初節句

初節句は何をするの?

初節句(はつぜっく)は初節供とも書きますが、赤ちゃんが生まれてから迎える初めての節句です。ちなみに節句とは季節の変わり目を意味しており、男の子の初節句は5月5日で、女の子は3月3日になります。初節句は、赤ちゃんが心身ともに健やかに育つことをみんなで願う行事です。
最近は家族以外の祖父母や兄弟、親戚なども交えて、みんなでお祝いすることも多くなっています。初節句の由来ややり方を男の子と女の子でそれぞれ分けて紹介します。

CONTENTS
1. 初節句とは
2. 男の子と女の子でそれぞれ異なる初節句の由来
3. 男の子と女の子でそれぞれ異なる初節句の祝い方
4. 二人目以降の初節句

1. 初節句とは

初節句は「はつぜっく」と読みます。初節句は生まれて間もない赤ちゃんが、心身ともに健やかに育ちますようにという願いを込めて行う、大事なお祝い行事です。初節句の歴史は古く、女の子は平安時代から、男の子は鎌倉時代までさかのぼります。このように初節句は長い時間を経て築き上げられてきた文化であり、多くの人が経験しているということもあり、日本人の心に深く根付いている行事と言えるでしょう。ちなみに生まれたばかりの赤ちゃんをお祝いする行事は初節句以外にもいくつかあります。

  • 生後7日目にお七夜
  • 生後1か月前後~地域により100日前後にお宮参り
  • 生後100日目にお食い初め
  • 生後6ヶ月でハーフバースデー

上記の中で初節句を行うのは、男の子は生まれてはじめて迎える5月5日、女の子は3月3日となりますが、場合によってはお宮参りよりも早くなることもあります。ただしその場合はお宮参りと初節句を同時に行うこともあり、このあたりは各家庭で柔軟に考えて決めてしまって問題ありません。
初節句は若い家族だけでなく、親・兄弟、親戚にとっても嬉しいことです。周囲に喜んでくれそうな方がいる場合は、気兼ねなく初節句へのお誘いをしてみるとよいでしょう。きっと喜んでくれるはずです。

 歴史 

初節句はいつ生まれたか

初節句という慣習の誕生は、男の子と女の子でそれぞれ時期が異なります。女の子の初節句を祝うようになったのは男の子よりも早く、平安時代からだと言われています。初節句は生まれてきたこどもの多くが経験するということもあり、日本人に深く根付く文化になりました。
その結果、女の子だけでなく、男の子も初節句のお祝いをしようということになり、鎌倉時代から男の子も初節句を行うようになりました。
更に時は進み、五節句は江戸時代に祝日となり、多くの方が初節句を行うようになり、現代の「雛祭り(ひなまつり)」や「こどもの日」に変化していきました。

2. 男の子と女の子でそれぞれ異なる初節句の由来

節句は節供とも書きますが、この節供の「供」は「お供え」を意味しています。これは節句本来の「季節の変わり目をお祝いするために、神様にお供え物をする」という意味に由来しています。
そしてその神様へのお供え物は、下げた後に神様と一緒にいただくという習わしになっていました。そしてその節句を祝う行事として、古くは「節会(せちえ)」という宴会が開かれており、そこで初節句を祝ったのが女の子の桃の節句と、男の子の端午の節句の始まりとされています。

男の子の端午の節句の由来

男の子の端午(たんご)の節句の「端午」とは、中国語で「月初めの午の日」を意味します。端午の節句は、端午の「午」を「ご」と読み、それが転じて「五」と解釈し、5が重なる5月5日に定められました。端午の節句は鎌倉時代に生まれ、江戸時代に入る頃には、武家に生まれた男の子のお祝いの日となり、現在のこどもの日に通じていきます。

女の子の桃の節句の由来

女の子の初節句が生まれた平安時代の貴族は、五節句(人日(1月1日)・上巳(3月3日)・端午(5月5日)・七夕(7月7日)・重陽(9月9日))で身の穢れを清めていました。その中でも上巳(じょうし)の節句は「3月上旬の巳の日」を意味し、これが「桃の節句」に発展し、江戸時代に祝日となり、現代のひな祭りに変化していきます。

地域によって異なる
初節句

初節句の歴史は古く、地域によって独自の進化を遂げてきました。福岡県柳川市では江戸時代から、色鮮やかなつるし飾りの「さげもん」を家に飾り、初節句を迎える女の子の成長や幸せを願うようになりました。
兵庫県豊岡市には初節句を迎えた男の子を祝うために、地域の若者がのぼりを持つ「のぼりまわし」と呼ばれる風習が残っています。
島根県隠岐では「いぐり凧揚げ」と呼ばれる行事で初節句の赤ちゃんを祝います。これは凧に初節句を迎えた赤ちゃんの名前を書き込み、凧揚げをするという風習です。

さげもん
のぼりまわし

3. 男の子と女の子でそれぞれ異なる初節句の祝い方

男の子と女の子では初節句の祝い方が異なります。ちなみに男の子の五月人形は父方の祖父母が、女の子の雛人形は母方の祖父母が贈ると良いと言われています。

いつから飾るといいの?

節句の飾りは、3週間ほど前から飾って、赤ちゃんの成長を祈願しましょう。節句が終わったら、飾りは早めに片づけましょう。飾りは赤ちゃんたちの身代わりに、災厄を引き受けてくれる魔除けの行事でもあります。

男の子の初節句の祝い方

  • 五月人形を飾る
    五月人形には様々な種類があります。鎧飾り、兜飾り、こども鎧大将飾り、金太郎飾り、武者人形飾りなどがありますので、ご自宅の間取りやサイズで決めると良いでしょう。
  • 鯉のぼりを飾る
    鯉のぼりはこどもの日の定番ですが、端午の節句でも鯉のぼりを飾ってお祝いします。
  • 柏餅やちまきを食べる
    柏餅やちまきを食べてお祝いするのも端午の節句の習わしの一つです。

女の子の初節句の祝い方

  • 雛人形を飾る
    雛人形は五月人形とは異なり種類は多くありませんが、段数や形状、色合い、大きさなどが豊富です。五月人形同様に、間取りやサイズで決めると良いでしょう。
  • ちらし寿司を食べる
    桃の節句ではちらし寿司やひなあられ、菱餅、蛤のお吸い物を食べてお祝いするのが一般的です。

4. 二人目以降の初節句

二人目以降のお子さんが生まれた場合の初節句ですが、五月人形も雛人形もどちらも「身代わり人形」という意味合いが込められており、お下がりは基本的には縁起が良くないとされていました。二人目以降は新しく購入することが良いとされていると紹介しましたが、五月人形も雛人形もどちらも安くはありません。しきたりやマナーを守ることを優先することで負担が増えてしまっては大変です。お父さんとお母さんが笑顔でいられることが何よりも赤ちゃんにとって大事なことであるということを忘れないようにしたいですね。

二人目が男の子の場合

先程述べたように、基本的には新しく購入することが良いとされていますが、長男が持っていない鎧や兜などを足していくことでも問題ないとされています。

二人目が女の子の場合

男の子同様に、基本的には新しく購入するのがおすすめですが、雛人形以外の「市松人形」や「つるし雛」などを足していくことでも問題はないとされています。

初節句はその子の幸せや成長を願う数ある行事の中でも、比較的早く訪れます。こどもの妊娠や出産の感動が冷めやらずに行う初節句は、他の行事よりもより一層、我が子に対して幸せに育ってほしいと強く願うはずです。
そのためにも、一日一日を大事に過ごして、今年同様、来年のひな祭りやこどもの日を迎えたいと思うはずです。初節句を思い出深い、大事な一日として、家族団らんで過ごせるように心から祈っています。