クリスマス

クリスマスとは?

12月になると街中がクリスマス一色となり、なんだかわくわくした気分になります。クリスマスといえば、日本においてはイベントとしての性質が強く、子供も大人も楽しみにしている行事となっています。そもそもはキリスト教の祝い事であり、Christmasという言葉は「christ」と「mas」の二つの言葉から成り立っています。christはキリスト、masはミサを表しており、イエス・キリストの誕生を祝う日とされています。

CONTENTS
1. クリスマスの祝い方
2. クリスマスの食事

1. クリスマスの祝い方

日本のクリスマスの祝い方といえば、イルミネーションが輝く美しい街並み、そこかしこから聞こえるクリスマスソング、クリスマスイベントでのプレゼント交換やクリスマスツリーに飾った靴下にサンタクロースからのプレゼント…。そんな定番イメージがありますが、国が変われば祝い方も変わります。世界のクリスマスの過ごし方をご紹介します。

イギリス

クリスマスの1か月前くらいからツリーやリースの装飾が見られるように。各家庭ではサンタクロースをもてなすのが伝統で、リンゴやレモン、ドライフルーツを煮込んで作るミンスパイにお酒を用意してサンタクロースを待ちます。

ドイツ

クリスマスイブまでの4週間がアドベント(待降節)呼ばれる期間で、このシーズンは各地で開催されるクリスマスマーケットでにぎわいます。ドレスデンの「シュトリーツェルマルクト(市場)」が世界的に有名。パン菓子のシュトーレンは日本でも定着しつつあります。

フィンランド

12月、フィンランドの人々は「ピックヨウル」というパーティーでクリスマス休暇シーズンを祝います。パーティーで供される飲み物はホットワインの「グロッギ」。スパイス入りのワインにアーモンドやレーズン、ウォッカを少々加えることも。クリスマス当日は朝食にミルク粥「リーシプーロ」をいただきます。

ギリシャ

ギリシャ正教では、クリスマス前の約40日間、断食(正確には肉や魚、乳製品、お酒を禁止する食事制限)を行います。ディスプレイはクリスマスツリーだけでなくクリスマスボートが登場します。海洋国家ならではの風習で、海に出た男たちを待つ妻たちが無事を願って船を飾り付けたといいます。

米国

移民の国である米国では、さまざまなクリスマスが混在しています。エンターテインメントが盛んなお国柄か、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市では、大規模なパレードが行われ、多くの観光客でにぎわいます。クリスマス料理は有名な七面鳥の丸焼きがふるまわれます。

ロシア

ロシア正教のユリウス暦に基づいた1月7日がロシアのクリスマスです。

オーストラリア

南半球のオーストラリアでは、クリスマスシーズンは真夏に当たります。クリスマスパーティーが海やプールで行われ、参加者はサンタ帽に水着という独特なスタイルだったりして、日本人から見ると不思議な光景が展開されます。クリスマス料理はバーベキューというのもオーストラリアならではです。

ブラジル

リオデジャネイロには世界最大といわれるクリスマスツリー(高さ85m)が飾られます。クリスマスイブともなると街はサンバのリズムで大いに盛り上がります。有名なカクテル「カイピリーニャ」を飲みながら、真夏のクリスマスを陽気に楽しみます。

サンタクロースって誰?

「聖ニコラウス」、英語だと「セント・ニコラウス」、そのオランダ語読みが「サンタ・クロース」です。聖ニコラウスは、4世紀、小アジアのミュラで司教を務めたといわれる人で、貧しき人々に慈愛をもって、善行を施していたそうです。後に聖人としてあがめられ、命日である12月6日が「聖ニコラウスの祭日」となったそうです。
ところでサンタクロースといえば、クリスマスツリーに飾った靴下にプレゼントを入れておいてくれる、というお話が定番ですが、なぜ靴下なのでしょうか?その理由は、やはり聖ニコラウスの逸話にあります。とある貧しい家の娘が、その貧しさゆえに結婚できずにいました。それを哀れんだニコラウスが煙突から金貨を投げ入れたところ、その金貨が暖炉に干してあった靴下の中に偶然落ちました。娘はその金貨のおかげで無事結婚式をあげられた、というお話です。1500年以上の時を経て、子供たちがツリーに靴下を飾り、ワクワクしながら眠りにつくなんて、ちょっと不思議で夢のあるお話しですね。

 歴史 

日本のクリスマス史

クリスマスがいつ頃始まったのか、聖書には記述がなく正確な年代は不明です。2~4世紀の古代ローマ帝国時代に起源があると推測されています。その頃ローマ帝国の東、ペルシアからミトラ教という宗教が伝来しました。太陽を信仰するミトラ教は冬至の時期に「光の祭り(冬至の祭)」という行事を行っていました。一方ローマ帝国では、12月25日に農耕の儀式を行う習慣があり、そこで2つの行事を合体させる形でキリストの降誕祭を制定したそうです。「光(太陽)の復活はキリストの復活」とすることで、宗教同士のいさかいを避け、さらにはキリスト教が民衆に浸透するきっかけとなりました。さて、年末の風物詩として日本にもすっかり定着したクリスマスですが、日本人がクリスマスを楽しむようになったのは、いつ頃からなのでしょうか。
日本でのクリスマスの始まりは、1552年。時は戦国、文化的には安土桃山時代ということで、思いの外歴史が古いと感じる人も多いでしょう。周防の国(現在の山口県)でフランシスコ・ザビエルが信者を集めて、1552年にミサが行なわれたことが記録されています。当時は、クリスマスという名称ではなく「ナタラ」と呼ばれていたそうです。
時代が変わって江戸時代、1617年に当時の幕府は、キリスト教禁止令を発令します。このことで、明治時代に至るまで、300年近く、クリスマスの儀式は封印されることになりました。明治時代、まだ一般には浸透していなかったクリスマスが世に出たのが、「明治屋」が銀座に進出した時のことでした。1900年(明治33年)、明治屋銀座店がクリスマスツリーを飾りつけたのが、大きな話題になりました。あまり宗教色が強くない「クリスマス商戦」の始まりは、このことがきっかけでした。
その後、第二次世界大戦の戦時下ではクリスマスは自粛されるようになりましたが、戦後になってデパートなどでクリスマス商品の販売やセールが盛んになり、日本でもクリスマスが1つの大きなイベントとして定着していきました。

2. クリスマスの食事

映画などで海外のクリスマスを見ると、家族が集まって囲むテーブルには、たくさんの料理が並んでいます。クリスマスにおすすめの行事食とは?ここでは代表的なクリスマスメニューをご紹介します。

七面鳥

日本ではあまり食べる習慣がありませんが、アメリカではチキンではなくターキー(七面鳥)が一般的。かつて、ヨーロッパからの移民が原住民インディアンから七面鳥の料理を教えてもらい、これをきっかけに感謝祭やクリスマスでは七面鳥を食べるようになったといわれています。

ブッシュ・ド・ノエル

フランスのクリスマスケーキといえば、ブッシュ・ド・ノエル。フランス語でブッシュは木、丸太、ノエルはクリスマスという意味があり、由来はキリスト教が普及する前に北欧にあった冬至祭で燃やしていた丸太である、という説があります。

シュトーレン

ところ変われば味変わる。ドイツのクリスマスメニューの代表選手はシュトーレンです。伝統的な焼き菓子で、トンネルのような形状から「坑道」を意味する「シュトーレン」が由来です。ドライフルーツやナッツが練りこまれ、表面は白い粉砂糖で覆われています。

メリークリスマス or ハッピーホリデー

クリスマスはキリスト教のお祭りで、欧米では12月の1か月くらいの間、盛大に祝うイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はヨーロッパからアメリカ大陸へ移民した当初はクリスマスを祝うことが禁じられていたことをご存知ですか。1620年代、アメリカに移住したピューリタンと呼ばれる人々は、宗教上クリスマスを祝うことが禁止されていました。その後、独立革命などを経て、クリスマスを祝う風習がすこしずつ広まりました。一方で、米国には多様な民族が移住しており、信仰する宗教も多彩です。キリスト教徒以外の人も多いので、国を挙げてクリスマスを祝うようなことはないようです。日本のクリスマスはイベントとしての性質が強いので、特に疑問を持つことなく「メリークリスマス!」とこの季節の到来を喜びますが、その言葉を口にしない人たちもいるようです。とはいえこの時期はホリデーシーズンなので、キリスト教徒以外の人たちも家族で集まって過ごすことに変わりはなく、「メリークリスマス」とは言わず「ハッピーホリデー」と言うようです。また、オフィシャルな場では信教の自由に配慮して「Happy Holidays(ハッピーホリデー)」が使われることが多いようです。

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クリスマスの歌を聴いてみよう!

街並みにイルミネーションが輝き、家々の小さなツリーがきれいに飾り付けられる。かつては12月24日、25日に集中していた日本のクリスマスも、昨今は12月の声を聞くころから飾り付けが始まり、一つのシーズンとして楽しめるようになりました。宗教的な意味合いは深くはありませんが、平和を祈るイベントや、家族団らん、家でゆっくりする欧米スタイルのクリスマスを実践する人も多くなってきました。恋人たちにとってクリスマス・イブは重要な日です。単なるお祭り騒ぎではなく、その行事の意味を調べ、外国の文化に親しんでみるのも、これまでとは違った側面の楽しみ方ができるのではないでしょうか。