お食い初め

お食い初めっていつやるの?

お食い初め(おくいぞめ)は、赤ちゃんが生まれて100日〜120日位の間に行われる行事です。お食い初めには、生まれてきてくれた赤ちゃんが「その後の人生でも一生食べ物に困ることがないように」や「健康で丈夫に育ちますように」などの願いを込めて、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが、赤ちゃんに食べ物を食べさせる真似を行います。近年のお食い初めは家族だけでなく、祖父母や兄弟、親戚などにも声を掛けて、みんなでお祝いすることが多くなっています。

CONTENTS
1. お食い初めとは
2. お食い初めの準備(日時や場所)
3. お食い初めに必要なもの
4. お食い初めのやり方

1. お食い初めとは

お食い初めは無事生まれてきてくれた赤ちゃんが、そこから更に100日無事成長してくれたことをお祝いする行事です。具体的には「一生食べ物に困らないように」や「元気に育ちますように」という願いを込めて行われます。お食い初めは100日目に行われることが多いので「百日祝い(ももかいわい)」と呼ぶ地域もあります。またその他に「真魚始め(まなはじめ)」、「真魚祝い」「箸揃え」、「箸祝い」、「箸初め」、「箸立て」などとも呼ばれています。
お食い初めはお父さんとお母さんが赤ちゃんのために食べ物を準備し、その食べ物を食べさせる真似をします。生後100日程度の赤ちゃんはまだ歯も生え揃っていないため、実際には食べることはできないので食べさせる真似になるのですが、そこにはお父さんとお母さんにとっても特別な思いがあるはずです。
ちなみに最近はお父さんとお母さん以外にも祖父母や両親の兄弟姉妹や親戚も呼ぶことが増えています。今まさにお食い初めを計画中の方は、みなさんでお祝いすることを検討しても良いかもしれません。きっと赤ちゃんにとってもご家族にとってもいい思い出になるでしょう。

 歴史 

平安時代に誕生したお食い初め

お食い初めは、平安時代に「百日(ももか)」という赤ちゃんにお餅を食べさせる行事が起源だったと言われています。その後、鎌倉時代にお餅から魚肉になり、それがきっかけでお食い初めの別名である「真魚始め(まなはじめ)」と呼ばれるようになりました。また初めて箸を使うため「箸揃え」、「箸祝い」、「箸初め」、「箸立て」とも呼ばれています。

2. お食い初めの準備(日時や場所)

お食い初めをすることが決まりましたら準備が必要です。お食い初めはお祝い事なので、準備も楽しくできるといいですね。とはいえ実は決めることは多くありません。お食い初めで決めるべきことを紹介します。

誰を呼ぶか

お食い初めをやることを決めた後は、誰を呼ぶか決めると良いでしょう。お父さんとお母さん以外に、祖父母、両親の兄弟姉妹、親戚などお食い初めを一緒にお祝いしてくれそうな人にお声がけするとよいでしょう。

日時

呼ぶ人が決まりましたら、次は日時を決めましょう。お食い初めは生後100日〜120日くらいの間で行うのが一般的です。その中でお呼びする方々の日程を調整して決めるとよいでしょう。

場所

最後は場所です。選択肢は料亭やレストランなどのお店か、自宅のどちらかになります。レストランや料亭であれば、お食い初め専用のコースなどを準備してくれるお店もあるので、事前に調べるとよいでしょう。
自宅であれば、料亭やレストランなどとは異なり、他の利用客に気兼ねする必要がないので非常に気が楽かもしれません。ただしお食い初めに必要な食材を買い、そのための準備をする必要があるので、この点は注意が必要ですが、最近はお食い初めに必要な料理を通販等々で簡単に注文できるので、これを利用してもよいでしょう。

料亭やレストランを選ぶメリット

赤ちゃんが場所見知りや人見知りをしてぐずってしまったりする可能性がありますので、それを心配して自宅でお食い初めを検討する方は少なくありません。しかし、料亭やレストランの中には、お食い初めに使用した食材やお料理を丁寧に説明してもらえたり、記念写真を撮ってくれる、特別感のあるお食い初めになるというメリットがあります。
また妊娠から出産、そして生後100日まで、忙しくしていたお母さんとお父さん、それぞれに対して感謝とねぎらいの気持ちを込めて美味しい食事で、お互いにもてなしてあげられるということも大きなメリットでしょう。

3. お食い初めに必要なもの

お食い初めに必要なものを紹介します。

食器

お食い初めの食器は、塗りの漆器と家紋が入った高足の御膳を使用します。ちなみに塗りの色は赤ちゃんの性別で異なります。男の子は内側・外側ともに朱塗りです。女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りです。

料理

お食い初めのお料理は一汁三菜と尾頭付きの鯛を用意しましょう。飯碗に赤飯、汁椀にはお吸い物です。三菜は香の物と酢の物、煮物がよいでしょう。食材が偏ることなく、バランス良く盛り付けましょう。

祝い箸

お食い初めのお箸は、柳の白木箸を使用します。これは両口箸ともいい、文字通りお箸の両端の先端が細くなっており、どちらも利用可能です。 両口箸の白木箸を利用する意味は、片方は人、もう一方を神様が使い、神人共食という、神様への感謝を表しています。

歯固めの石

歯固めの石(はがためのいし)は「歯固めの儀式」に使用します。お付き合いのある神社などからお借りしたり、あるいはインターネットで購入しても良いでしょう。

歯固めのタコ?

歯固めの石は、石ではなく別の物を用いる地域もあります。大阪などでは赤ちゃんに多くの幸せ・多幸が訪れるようにという願いを込めて、「多幸=たこう=タコ」という語呂合わせで、タコを使う場合もあります。また別の地域では梅干しや、栗の実、紅白餅、あわび(岩手)を使うこともあるようです。

4. お食い初めのやり方

お食い初めには「誰から」と「何の料理から」の二つについて順番が決まっています。お料理を赤ちゃんに食べさせる真似をする順番は、参加する人の中で一番の年長者である養い親(祖父母や最年長の親戚)から行うが一般的です。これには長寿にあやかろうという願いが込められています。
料理の順番は【赤飯→お吸い物→赤飯→焼鯛→赤飯】で、これを三回繰り返します。最後に歯固めの儀式を行います。歯固めの儀式は、祝い箸で歯固めの石に触れ、それを赤ちゃんの口元や歯茎にそっと当てます。これには石のように丈夫な歯が生えてきますようにという願いが込められています。

お食い初めの意味やマナー、やり方を紹介してきましたが、最も大事なことは赤ちゃんのこれまでの成長を祝い、これからの成長を願うことです。
お食い初めは一生に一度の大切なお祝いではありますが、最近ではここまで形式にこだわって行う家庭も少なくなりつつあります。形式にとらわれる必要はないので、愛情を込めて楽しくお祝いすることが大事です。順番やマナーにこだわりすぎて、写真を取り忘れたりすることなどがないように気をつけてくださいね。