、家と家を結ぶ行事ですから、家族で十分に相談して決めましょう。

2. 結納の日程を決める

結婚の意志が固まり、双方の家が結婚に向け動き始めたら、まず、結納の日取りを決めましょう。一般には結婚式の半年くらい前に設定する人が多いようです。両家のスケジュール、式までのスケジュールも考えあわせて、式の準備が十分に整えられる期間が半年間、ということのようです。
結婚式同様、結納も「吉日」が好まれます。六輝(六曜)の中でもお日柄が良いとされるのは、「大安」「友引」「先勝」。この三日には次のような意味があります。大安は万事良しで何事にもよく、友引は慶事に良し、先勝は午前は大安と同じ吉日で、何事も急ぐのが吉とされています。なお、友引は正午のみ凶など時間帯による注意もありますので確認するのがよいでしょう。
六曜以外にも、天がすべてを赦(ゆる)してくれる日という「天赦日(てんしゃにち)」や、
一粒の籾(モミ)が万倍になって実るという「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」もおすすめです。この日は新しいことを始めるのに良い、といわれます。ただし年に数回しかないのでかなり限られます。

3. 結納の形式を決める

結納には、仲人がついて両家を取り持つ旧来の結納と、両家が料亭やレストランなどの会場に集まって行う簡略化された結納があります。旧来の結納は、仲人が両家を行き来し、結納品や受書(うけしょ)のやり取りをします。そのため、両家は顔を合わせることはありません。
一方、簡略化された結納は、仲人はたててもたてなくてもよく、自由度が高いといえます。近年は仲人の負担を考えて、結納は減ってきています。まず、どんなやり方を選ぶか決めましょう。また、関東式と関西式という分け方もあります。

関東式:互いに結納品を取り交わす
関西式:結納品は男性から女性に贈るスタイル。女性からの結納品はなく、受書を渡す

このような地域差も鑑みて、両家で相談して決めるのが良いでしょう。

 歴史 

結納の始まりは皇太子の結婚

結納の起源は、約1400年前、仁徳天皇の時代とされています。仁徳天皇の皇太子の結婚にあたり、贈り物(納采)をしたことが最初で、後に宮中儀礼の「納采の儀」となりました。時を経て「結納」の作法が整えられたのが室町時代、そして庶民に定着したのは、江戸時代後期の元禄の頃以降といわれています。
以前は、見合い結婚の割合が多かったことから、新郎新婦の両家をつなぐ仲人がまとめ役となり、結納を行っていました。そして昭和中期になると住宅事情の変化などにより、ホテルや料亭などで、両家の家族や親戚が一堂に会して行われるようになりました。

4. 結納当日の流れ

■関東式結納

  1. 仲人が男性宅を訪問>口上を述べる>男性側からの結納品を受け取り退出
  2. 仲人が女性宅を訪問>口上を述べる>男性側からの結納品を渡す>女性側からの受書と結納返しを受け取り退出
  3. 仲人は再び男性宅へ>口上を述べる>女性側からの受書と結納返しを渡す>男性側からの受書を受け取って退出
  4. 仲人は再び女性宅へ>口上を述べる>男性側からの受書を渡す>女性側は受書を受け取る>仲人を酒肴でもてなす、または酒肴料としてお礼金を渡す

■関西式結納

関西式の結納では、結納品を納めるのは男性側からのみ。仲人の動き方は変わりませんが、最後に男性側から女性側へ受書を運ぶ必要がなく、1往復で終了となります。口上を述べるタイミングや内容は地域などでも異なるため、事前に仲人と打ち合わせておきましょう。

簡略化された結納の場合

■関東式結納

  1. 結納品を飾り付ける(向かって右が男性側、左が女性側)
  2. 両家が揃う>はじまりの挨拶>一般的に男性の父親が進行役
  3. 男性側:結納品を納める>男性の父親、または男性本人が口上を述べる
  4. 女性側:男性側の目録に目を通す>受書を渡す
  5. 女性側:結納返しを納める>女性の父親が口上を述べる
  6. 男性側:女性側の目録に目を通す>受書を渡す
  7. 婚約記念品の披露(記念品を準備している場合はここで交換する)
  8. 締めの挨拶:男性側から締めの挨拶をする

■関西式結納の流れ

関西式も流れは関東式と同様ですが、結納品を納めるのは男性側からだけなので、
結納品のやりとりは1.~4.で終わり、5.6.を省いて7.に飛びます。

5. 結納当日の席次(例)

両家が一堂に会する簡略化された結納では、男性側の父親が最も上座に。次いで上座から男性本人、母親という順番で着席します。 女性側も同じく、上座から父親、女性本人、母親の順に座ります。 仲人は下座で儀式の進行役を果たします。 儀式の後、仲人夫婦が上座へ移動する場合もあります。

入り口から奥が上座、床の間に近い席が上座です。入口が下座になります。

6. 結納金・結納返し

結納を交わすにあたって男性側から女性側に贈られる結婚準備金を結納金といいます。
金額はおよそ20~40万円と言われています。なお現在では、結納返しの金額を最初から差し引いた額を渡すケースや、結納金の代わりに婚約指輪を渡すケースもあります。特に決まりはなく、地域差などもあります。
両家の親と話し合い、当事者の収入や貯蓄額に応じて準備するのが良いでしょう。無理をする必要はありません。

結納と顔合わせ(食事会)の違い

結納は堅苦しい、経済的な余裕があまりない、けれど両家の親睦を深めるために交流する機会はもちたい……そのような考えが多くなり、近年では結納の代わりに「顔合わせ食事会」を行うケースが主流となっています。両家の顔合わせイベントに決まった形はなく、自分たちの考え方次第で自由にアレンジすることができます。
結納と顔合わせ食事会の違いは、顔合わせ食事会では、結納のように結納品の交換や口上などはありません。食事会はホテルやレストラン、料亭、あるいは結婚式場内の施設などで催します。挨拶や自己紹介、婚約記念品の交換、婚姻届の記入などを食事を交えながら、気軽な雰囲気の中で行います。
結納をしない場合、顔合わせ食事会で婚約指輪や時計などの婚約記念品を交換することが多く、あまり形式ばらない会であっても特別な思い出深い集いになることでしょう。

7. 結納の服装は何を選べば良い?

両家の服装は、一般的に準礼装または略礼装で臨むことがマナーとされています。
一方がカジュアル、一方がフォーマルという事態は避けなくてはなりません。
例えば、女性が振袖の場合、男性は礼服(ブラックスーツ)・略礼服(ダークスーツ)を着用。母親は色留袖、おめでたい席なので、ある程度華やかさのある色がよいでしょう。父親はブラックスーツで臨みましょう。
洋装の場合は、アクセサリーは真珠などの品のあるものを。
男性は白シャツ、ネクタイもお祝いの場に相応しい色を選びましょう。
和装、洋装は揃っていなくても問題ありませんが、どちらを選ぶか、事前に伝えておく方がよいでしょう。

礼服 または 略礼服
振袖
礼服
色留袖
フォーマルなワンピースなど

8. 実際、結納をした人の割合は?

データによると、結納を実施したカップルは全国推計値で9.4%という結果が出ています。
具体的な内訳は以下の通りです。

ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ

結納ができるホテルや
式場を選ぶといい理由

サービスに結納がある場所なら、慣れたスタッフが儀式をサポートしてくれます。儀式の後に施設内の料亭やレストランで、改めて顔合わせとして食事会を開催することもできます。
さらに、結納の場には老若男女、様々な世代の人が集まりますが、ベビーベッドやバリアフリーの施設も充実しています。遠方から参加する方なら、ホテルに宿泊すれば時間的にも余裕が生まれます。

結納品

寿留女(するめ)や子生婦(こんぶ)などの縁起物で、選択によって品目、数量が異なりますが、9品目か7品目か5品目というように縁起の良い数字である奇数で揃えます。
最近は、結納金や熨斗(のし)など3品目程度にした簡略化された結納も増加しているようです。
地域(関東式、関西式、その他にも)によって内容や品目数が異なりますので、両家で事前に話し合っておいた方が良いでしょう。会場によっては専門スタッフがおり、アドバイスしてもらえるので安心です。

結納は結婚を通じて家同士の結びつきを深めようとした時代のならわしともいえます。核家族化や個人主義が浸透した現代ですが、日本の伝統や文化を感じることができ、結婚準備という未来に向けた楽しい時間をより印象深くして結束を強めることができる大切な意味が
結納にはあります。